- Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
- / ISBN・EAN: 9784896948981
感想・レビュー・書評
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A.M.コーツによる、18〜20世紀にかけて世界を旅して
ヨーロッパ・アメリカに東洋の植物を供給した
プラントハンターたちの話。
原書は熱帯地域のものも取り扱っているようだが、
日本語版の方は日本と中国にきたプラントハンターのみ。
中国茶を勉強するにあたってプラントハンターが出てくるので
読んでみたが、広範囲にわたっていて面白かった。
特に、同様に鎖国(海外貿易の規制)を行っている中国・日本
両国で、監視されながらも医師など別の職業で働きながら
その土地の植物を採取していく…という苦労がすごいな、と思った。
(昔は薬を扱うのに植物の知識も必要だったのか…?)
中国では、最初は外国人に対して監視がつくものの
時代が下るに従って自由に行動できるようになり
さらに最初は中国の東側の比較的人口も多い場所での
採取だが、20世紀に入る頃にはメインは雲南・チベットなどの
未開の山岳地帯に入ってくるので面白い。
今だとアマゾンとかアフリカとか、
そういうイメージなのかなぁ。
惜しむらくは、採取したにもかかわらず
結局ヨーロッパ・アメリカでずさんに扱われて
放置されたり、開花できなかったりするあたり。
プラントハンターというと、ロバートフォーチュンしか
知らなかったが、本書で数多のプラントハンターを
魅力的に紹介してくれるので見識が広がった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大学の授業で使いました。
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【新着図書ピックアップ!】原著は、Coats, Alisce M.著のpThe quest for plants : a history of the horticultural explorers (1969)の抄訳で、日本、中国の部分を取り上げている。原著では、世界中の10の地域を取り上げている大著である。18世紀から20世紀の様子を取り上げており、ちょうど日本は、江戸幕府が開国するや否な、たくさんのプラントハンターが日本に訪れている。中国には、日本より早く、多くのプラントハンターが訪れている。日本や中国の珍しい花々を宝探しのように競って集めて、ヨーロッパやアメリカに持ち帰っている。
植物という宝探しの冒険者の物語である。植物図版も多数掲載。 -
−この本は、もっぱらというわけではないが、おもに寒さに強い
園芸植物を収集するという明確な目的をもって海外を旅した
職業的庭師(植物収集探検家‐プラントハンター-)たちの偉業に
ついて述べたものである。−本書「はじめに」より。
日本語版では日本と中国を扱った部分のみ翻訳したため、
熱帯地方を訪れたプラントハンターは紹介されていないのが
少し残念だが、沢山のプラントハンター達の冒険が載っている。
まだ誰も知らない植物を求めて言葉も通じない、
人種も違う、交通機関もそこそこにしかない未開の土地を
苦難と戦いながら踏破し、しかも採取した植物を標本に
したり、種を採取したり、さらには生きたまま国に送り届けなければ
ならないという悩ましい仕事。彼らがそれをどうやって
成し遂げていたのか色々なエピソードから窺い知ることが出来る。