欲望の植物誌

  • 八坂書房
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本棚登録 : 65
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784896948301

作品紹介・あらすじ

とびきりハイになれるマリファナにも、黄金色のフライドポテトにも、人間を誘惑しようとする植物たちの欲望がひそんでいる-?ユニークな視点から人と自然のあるべき関係を静かに語りかけ、圧倒的共感を呼んだ話題の書。全米20万部突破のベストセラー。

感想・レビュー・書評

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  • リンゴ、チューリップ、マリファナ、ジャガイモ
    4つの植物をテーマにそれぞれの文化史から人と植物の未来に触れる。自分の経験をうまく取り入れtq文章が読ませる。
    こういう文章を書きたい。
    他の著作も気になるのでそのうち

  • 序章 ヒトという名の働きバチ
    第1章 「甘さ」への欲望あるいはリンゴの物語
    第2章 「美」への欲望あるいはチューリップの物語
    第3章 「陶酔」への欲望あるいはマリファナの物語
    第4章 「管理」への欲望あるいはジャガイモの物語

  • 植物が繁殖戦略としてヒトを操っているという視点はさもありなんだけど、植物に無知なオレは考えさせられるトピックがいくつかあって楽しめた。特に組換え技術。絶対に安全な殺虫剤 DDT によって鳥の卵が薄くなり、特に猛禽類の個体数減少につながっている例もあるように、組換え技術によってどんな影響が生態系にもたらされるか完全に予測することはできないだろう。でも飢えが広がればそんなリスクは問題にしてられないし、こんなに便利な技術をできるけどやらないなんて不可能に思える。ヒトも自然の一部なのだから、組換えも自然の中で生まれた仕組みの一つとも考えられる。カルタヘナなんかやめて素人育種家にまで組換えの裾野が広がれば楽しいことになるんだが。今は基礎研究で面白い成果がでても、日本では実用化までいかないし大変つまらない。規制のないゆるい国に行って育種やったらいいかも。
    以下、覚書。

    ・リンゴ
    自家不和合性であるため、作物として品種を維持するには接ぎ木で増やす。この栽培化により多様性を失うため、ヒトによって病害虫から保護する必要が生じる。
    植物遺伝資源ユニット (PGRU, Geneva, New York) :世界最大のリンゴ樹木コレクションがあり、緑・水玉模様・紫・褐色等の実や様々な味、樹形が保存されている。
    ・チューリップ
    アフリカに花の文化がない理由は2つ。経済的余裕がないことと、そもそも花が少ない。
    奇抜な色彩になる「ブレイク」とはモモアカアブラムシを媒介としたウイルス感染によるアントシアニン抑制が原因。
    ・マリファナ
    THC は視覚、聴覚、触覚に変化をもたらさないが、短期記憶を欠落させる。
    ・ジャガイモ
    農業は複雑で不可解な自然を情け容赦なく単純化する営み。
    遺伝子組換えは自然では決して超えられない種の壁を越え、耐寒性遺伝子をヒラメから、Bt 毒素を土壌バクテリアから単離して作物に組み込む。
    植物の組換えはアグロバクテリウム菌かパーティクルガン使う。
    組換え作物に入れられた遺伝子は近縁植物に 一世代で移動しうる。
    デルタ&パインランド社のターミネーター技術はあらゆる種子を不稔にできる。よく似た技術に遺伝子使用制限技術 (GURT) がある。
    Bt ジャガイモ「ニューリーフ」を FDA は食品ではなく農薬とみなし、管轄は環境保護局 (EPA) となっている。Bt は安全な農薬であり、ジャガイモも安全な食品であるため両方合わせても安全という結論。

  • 人間の欲望と植物の欲望ジャガイモの病気の対策について有機農業のおじさんに聞くとあの病気は ○○という品種だけの問題なので他の品種をつくればいいんだよと 返事が返ってくる。。病気に弱い品種を大量の農薬を使ってつくる理由っていうのが マクドナルドはその芋しか買わないから っていうのが農業って言うのは出口(消費者)の問題なんだなぁって しみじみおもいました

  • リンゴもチューリップもマリファナもジャガイモも、好きです。

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著者プロフィール

作家、ジャーナリスト、活動家。ハーヴァード大学英語学部でライティング、カリフォルニア大学バークレー校大学院でジャーナリズムを教える。
著書に、国際的にベストセラーになった『雑食動物のジレンマ』(東洋経済新報社)、『人間は料理をする』(NTT出版)、『欲望の植物誌』(八坂書房)、『幻覚剤は役に立つのか』(亜紀書房)など。『人間は料理をする』『幻覚剤は役に立つのか』はNetflixのドキュメンタリー番組となり好評を博す。
人類学、哲学、文化論、医学、自然誌など多角的な視点を取り入れ、みずからの体験を盛り込みながら植物、食、自然について重層的に論じる。 2010年、「タイム」誌の「世界で最も影響力を持つ100人」に選出。受賞歴多数。

「2023年 『意識をゆさぶる植物』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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