電話男 (ハルキ文庫 こ 5-2)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894567054

感想・レビュー・書評

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  • 2008年3月25日読了

  • 2006.12.27

  •  聞き役であり、自分から電話を切ることはなく、なんの報酬も求めず、かけてきた人にグチを言うこともなく、話の内容をダシに脅すこともない電話男。「電話男」では、実際の電話男の例とともに電話男の歴史やU研について。「純愛伝」では、突然電話男になってしまった妻をもつ主人公の話。<br>
     とるこ日記で紹介されていたので読んでみました。この話を15年以上前に書いたというのがすごいなぁと思いました。知らない相手だからこそ、つい周りに言えない話をしてしまう。ちょっと難しかったですが、考えさせられる話でした。

  • 電話男というオリジナルなキャラクタを切り口にした社会批判が面白い実験的小説。

  • 「電車男」ではなく「電話男」。

    実は、この小説は15年以上も前に書かれたもので、これは2000年に角川ハルキ文庫から再び出版されたもの。
    <電話男>それは電話相手の話をただただ聞くだけの存在、報酬も求めず、相手に自分の話をすることもない。顔はわからず、素性も一切わからない。
    しかし、全国に数多くの電話男が存在し、人々は彼らに電話することで心の孤独を埋めようとする。
    それは次第にエスカレートし、社会全体の問題となっていく。
    この小説のすごいところは、現代においてもそれが当てはまるところだろう。
    インターネット時代が到来し、人々はメールや、サイトによってコミュニケーションをとるようになった。
    それは簡単で、手軽な関係である。
    しかし、そこには現代のコミュニケーションの希薄感、弧絶感が存在する。
    そんな、時代がくるのを15年前にすでに予知していたかのような内容。
    今の時代だからこそ読むべき本ではないかと思います。

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