反時代的思索者: 唐木順三とその周辺

著者 :
  • 藤原書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894344570

作品紹介・あらすじ

哲学・文学・歴史の狭間で、戦後の知的限界を超える美学=思想を打ち立てた唐木順三。全盛期の『中央公論』の名編集長で、戦後のアカデミズムとジャーナリズムを知悉する著者が、「故郷・信州」「京都学派」「筑摩書房」の三つの鍵から、戦後思潮に距離を取り続けた唐木の思索の核心に迫り、"戦後"を問題化する。

感想・レビュー・書評

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  • 西田幾多郎の下で哲学を学び、筑摩書房の創設に関わり、中世の世界に沈潜して評論活動をおこなった、批評家唐木順三と、彼が生きた時代を描いた本です。

    「本書は、唐木順三の事跡を正確に網羅的に追う評伝とはならなかった。それにしては、私自身の問いが多過ぎたからである」と著者自身述べているように、唐木と同じく出版・編集に関わりつつ評論活動をおこなってきた著者の、唐木の思想と活動に対する率直な感想が、ときに唐木その人を離れて語られています。

    著者のこれらの考察は、必ずしも一つの結論へと向かっていくということはなく、その意味では散発的なものにとどまってはいるのですが、唐木順三という人物を中心として、近現代の日本思想史におけるさまざまな問題へとつながっていることが示唆されており、興味深く読みました。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。通常の配架場所は、2階開架 請求記号:910.268//Ka79

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著者プロフィール

●粕谷一希(かすや・かずき)1930年東京生まれ。東京大学法学部卒業。1955年、中央公論社に入社、1967年より『中央公論』編集長を務める。1978年、中央公論社退社。1986年、東京都文化振興会発行の季刊誌『東京人』創刊とともに、編集長に就任。他に『外交フォーラム』創刊など。1987年、都市出版(株)設立、代表取締役社長となる。現在、評論家。著書に『河合栄治郎――闘う自由主義者とその系譜』(日本経済新聞社出版局)、『二十歳にして心朽ちたり――遠藤麟一朗と「世代」の人々』『面白きこともなき世を面白く――高杉晋作遊記』(以上、新潮社)、『鎮魂 吉田満とその時代』(文春新書)、『編集とは何か』(共著)『反時代的思索者――唐木順三とその周辺』『戦後思潮――知識人たちの肖像』『内藤湖南への旅』『〈座談〉書物への愛』『歴史をどう見るか』『生きる言葉――名編集者の書棚から』(以上、藤原書店)、『作家が死ぬと時代が変わる』(日本経済新聞社)、『中央公論社と私』(文藝春秋)など。

「2014年 『忘れえぬ人びと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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