- Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
- / ISBN・EAN: 9784894569782
作品紹介・あらすじ
志を継ぐ者の炎は消えず。曹真を大将軍とする三十万の魏軍の進攻に対し、諸葛亮孔明率いる蜀軍は、迎撃の陣を南鄭に構えた。先鋒を退け、緒戦を制した蜀軍だったが、長雨に両軍撤退を余儀なくされる。蜀の存亡を賭け、魏への侵攻に『漢』の旗を掲げる孔明。長安を死守すべく、魏の運命を背負う司馬懿。そして、時代を生き抜いた馬超、爰京は、戦いの果てに何を見るのか。壮大な叙事詩の幕が厳かに降りる。北方「三国志」堂々の完結。
感想・レビュー・書評
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孔明が死んでのちのことは描かれない。
なんだかちょっと尻切れとんぼのような気もするが、オープンエンドでこれからの時代を生きていく者たちに焦点を当てているという意味で、清々しさも感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
三国志ものはゲームから入り、そちらでは魏軍が好きだったので冷酷な曹操にドキドキしながら読み進めました。
いやぁ、泣いた泣いた。すげぇ泣いた。
呂布、周瑜、関羽、張飛、曹操、劉備、そして諸葛亮、熱い漢たちの死に泣き、馬謖や張衛ら熱く生きられなかった漢たちの切なさにも泣いた。
憧れたようには生きられなかった曹丕も虚しくて悲しくて、司馬懿と同じような状態になってましたw
夏侯惇と許褚に弱さを託す曹操、脆くてなんてかっこいいんでしょう。
自分の弱さ、不明に打ちのめされる諸葛亮。
天才諸葛亮の恐怖にただ耐える司馬懿。
弱さを併せ持った英雄たちがものすごくかっこよく描かれていました。
お気に入りは司馬懿と徐庶。オリキャラの爰京もいいキャラでした。
癖の強いキャラの性格描写、オリジナルキャラクターは人によっては受け入れがたいと思います。そして人によってはこれ以上の三国志はないと思うほどハマると思います。自分は後者でした。
いやぁー、もっと早く読めばよかったなぁ(笑)
諸葛亮が、帝の血筋の尊さについて語るシーンが、天皇家を想起させるなぁと思っていたら、本当にそういう意図で書かれていたのだとあとから知りました。
革新者を長く続いたものに対する畏敬を否定するものと考えると、曹操ばかりを持ち上げる気にもならないし、かと言って、かってに漢を背負って立つ気になっている諸葛亮もなんとなく怖い。民が一番と言って保守的で日和見主義な呉がなかなか魅力的に見えてくるので不思議です。 -
オチが思ったとおりなので、ちょっと笑ってしまいました。
後半、魅力的な人が少なくなっていくにも関わらず、かなり読ませる「三国志」でした。
まあ、これは、最初に読むと、他の「三国志」が読めなくなってしまうかも知れませんが……。 -
長いこと読んできた北方版三国志、とうとうフィナーレ。と言いつつこの巻はかなり惰性というかだれを感じた。五丈原の戦いも描き切れておらず、肝心の「死せる孔明〜」の場面がなかったのが残念。最後の最後のシーンが馬超、というのは北方らしい終わり方なのだろう。
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とうとう読み終えてしまった。長編を読み終えた時にはいつも感じるのだが、この三国志も終わり方が何かしっくりこない。長い時間作品と付き合うことで、作者から離れて自分自身の物語になっていくからなのかもしれない。司馬懿や陸遜、姜維、劉禅などのその後も見届けないと、物語を読み終えたという気持ちにはなれない。
なにがともあれ、充実した読書だった。三国志は吉川版、横山版、村上訳版と読んだが、これが一番面白かった。 -
ゲームから三國志が好きになって、いろんな三國志を読み漁っているときに出会ったシリーズでした。
とにかく人間臭い。人間らしくて、かっこいいだけではなくて、葛藤とか苦悩とか、恐怖とか、そういうものもしっかり描かれていて。今まで読んだ三國志の中で断トツに好きなシリーズです。 -
終わってしまったー‼︎