南風(ぱいかじ)よ吹け オヤケ・アカハチ物語

  • 琉球新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (36ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784897420547

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  • 奥田英朗「サウスバウンド」つながりで。「愚か者よ。お前たちの子孫は、いずれ悪鬼納の鬼どもに、重い重い税金を取り立てられて地獄の苦しみを押しつけられよう。そうでない世の中を、わしはつくりたかったのだ。私たちは殺されても、魂は遥か南の海の彼方にあるというパイパティローマという楽園で生きつづけるだろう。この島の上を南風が渡る時は、わしのその夢を乗せてパイパティローマから吹いていると思い起こすがよい!」、アカハチの最後のことば。そしてそれは、力をもって人を抑えつけることを許さない魂を持った人の胸の中を爽やかな南風になって吹き抜けていくのです。という結びの一文。史料的には乏しく、伝承的な部分も多いのだろうけど、こうした話が長く伝わっているところに八重山の人の心性の一端が現れているのだろうと思う。話の流れとしてひとつ不思議なのは、波照間で生まれて波照間で勢力を伸ばしたアカハチが、後を託す人物がいたとは言え、請われて石垣島の大浜村にわたって統治者となったところ。義侠心に駆られてなのか。最後は命をはり、かつての自分の根拠地からも攻められた時、何を思ったのだろうか。

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