- Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
- / ISBN・EAN: 9784898150641
作品紹介・あらすじ
雷雨の朝、白いオートバイ、18歳の少女-「三億円事件」の秘密の扉がいま静かに開かれる。
感想・レビュー・書評
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終わり方が妙にリアリティあるから実話なんじゃないか?と思わせてくる
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2002年初版第一刷当時、自分にとって高価だったハードカバーで購入した作品。
ちょうど20年が経つ今年の最後の一冊になった偶然が嬉しい。
なんとなく思い立って引っ張り出し再読。
20年前に読んだ若かりし頃の私にとって、三億円事件も、当時の若者たちが闘う姿や、仲間と集う姿も、そして女の子(作者自身?)が犯人という設定も、とてもビビットだった。
そしてこの時代のリアルな出来事への関心が今も続いている。
タイトルの『初恋』、主人公の初恋の描写が色褪せていたほどに、上記の設定が印象的だったのか、恋愛に纏わる内容は何も覚えていなかった…
ちょうど20年後にまた読む事ができた今、登場人物たちは、今の私よりずっと大人。
『ガキ』扱いをされている主人公も勿論。
作者唯一の著作とのこと。
どうしていらっしゃるのか。
そしてフィクションなのかノンフィクションなのかは別にして、作者の方が身近に描いた仲間たちも本当はこの20年、どんな人生を歩んでいらしてきたのか。
良い出会いと再会が嬉しい一冊だった。
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平成生まれの自分にはわからない、昭和独特(なんだろうなと思う)の空気感があって、引き込まれた。ストーリーはテンポ良く進み、細かな描写で情景が浮かぶ。短いが内容が濃く、何度も読み返している本。
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3億円強盗の話。 その中に、主人公の初恋が美しくつづられている。
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三億円事件の裏でこのような背景があったとは驚き。 人の温かさを知らなかったみすずが、Bの人たちとの関わりで、自分の居場所を見つけれたのに、なんて悲しい幕切れだろう…。 切ない初恋の物語。
2010/03/30 -
府中の3億円事件がモチーフで、もしかすると著者が本物の犯人だ、というような本紹介か、感想を見かけたような気もする。
どんな内容か興味を持って読んでみたが、事件そのものに関する部分は少なく、タイトルの「初恋」の色が濃い。あの事件を知らない世代なら、あの年代の切ない物語、と感じるのかもしれない。
個人的には、過剰な先入観で本を読むのは、あまりいいことが無い、という戒めになった。
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わたしはこれが三億円事件の真実だと思う。真実とは、自分が何を信じるかだよねえ。
初恋でいて、最後の恋なんだろうなあ。せつない。 -
面白かったです。さらさらと流れるような、でも静かに熱い文章が素敵でした。宮崎あおいさんが主人公を演じた映画は昔々に見たのですが、空気感が好きだったなと思い出しました。三億円事件の背景に一人の少女の初恋があったというお話はとても切なかったです。三億円事件の描写はスピード感があってドキドキしました。Bに集まる仲間たちのその後は触れられていますが、主人公はどんな人生を歩んできたのだろうと思います。この時代は知らないのですが、彼らの衝動が伝わってきました。装画が浅野忠信さんって、あの浅野忠信さんですか…?
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純粋で切ない