- Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
- / ISBN・EAN: 9784894563919
感想・レビュー・書評
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SFを読むにはリアルな深い教養が必要ね。
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若いときは好きな作家さんだった。
地球の消滅・宇宙の誕生など、氏の独特の感覚は素晴らしいものだと思いはするが年を重ねて理解が難しくなったのか。
収録された四つの作品のうち一番理解できたのは「ゴルディアスの結び目」
「あなろぐ・らう”」はあまり好きではなかった。 -
短編4作の合本で、短いながらもなかなか重い本だった。
氏の面目躍如である最新の宇宙物理学の知見や、1970年当時カウンターカルチャーの一部として流行っていたドラッグ体験などをフックに、人間存在の心理や認識のヒダヒダをめくっていく趣向であり、SF小説というよりは哲学書でも読んでいるような感じにさせられる。
それでいて日本的なウェット(情緒的というか・・・)な空気が全体にまとわりついていて、人間の業の深さにも思い至るようになっている。40年を経たいまでも、十分鑑賞に耐える内容である。
この4編の小説は当時あった「野性時代」という雑誌が初出となっている。ふと考えてみると、昨今「野性」はさらに弱まっていて、もはやそこへ回帰しようという機運さえ失われているように感じる(草食的というか・・・)。
そういう意味では、いまも鑑賞に耐える質の高さこそあれ、まだ人間理性を信じて疑わなかった時代の小説であり、やや理想的に過ぎるような気もする。
やたらに湿気の高い夏の夜の中で、いろいろ考えさせられ、大いに楽しませてもらえた本であった。 -
宇宙の事を考えると、自分の足元がぐらつく様な不安を感じるので、この作品のテーマは痛いほどよくわかりました。恐ろしいんですよ、地球の外の事を考えるっていうのは。
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とても面白かった。
もともと『SF』や『宇宙』という題材が好きな事もあり興味深く読み進められた。
物事に関しての可能性やら想像を屁理屈的に懇々と語る描写がとても好ましい。 -
宇宙にまつわる短編集?
なんだかよくわからんが感動した
すぺるむさぴえんすの冒険が特に素晴らしい -
表題を含む4編の短編集。ストーリーに直接の繋がりはないものの、同じテーマが通底する形となっている。結末に少し不満はあるものの、個人的には一番SF的でない「岬にて」が好み。300頁ほどで読み易く、小松左京未読の方は是非。
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『岬にて』が好きで妙にはまった。
表題作『ゴルディアスの結び目』はかっこいい。超常現象を研究する施設で、とある美しい少女の憑き物を調べるサイコダイバー。宇宙観に圧倒。 -
連作短編集。(それぞれが旅先での私的なメモらしいが)
こんな壮大なのか、と驚いた。
調べたら、まどマギの原型とかいう話があるみたい。
○岬にて
テッド・チャンという固有名詞にビビる。
これは、ループしているということで良いのか。
途中で文章の時制がわからなくなるのは何故だ。
○ゴルディアスの結び目
心に飛び込む、サイコ・ダイバー。
謎の球体。悪魔に憑かれた少女。
いちばんわかりやすくSFだった。
○すぺるむ・さぴえんすの冒険
ヒーロー然とした主人公。
そこにネタがあったのは面白かった。
○あなろぐ・らゔ
前章であるすぺるむ・さぴえんすの冒険から恐らく繋がっている設定。
宇宙論、美とは何かという話に。