- Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
- / ISBN・EAN: 9784896949902
作品紹介・あらすじ
よりによってシダにハマったゲッチョ先生、こんどはシダの葉をめくる旅に出た。恐竜の食べもの事情、ハワイのフラ、南島の暮らし…。シダが照らす、人と自然のつながりは意外と濃い!?シダ細密画50点掲載。ワラビとツクシだけじゃないシダ入門。
感想・レビュー・書評
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シダの扉、良い言葉だと思った。
開けようと思わないと開けない扉。重そうにみえるからなかなか開けない扉。開けてもらってもなかなか入れなかった扉。
シダ以外にもこんな扉はありそうだ。
どんな形でも、扉を開けて入ってしまえば、その世界が好きになる。気がする。
「私たちは自然と向き合う時間を失った」らしい。
寄り道をしないと見つからない木の実があるように、開けないと分からない、濃密な世界がある。 -
シダにハマった著者がシダを求めて旅に出たり文献を漁ったりしつつ、日本・琉球・オセアニア・イギリスにおけるシダと人との関わりや、シダを中心に見た生物相の歴史を探っていく探究譚。手描きのシダスケッチがふんだんに散りばめられていて目の保養(*´꒳`*)
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「コケ」からちょっとだけ進化して、「シダ」(笑)。
著者は沖縄大学人文学部「こども文化学科」の先生。今時の大学って、こんなのあるんですね!しかもこの先生、観察絵がメチャメチャ上手。更に文章も上手。正直シダに興味があるわけじゃないのにホント面白かった!チョイチョイ出てくる化学教師だったという父親への旧懐の情もいい感じ。
生き物屋とかシダ屋とか、何かに愛着を寄せる人って応援したくなるし、学生さんとのやり取りも絶妙。「かつお節」を「木の皮」と思ってる大学生は本州にもいそうだけど、お雑煮を食べたことがなかったりツクシを見たことがなかったりする学生は少ないだろうなあ。ツクシの中が空洞って驚いてるの(笑)
プテラノドンって、正確には恐竜でなく、翼竜って別の生物なんだそうです。 -
シダの生態や分類など、シダそのものについての本かと思って読み始めたが、シダと人との関わり合いについての本だった。著者は、千葉県生まれで、今は沖縄大学の先生。常識とは相対的なものだということが、シダと人との関係を例に挙げて繰り返し書いてある。例えば、スギナは沖縄に分布していないので、著者が教えている学生は、ツクシが食べられるという、著者にとっての常識を知らないし、そもそもツクシの実物を見たことがない(155~157ページ)。カツオブシを木の皮だと思っていた学生がいたという話(24ページ)には少々呆れたが、所詮は程度問題か。ワラビを食べたことはあるし、わらび餅も好きだが、ワラビのことを知っているかというと、そんなことはない。その辺にワラビが生えていたとしても、見分けられるとは思えない。そもそも、ワラビってどこに生えるんだろう。クサソテツ(コゴミ)は、実家の庭に生えているなあ。そういう話を妻としていたら、上の娘が「シダってなあに?」と聞いてきた。やれやれ。2012年4月8日付け読売新聞書評欄。
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植物の中でも、シダに強い興味を抱き研究している著者。新しいシダを発見すると、一つ一つ自分の手でスケッチして詳細な記録を残すほど。そうすることで、やっと自分の中にそのシダの知識などがしっかりと取り込まれた気がするのです。シダの扉をくぐりたくなる一冊です。
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【要約】
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【ノート】
・千夜千冊で激賞されちょる