- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784894566798
作品紹介・あらすじ
青森出身の著者が、岩手出身の先達・石川啄木の歌業について、「時代の青春を代表させることができた歌人」と称賛しながらも、そのダイアローグの不在を卓越した視点で論じた表題作ほか、「太宰を読む」「鏡花を読む」「江戸を読む」-など、日本文学史を撃つ寺山修司のゲリラ的新編集文学論。
感想・レビュー・書評
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2009/9/11寺山修司記念館で購入(笑
2009/
啄木を読む
太宰・中也を読む
鏡花を読む
乱歩・織田作之助・夢野久作を読む:
乱歩は、私は人間が書物、本ですね、本に化ける話を書きたいと思ったことがある、と書いている。「人間椅子」という小説の発想も、変身譚というかたちを借りた「自分のかくし方」である。こうしたことについて乱歩は「人間は、あるがままの自分に満足していない。美男の王子さまや、騎士になりたいとか、美しいお姫様になりたいというのは、もっとも平凡な願望である」と書いている。
江戸を読む
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寺山修司による啄木評論(その他に太宰・中也・久作・鏡花なども評論している)。
寺山と啄木ってずっと似ている部分があると思っていたし、寺山が啄木を耽読していたことも知っていたので、なかなか啄木のお膝元に住む自分としては興味深く読むことができた。
寺山の啄木に対する愛憎を感じた。
同族嫌悪のようなものが読み取れる。
寺山は啄木を精神的な引きこもりで誰とも向き合ってなかったいうようなことを書いていた。
末尾の解説でもそこに触れているのだけど、啄木は内世界の人間で、反面寺山は外界に開かれた人間だと思う。
二人は確かに似ているけど、やはり啄木は基本的に暗い(笑)。
いかにも東北って感じで、ユーモアの人だった寺山は啄木を反面教師にしていたのでは?と思ったりもした。