聖人伝 プロティノスの彼方へ

著者 :
  • 港の人
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感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784896293890

感想・レビュー・書評

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  • 最初に断っておくと『聖人伝』というタイトルであっても、これはキリスト教の「聖人」の物語ではない。
    現代フランスを舞台に「無限」の謎を追う人々の天路歴程(ロードストーリー)―である。
    現代社会にもし聖人と言われる人が存在するなら、それは一体どのような人物か?という著者からの問いかけが込められた小説なのだ。
    登場人物たちは、形而上小説と言われるところの非現実的妄想や観念的問答を闘わせながらも、ストーリー展開は映像的で冒険活劇さながらの要素を持っている。
    錬金術師二コラ・フラメル、森の隠者、神秘の石など数多くのキーワードに散りばめられた謎解きを楽しむ気分で、物語の中に入り込んで行くことができた。

    「無限」の謎の解明と共に彼らが夢みた「精神の共和国」の実現とは何であったのか。
    全共闘世代である著者が最後に遺したメッセージとは?

    かなりの長編ではあるが、読み終えれば私達が生きているこの現代社会のシステムについて、必ずや何かを考えるきっかけとなるはずだ。
     

     

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著者プロフィール

1947年、埼玉県生まれ。早稲田大学文学部中退。著書に『接吻の博物誌』『媚薬の博物誌』(ともに青弓社)、『夢の形をした存在のための黙示録』(沖積舎)、訳書に『夢の操縦法』(国書刊行会)、『大アルベルトゥスの秘法』(河出書房新社)ほか。

「2012年 『夢と眠りの博物誌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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