日下公人が読む2013年〜 日本と世界はこうなる

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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784898311943

感想・レビュー・書評

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  • それなりに正論なのだろうが、あまり新しい事は書いてなかった。

  • 毎年11月末に来年の経済予想を含めた本が日下氏によって出されています、昨日も本屋で見つけて一気に読んでしまいました。

    2013年には伊勢神宮の式年遷宮もあり、日本も20年ぶりに今までとは異なった振る舞いをするだろうと、最近読んだ本に書かれていましたが、2013年はEUで未曾有の金融危機が起きると日下氏は予想しています。

    金融危機というと大袈裟なように聞こえますが、ギリシア等の状況を知っている現在では、そうなっても驚くことは無いかもしれません。

    2009年秋から続いてきた民主党政権も終わりそうで、2012年12月の総選挙の結果を受けて、2013年からはどの党が主導するかは分かりませんが、新しい政治が動き出すことが予想されます。日本にも多くの問題があるとは思われますが、他の国との比較では、日本が優れていることになるのでしょうか、来年も激動の年になりそうです。

    以下は気になったポイントです。

    ・フランス革命のポイントは、人間の理性は神が持っている理性と同じ、人間の理性が万能であれば神はいらない、つまり教会は廃止して財産を没収というのがフランス革命のはじまり、革命勢力の指導者層は金持ちになり「市民」を自称した(p25)

    ・イギリスは昔、フランスに占領されて貴族はみんなフランス人で、法律も裁判もフランス語だった時代がある(p31)

    ・大東亜戦争で日本人が身を以ってアジアの有色人種に教えたのは、自主独立の精神である、日本は御前会議において、「占領は暫定的なものとする」と軍制要領に定めた(p33)

    ・アメリカの財政赤字を解消する最も簡単な方法は、有り余っている領土を売ること(p38)

    ・欧州銀行は不良債権をアメリカにつかまされて、それを各自の旧植民地へ転売したので、新興国も不良債権をつかまされている、欧州の銀行はこれからお互いに貸し剥がしをするだろう(p42)

    ・日本の場合、金融恐慌は一過性であり、2年後には正常に戻った、1940年代に1000行以上の銀行が倒産した時(p51)

    ・資本主義や貨幣への信用がゼロになると、そのときは政府や大学への信用もゼロになる(p52)

    ・財政出動というカンフル注射が効くのは中流がたくさんいるとき(p58)

    ・中国では公安予算の増額が軍事予算の増額を増え続けて、公安費と軍事費がほとんど同額になった(p73)

    ・いままで欧州が問題を先送りできたのは、植民地を搾取してきたから、さらに弱い国を潰してきたから(p118)

    ・南米諸国は以前はスペイン領であり、そこにある銀行の親銀行はスペインにある、アメリカや欧州の銀行はその上に乗っかっている(p121)

    ・アメリカは第一次世界大戦に勝つまでは、オランダとイギリスの債務国であった(p125)

    ・インドの王は借金が返済できなくて、王位をイギリスのビクトリア女王に譲渡した(p129)

    ・資本市場、金融市場が誕生した時に「元金」となったのは、アジア人、アメリカ人、欧州人の貧しい人達のそれまでの労働の成果であり、過去の労働の使い残りを略奪したもの、「利益・配当」は現在の労働から、「元本の返済」は将来の労働から払われる(p136)

    ・国際収支は、現在の労働がある国は貿易収支が黒字になる、資本収支は過去の労働がある国が黒字、将来の労働がある国は赤字(p141)

    ・キリスト教では子供は言葉が操れないので動物、日本では言葉が不自由だから理屈をいわないので、神仏に近いとされる(p148)

    ・日本には「水に流す」という概念はあるが、アラブでは砂漠には川はなく、あっても砂に吸い込まれて浮遊物は地上に残るから、「あっさり」という概念はない(p150)

    ・カトリックは、天国か地獄しかなかったのに「煉獄」を加えて、先祖は煉獄という中間地にいて、子孫が信心すれば天国に行けることにした(p158)

    2012年11月24日作成

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著者プロフィール

1930年、兵庫県生まれ。三谷産業株式会社監査役。日本ラッド株式会社監査役。東京大学経済学部卒。日本長期信用銀行取締役、(社)ソフト化経済センター理事長を経て東京財団会長を務める。ソフト化・サービス化の時代をいち早く予見し、日本経済の名ナビゲーターとして活躍。未来予測の正確なことには定評がある。『いよいよ、日本の時代がやってきた!』 『日本人への遺言』(渡部昇一氏共著)『日本人への遺言partⅡ 「和の国のかたち」』(渡部昇一氏共著)『反核愚問』他多数有り。

「2018年 『「発想」の極意 人生80年の総括』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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