- Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
- / ISBN・EAN: 9784894569812
感想・レビュー・書評
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津本陽『秦の始皇帝』(角川春樹事務所、1999年)は秦の始皇帝を描いた歴史小説。李信や王せんら『キングダム』のキャラクターが登場する。
古代中国の商人の道徳では飽食を否定する。「飲食の贅沢をせず、欲望を節制し、粗服をまとい、使用人たちと苦楽をともにしてはたらく」(23頁)。贅沢な飲食を避けることが奨励された。質素な生活態度を持ち、浪費を避ける姿勢を示すものである。自身の生活様式を控えめにし、物質的な贅沢を追求しないことが重要視された。質素な服装を好み、高価な服飾品や派手な装飾を避けることが奨励されした。外見の華美さを重視せず、内面的な質素さや謙虚さを大切にする姿勢を反映している。
韓非は冤罪で殺される。法家思想は支配者にとって都合の良い思想である。中国の法治主義が西洋の法の支配と異なるところである。法の支配のように権力者の恣意を法で支配するという思想がない。しかし、韓非子を読むと君主や大臣の恣意を戒める主張が出てくる。秦が韓非を重用していたら、秦は過酷な官僚制とは別のものになったのではないか。
焚書坑儒でも冤罪が登場する。儒学者が尋問を受けると自分は逃れようとして、他人を無実の罪に陥れた(217頁)。これによって冤罪が生まれた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【作品紹介】
「余は神に選ばれた王だ。王のなかの王、皇帝になるのだ」―西紀前二五九年、正月、乱世の中国大陸に、一人の男が生を享けた。血族の謀略に身を起こし、遂には天下統一を成しとげ、皇帝にまで登りつめた男の名は政。男は自らを“始皇帝”と名乗った。数奇な運命に翻弄され、壮絶な戦いに明け暮れ、不死を夢見た秦の始皇帝の生涯を、雄渾華麗に謳いあげた大英雄伝。 -
「余は神に選ばれた王なのだ。王の中の王、皇帝になるのだ」−−。
西紀前259年、正月、乱世の中国大陸に、一人の男が生を享けた。血族の謀略に身を起こし、遂には天下統一を成しとげ、皇帝にまで登りつめた男の名は政。男は自らを“始皇帝”と名乗った。数奇な運命に翻弄され、壮絶な戦いに明け暮れ、不死を夢見た秦の始皇帝の生涯を、雄渾華麗に謳いあげた大英雄伝。
(本書・裏表紙より)<著・津本 陽>