シベリウスと宣長

著者 :
  • 港の人
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本棚登録 : 13
感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784896292886

作品紹介・あらすじ

江戸中期の国学者、本居宣長の和歌「敷島のやまとごころを人問はば朝日に匂ふ山桜ばな」に、フィンランドの作曲家ジャン・シベリウスの音楽とつうじる魂の音を聴く。著者は、その音楽の精神と思想をめぐって深く思索し、縦横に語る。シベリウスの音楽は「清潔」であり、「純粋な冷たい水」を飲み干すごとく、ぬるき現代社会に生きるわたしたちの渇きを癒してくれるだろう。本書もしかり。シベリウスを愛する著者の声がときに烈しく、ときにあたたかく響いている。

感想・レビュー・書評

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  • フィンランドの作曲家シベリウスと、江戸時代の学者本居宣長。意外な名前の組み合わせがタイトルのこの本は、長年活躍されている文芸評論家、新保祐司さんのシベリウスをめぐる評論エッセイです。今年はシベリウスと、同じく北欧の作曲家ニルセン、ともに生誕150周年にあたり、クラシック音楽ファンの視線は北欧に向けられているのです。
    若い世代にとって、北欧と言えばデザインばかりに目が行きがちかもしれませんが、違った角度から北欧の魅力を知るきっかけにしていただければと思います。著者の新保さんのシベリウス愛が伝わってくる一冊です。
    カバーの絵は、東山魁夷がフィンランドを描いた作品です。

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著者プロフィール

1953年生。東京大学文学部仏文科卒業。文芸批評家。現在,都留文科大学教授。
著書に,『内村鑑三』(1990年)『文藝評論』(1991年)『批評の測鉛』(1992年)『日本思想史骨』(1994年)『正統の垂直線――透谷・鑑三・近代』(1997年)『批評の時』(2001年)『国のさゝやき』(2002年)『信時潔』(2005年)『鈴二つ』(2005年)[以上,構想社],『島木健作――義に飢ゑ渇く者』(リブロポート,1990年),『フリードリヒ 崇高のアリア』(角川学芸出版,2008年),『シベリウスと宣長』(2014年)『ハリネズミの耳――音楽随想』(2015年)[以上,港の人],『異形の明治』(2014年)『「海道東征」への道』(2016年)『明治の光・内村鑑三』(2017年)『「海道東征」とは何か』『義のアウトサイダー』(2018年)[以上,藤原書店],『明治頌歌――言葉による交響曲』(展転社,2017年)がある。また編著書に,『別冊環⑱ 内村鑑三 1861-1930』(藤原書店,2011年)他多数。
2007年,第8回正論新風賞,2017年,第33回正論大賞を受賞。

「2019年 『詩情のスケッチ 批評の即興』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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