鬼 (ハルキ文庫 た 6-1)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 65
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894565241

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  • 発売当時に完読

  • 【鬼の住みかは心の隅っこ、犇めく闇ってそんなもの。心に光は指さぬから、腹黒いなんて当たり前】

    よくある感じの話。何回も人を変えテーマを変え、人が一番怖いのね、系の陰陽師話。読んでいて退屈した。

  • 短編集。約120年間の陰陽師の話。 平安時代、鬼、悪霊、陰陽師、安倍晴明、その他諸々の単語が並んでたら読んでみたくなって当然の一冊。 鬼も悪霊も登場するし、陰陽師は術を使う。せやけど、派手な戦いを期待してたので多少肩透かし。 髑髏鬼が微笑ましくて可愛かった。他の作品にも登場したら良かったのに。 賀茂氏と安倍氏が対立してる理由を書いてて欲しかった。時間が経ってるけど、数ページ前の話では師弟関係やから読んでて気になったわ。

  • 怨霊を退治する陰陽師が主役の割には、
    派手な除霊や鬼退治などが一切出てこない、
    という不思議な本(^ ^

    舞台は平安時代初期。
    鬼や怨霊と戦う、内裏の「陰陽寮」に務める
    歴代の陰陽師たちが主人公。

    確かに鬼や怨霊は「存在」し、厄災を起こす。
    一般人の目には見えない怨霊たちも、
    陰陽師には見えるし、実際に除霊も行う、
    ということが大前提となっている。

    が、この物語が取り上げるのは、
    実際の霊障ではなく、政治的な思惑の絡んだ
    人間が巻き起こすトラブル。

    色々な立場の人間が、色々な理由によって
    陰陽師たちを「利用」して、政治的に
    優位に立とうと画策する。

    が、陰陽師たちの方が一枚上手で、
    だまされた振りをしたり、嘘の報告をしたりで、
    問題が大事になる前に納めてしまう。

    若い者たちは、自分たちが不当に軽く扱われていると
    憤ったり、認めてもらおうという欲がある。
    が、老練な陰陽師は、たとえ自分の不利益でも
    世の中のためになるならと、甘んじて受け入れる。
    あくまで裏方に徹しているのが美学(^ ^

    背景が鬼だ怨霊だと浮世離れしているが、
    描かれているのは実に人間くさいやりとり。
    ホラーとかサスペンスとかではなく、
    硬派な人間ドラマとして読むことができる。

    が、筆致はあくまで易しく、会話も現代調で
    とても読みやすく仕上がっている。

    「鬼」というタイトルから
    オカルトチックな話を期待すると肩すかし。

    陰陽師たちの語る決めゼリフ、
    「いつの世でも人は鬼より怖い」が
    この本の全てを言い表していよう。

  • 鬼シリーズ

  • 弓削是雄、安倍清明ら陰陽師の系譜を辿り、応天門の編の謎を解き明かす。

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著者プロフィール

1947年岩手県生まれ。早稲田大学卒業。83年『写楽殺人事件』で江戸川乱歩賞、87年『北斎殺人事件』で日本推理作家協会賞、92年『緋い記憶』で直木賞、2000年『火怨』で吉川英治文学賞を受賞する。他の著書に『炎立つ』(全5巻)、『天を衝く』(全3巻)などがある。

「2009年 『To Tempt Heaven』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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