政治: 政治学から「政治界」の科学へ (ブルデュー・ライブラリー)

著者 : ピエール・ブルデュー 藤本一勇 加藤晴久 Pierre Bourdieu

• 藤原書店 (2003年12月1日発売)

感想・レビュー・書評

[show-timeさんの感想 · 2007年9月17日]

政治哲学に興味があったころ、読みました。フランスのコレージュ・ド・・フランスの元教授、ピエール・ブルデューの政治社会学の書。
政治を特殊な一部の人々によって排他的に独占された領域＝界（シャン）とし、分析しています。例えば政治家ではない人が政治についてコメントしたとき、政治家から「無責任な発言だ」と非難されることがあります。このような「一市民を政治的に無責任だと非難することは、非合法に政治をやっていると非難すること」に等しいと彼は述べます。このような政治‘界’の分析をすることで政治がより見えてくるというのがこの本の主旨です。
ブルデューが生前に行った講演を記録したものですので、ブルデューの他の著書よりも分かりやすいと思います。また、質疑応答も記録されています。
政治に興味ある方、ブルデューに興味ある人、オススメします。

著者プロフィール

（1930―2002）社会学者。アルジェ大学、社会科学高等研究院を経てコレージュ・ド・フランス教授。著書に『ディスタンクシオン』(藤原書店)など。

「2015年 『人民とはなにか？』 で使われていた紹介文から引用しています。」