- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784897977041
感想・レビュー・書評
-
2001年出版のコールセンターの入門続編です。
電話の受付センターから始まる、コールセンターの概要です。
気になったことは次の通りです。
・CTI(コンピュータ・テレフォニー・インテグレーション)は、コンピュータと電話が統合したシステム、顧客のデータベースと、PBX(構内交換機)を連動させたシステムを想起
・CTIのメリット ①一人のオペレータが複数の電話番号に対応できる。②高度な着信振り分け。③スクリーンポップアップ(誰からの電話なのか、画面に写真などが出る)、④コールセスカレーション(ヘルプボタンをおすと、スーパバイザーに転送される)、⑤プレビューダイヤリング(電話したいリストが画面にでて、ワンクリックで電話をしてくれる)、⑥自動コールバック、⑨
・CRM(カスタマー・リレーショナル・マネジメント)拠点としてのコールセンター。お客様の満足度をコールセンターであげる。スピーディーな商取引、24時間対応など
・売上の80%は20%の優良顧客から、下位20%は50%の損失をもたらす。パレートの原理。だから一律に顧客に割引をだしてはいけない。
・1人1人に対応するのが、ワン・トゥー・ワン・マーケティング
・RFM分析(顧客が最近購入したのはいつか?、どの程度の頻度で購入しているか、どの程度の金額の買い物をしているかを分析する)
・SFA(セールス・フォース・オートメーション):経験、勘、根性の3Kの営業から、科学的にセールスプロセスを管理するのが、SFA
・ナレッジマネジメント:個人がもつ知識・技能・経験を組織的に活用するのがナレッジマネジメント
・データマイニング:膨大な量のデータの中から、経営上意味のあるパターンを見つけ出すことがデータマイニング、販売のモデル化を図り、そのモデルを評価する
・インターネットをつかった、CRMが、eCRM:
顧客にとってのメリット、①コンタクト効率の向上、②顧客コンタクト情報の入手、③好きな時にコンタクト、④パーソナライゼーションが用意(個人にあわせた対応ができる)
企業にトッテノメリット、①電話より安価、②センター利用の平準、③夜間稼働の省力化、③センターロケーションのバーチャル化、④安価なシステムコスト、⑤人材の活用
・マルチチャネルコンタクト 訪問、電話、FAX,メール、Webなど多様な手段でのコンタクト
・コールセンターの作り方、重要なのは、何のために導入するのかを明確にしておく
・スタッフ全員が、コールセンターのミッション、顧客との関係をどう構築すればよいかを理解できれば、初めて、事務フロー、応対スクリプト、顧客データベース、センターアプリケーション、スタッフへの研修方法など、センター構築作業に着手できる
・業務構築、管理指標の決定、システムの設計、人材の確保といったプロセスを行う
・コールセンターで人件費を削減しても全体的にコストの低減にならない。ツールの活動。顧客対応ソフト(CIS),ワークフローツール、IVRなどを活用する
・生産性の向上 ①サービス品質の向上 待ち時間、トークスクリプトの改善、対話品質の管理(モニタリング・コーチング)、ボイスログの取得、オペレータスキルの見直し、CMS(コール管理システム)の導入
・システムコスト ①ハードウエア構成の決定、②DB設計、③画面設計、④他シス連携、⑤マネジメント機能
・量的検討 ①通信回線の最適設計(呼量の計算:アーランB)、内線数
・人材確保と教育 ①要員計画、②採用、③スーパーバイザー、オペレーターの採用計画、④選考基準、⑤募集、⑥面接、⑦トレーニング、⑧コールフロー、⑨オペレータカウンセリング
・運用 オペレータの勤務スケジュールの作成、スキル別割り当て、
・ワークフォースマネジメント(WFM):人的資源の最適配置を言う:①コール量の予測、②サービスレベルの設定、③オペレータ数の算定、④スケジュール表の作成、⑤運用実績結果の検証
・マルチチャネルへの対応 電話、メール、Webなどの業務に対応
・Webコンタクトセンター:①イベント申し込み、 ②インターネット通販、③資料請求対応、④情報提供、⑤カスタマサービス、⑥DBマーケティング
・電子メールによる顧客コンタクトや、Webコールバック、Webチャット、IPテレフォニー、Webコラボレーション(客と一緒に画面を操作、確認)
・メールコンタクトセンターは、特殊なメーラーを使って対応している。
・電子メール処理のコツ ①メールのひな形を整備、②迅速な処理、③Webフォームを利用してもらって入力ミスを防ぐ、④コンタクト履歴の保存、⑤心に響くメールを作成する
目次は、以下です。
はじめに
第1章 コールセンターからeCRMへ
1 変革のステップ
2 CTIの登場
3 CRM拠点としてのコールセンター
4 顧客管理からeCRMへ
5 eCRMのサイクル
6 成長するCRM市場
第2章 コールセンターの悩みとその解決法
1 経営に思った効果が現れない
2 人件費を減らしたい
3 生産性/品質が向上しない
4 システムコストを抑えたい
5 人材の確保と教育が困難
6 オペレータの稼働スケジュール作成が煩雑
7 コールセンター運用に手間とコストがかかりすぎる
第3章 Webコンタクトセンターの構築
1 Webコンタクトセンターとは
2 電子メール・コンタクトセンターの機能
3 Webコンタクトセンター運営上のヒント
あとがき
索引
参考文献詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
前著「顧客リレーションシップへの挑戦 『コールセンター』のすべて −企画から運用まで−」と、多くの部分が重複する内容。この続編の方が若干新しいテーマを扱っているかな、という感じがした。特に、「第�V章 Webコンタクトセンターの構築」の、電子メールを使用したコンタクトセンターについては、前著でも取り上げられていたが、この本では更に多くのページを割いて取り上げられている。この部分で、電話と電子メールのブレンド・オペレーションについても述べられている部分に関心を持った。電話のみのコンタクトセンターでは、コールが多いときにはインバウンドにオペレータを割り当て、コールが少ないときにはアウトバウンドにオペレータを割り当てるという運用が考えられる。しかし、電話と電子メールのブレンド・オペレーションを行うと、コールが多いときには電話のオペレーション、少ないときには電子メールのオペレーションという様にオペレータを割り当てる事ができる。対応にある程度のタイムラグが許される電子メールの特性を利用した上手で、効率の良い運営方法だと感じた。
前著の時も感じたが、この本でもやはり内容がちょっと古いなという印象を持った。2001年という4年も前に書かれた本なので当然とも言える。ただ、4年前に既に、先ほどの電話と電子メールのブレンド・オペレーションなどが取り上げられていたという事を考えると、先進的な本だったのだと感心する。 -
1).目次
まえがき
第1章 コールセンターからeCRMへ
第2章 コールセンターの悩みとその解決
第3章 WEBコンタクトセンターの構築
2).筆者の主張
・コールセンターソフトから、コールセンターをソリューションの一つとして利用することが増えている。
・はじまりは電話受付センターだったコールセンターが、店舗や客先での販売方法から、コールセンターを前面に押し出して顧客にサービス提供する動きに変わっている。
・コールセンターは。マーケティングからセールス、サービスに至る一連の企業活動を支援・実行するCRMセンターに進化している。
・コールセンターが単に顧客からの注文、電話相談を受け付けるだけでなく、実収益を生み出すプロフィットセンターに変革している。
・直近のコールセンターシステムの推進役はCTIであった。CTI導入のメリットは下記のとおりである。
?一人のオペレーターが複数電話番号に対応可能。
?高度な着信振り分け
?スクリーンポップアップ
?コールエスカレーション
?プレビューダイヤリング
…
・CTIを入れるだけでは、経営に何のインパクトがないことが分かってきている。機器よりもCRMの目線が重要と考えられる。
・もっとも大きな課題が人材の確保と採用であることに変わりはない。いかに高いスキルのオペレーターを確保するかが、一層重要になってきている。
・インハウスorアウトソースの判断ポイントは下記の4つである
?自社内にコールセンターの技術や専門能力を備えているか?
?オペレーターの雇用に関して自社のエリア内で適切な労働力を確保できるか?
?コールセンター運営はコアコンピタンスか?
?法的な制約
・アウトソーシングのメリット
?専門家による効率的な構築運営
?スケールメリット
?立ち上げスピード
?人材の確保・育成
?アウトソーシング先の選択自由度
・アウトソースした場合の留意点
?事前に時間をかけて目標を詰める
?何かっているらしいという状態にしない
?利用料金支払い対象の明確化
3).個人的感想
・コールセンターをCRMの位置づけており、顧客管理から営業拠点の側面を強めているという点が面白い。
・
-
システム的なこと。コールセンター関係者用。