朝鮮半島を見る眼―「親日と反日」「親米と反米」の構図

著者 :
  • 藤原書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894344822

作品紹介・あらすじ

体制危機のなか対米交渉に臨む北朝鮮。南北共存のため米国から距離をとる韓国。韓流ブームの中、北とは国交すらない日本。対米従属を続ける日本をよそに、変化する朝鮮半島。日本のメディアでは捉えられない、この変化が持つ意味とは何か。国家のはざまに生きる「在日」の立場から、隣国間の不毛な対立に終止符を打つ。

感想・レビュー・書評

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  • 「韓国を見る眼」と「北朝鮮をる眼」の二部構成。

    著者が8年間にわたって発表してきた朝鮮半島に関する論文をまとめた本である。
    日本では現在、韓流ブームが起こっており、大衆文化や経済的な交流はこれまでになく増えているが、日中関係でよく言われるように「政冷経熱」が日韓関係においても進んでいるように思われる。
    日韓両国が本当の意味で交流を進めるためには、お互いの国に対する冷静な判断と理解が必要である。著者はその理解を勧めるためのひとつの手段としてこの本をまとめたのであろう。
    著者は在日であるが、韓国・北朝鮮/日本の一方を無批判に受け入れはしない。国家のハザマで生きるものとして、むしろ朝鮮半島と日本を冷静に見、そして両国の本当の意味での関係改善を願っているように思われる。

    内容はさほど難しくなく、朝鮮半島を巡る政治についての入門編〜理解を深めるために有用。

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著者プロフィール

1956年、兵庫県生まれの在日韓国人3世。
1980年、同志社大学卒業。
1988年、同大学院商学研究科博士後期課程修了(商学博士)。
1990年9月より2022年3月まで大阪市立大学経済学部に勤務。
大阪市立大学大学院経済学研究科教授を経て、現在、大阪市立大学名誉教授。テレビ・ラジオコメンテーター。
著書に『韓国NIES化の苦悩』(同文舘出版)、『〈在日〉という生き方』『「在日コリアン」ってなんでんねん?』『僕たちのヒーローはみんな在日だった』『日本人と韓国人 「タテマエ」と「ホンネ」』『在日マネー戦争』(以上、講談社)、『越境する在日コリアン』(明石書店)、『朝鮮半島を見る眼』(藤原書店)、『20世紀東アジアのポリティカルエコノミー』(晃洋書房)などがある。

「2023年 『在日という病 生きづらさの当事者研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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