愛の家のスパイ

  • 本の友社
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  • Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894393028

作品紹介・あらすじ

穏やかな夫の愛に飽き足らず、次々と愛の遍歴を続けるサビーナ。彼女はまるで女優のように相手に対して自分を使い分ける。いつ実体を暴かれるともしれないスパイのような生活に、彼女が求めるものは何であろうか?膨大な日記で知られるアナイス・ニンの問題作。

感想・レビュー・書評

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  • 大河小説『内面の都市』の4作目。見事に精神分析の影響下にある作品。
    全編にちりばめられたシンボル、これを一つ々読み解いてみたい気もする。
    ストールを帆に擬えたりここでも海と船のイメージが繰り返し描かれる。
    暗く重い雰囲気のなか過去の恋人とのエレベーターでのキスシーンが生々しく、そこだけ総天然色に輝いている。
    ラスト、ベートーベン四重奏曲を聴いて涙する描写は心震える美しさ。

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著者プロフィール

アナイス・ニン(Anaїs Nin)
1903年、フランスはヌイイ・シュル・セーヌで生まれ、1977年、闘病の末、癌でロサンゼルスにて生涯を終える。11歳の年に母親と弟たちとともにアメリカに移住した。1930年代初頭に夫の転勤に伴いパリに居住し、作家活動を始める。40年から50年代のアメリカにて小説を発表し続け、60年代半ばに日記の出版で名声を得る。74年にダートマス大学より名誉博士号を授与される。日本へは小説『愛の家のスパイ』が河出朋久によって紹介され、66年来日に際し大江健三郎、江藤淳らとの会談が『文藝』に記録されている。89年に実弟ホアキン・ニン・クルメル、カリフォルニア州立大学バークレー校音楽学部名誉教授は来日して、関西の大学での講演やピアノ演奏会を果たす。

「2023年 『四分室のある心臓』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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