- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784898318300
感想・レビュー・書評
-
国際政治学者の篠田英朗氏と経済評論家の上念司氏の対談本。
コロナの不安だけを煽るマスコミを尻目に「日本モデル」を冷静に評価する。日本のマスコミは政府の成果は無視し、至らないところだけを批判する。コロナだけではなく、安倍政権批判や憲法9条問題にも通じる。
篠田氏の「国権の発動たる戦争」と国際秩序を守るための「制裁としての武力行使」は違うという理論は、伝統的な東大憲法学を超えて憲法改定しなくても、自衛権も集団的自衛権も合憲と解釈できるというのは目から鱗。憲法9条改正議論はマスコミの大ネガティブキャンペーンになるに決まっているので、憲法改正の議論と合わせ、是非この解釈もメジャーになってほしい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
現行憲法の特に9条を国際法との整合性を切り口に解読する篠田の論理的な解釈は、伝統的憲法学者による情緒的、哲学的な説明よりもはるかにわかりやすく、納得的だ。
今や一部の(重鎮の)憲法学者も篠田の解釈に近づいているらしい。
コロナ状況は本来専門外のはずだが、客観的データに基づく著者たちの分析は、一部感染症専門家たちのものよりよほど説得力がある。
権威に胡坐をかく「専門家」と視聴率を稼ぐために安易にそれに乗って扇動するマスコミは存在価値がないばかりか、社会の害毒ですらある。 -
篠田先生の憲法学の本を読んで感動した上念さんが仕掛けた対談本という感じなのかな。
タイトルそのまま。
武漢コロナと、憲法改正問題と、財務省への批判。
リスクコミュニケーションのコントロールと、クレーマーの利権。
憲法改正問題は、篠田先生の一連の本の方がもちろん詳しいが、十分にエッセンスは伝わるし、東大長谷部教授の最近の変節も知った。
医学会にも、東大閥VS的な問題があるんだ。
上念さん、虎八干されたのが返す返すも残念。 -
●学問の自由の砦となるために、大学は制度的な保障を受ける。しかしそれは、自分たちの既得権益を守れと大学人に自由自在に主張させるためではない。大学はすべての国民に開かれて、学問の自由を守るための制度として社会にその価値を認めてもらわなければならない。大学に籍を置く者は、その番人として、制度的な役割を認めてもらっているだけだ。
●憲法第9条に第三項を設けて、第三項は、1項2項の目的を達成するために軍隊を保有する、以上。で良い。あえて自衛隊と書く必要はない。 -
目利きの3冊 星⭐️三つ