- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784894565241
感想・レビュー・書評
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【鬼の住みかは心の隅っこ、犇めく闇ってそんなもの。心に光は指さぬから、腹黒いなんて当たり前】
よくある感じの話。何回も人を変えテーマを変え、人が一番怖いのね、系の陰陽師話。読んでいて退屈した。 -
短編集。約120年間の陰陽師の話。 平安時代、鬼、悪霊、陰陽師、安倍晴明、その他諸々の単語が並んでたら読んでみたくなって当然の一冊。 鬼も悪霊も登場するし、陰陽師は術を使う。せやけど、派手な戦いを期待してたので多少肩透かし。 髑髏鬼が微笑ましくて可愛かった。他の作品にも登場したら良かったのに。 賀茂氏と安倍氏が対立してる理由を書いてて欲しかった。時間が経ってるけど、数ページ前の話では師弟関係やから読んでて気になったわ。
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怨霊を退治する陰陽師が主役の割には、
派手な除霊や鬼退治などが一切出てこない、
という不思議な本(^ ^
舞台は平安時代初期。
鬼や怨霊と戦う、内裏の「陰陽寮」に務める
歴代の陰陽師たちが主人公。
確かに鬼や怨霊は「存在」し、厄災を起こす。
一般人の目には見えない怨霊たちも、
陰陽師には見えるし、実際に除霊も行う、
ということが大前提となっている。
が、この物語が取り上げるのは、
実際の霊障ではなく、政治的な思惑の絡んだ
人間が巻き起こすトラブル。
色々な立場の人間が、色々な理由によって
陰陽師たちを「利用」して、政治的に
優位に立とうと画策する。
が、陰陽師たちの方が一枚上手で、
だまされた振りをしたり、嘘の報告をしたりで、
問題が大事になる前に納めてしまう。
若い者たちは、自分たちが不当に軽く扱われていると
憤ったり、認めてもらおうという欲がある。
が、老練な陰陽師は、たとえ自分の不利益でも
世の中のためになるならと、甘んじて受け入れる。
あくまで裏方に徹しているのが美学(^ ^
背景が鬼だ怨霊だと浮世離れしているが、
描かれているのは実に人間くさいやりとり。
ホラーとかサスペンスとかではなく、
硬派な人間ドラマとして読むことができる。
が、筆致はあくまで易しく、会話も現代調で
とても読みやすく仕上がっている。
「鬼」というタイトルから
オカルトチックな話を期待すると肩すかし。
陰陽師たちの語る決めゼリフ、
「いつの世でも人は鬼より怖い」が
この本の全てを言い表していよう。 -
鬼シリーズ
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弓削是雄、安倍清明ら陰陽師の系譜を辿り、応天門の編の謎を解き明かす。