アダルト・チャイルドが自分と向きあう本

  • アスク・ヒューマン・ケア
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  • Amazon.co.jp ・本 (141ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784901030007

感想・レビュー・書評

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  • R3.11.27 読了。

     アダルト・チャイルドについて、わかりやすく説明されていた。また巻末には通信講座や自助グループ、相談機関も記載されていた。

    ・「よい感情、悪い感情というのはありません。許される感情、許されない感情というのもありません。あなたの感情はあなただけのもの。その存在に気づいて、ありのままを受け入れることが、自分を取り戻す作業の始まりなのです。アダルト・チャイルド(AC)が共依存から抜け出すとは、つまり、自分が自分の人生の主人公になること。『私が感じていること』を大切にしてあげましょう。」
    ・「あなたはもう、親の不安や恐れに巻き込まれる必要はありません。不安や恐れは親自身の感情であり、あなたの感情ではありません。親が命じることは親のニーズや欲求であって、あなたのものではありません。親が説く価値観は親のものであって、あなたのものではありません。それが、境界線を引くということです。境界線は、あなたがあなた自身でいるために必要なものなのです。」

  • 本を借りて読みました。
    アダルト・チャイルド(AC)についての本。
    グリーフワークを経て生きやすくするというもの。

    ACは特別なことではなく、多くの人が持つ特徴で、自己の喪失、共依存が核になるもの。

    まず自分の問題を明確にし、過去を振り返る原家族ワークをします。
    原家族で何が起きていたのかを振り返り、暗黙のルールに気付きます。
    そして自分の中にいる傷ついたインナーチャイルドと向き合います。
    自分を縛る鎖から今の自分を見る作業では、五つの役割(ヒーロー、スケープゴート、ロストチャイルド、クラウン、ケアテイカー)の特性を理解し、自分が主にどの役割を演じてきたのか、今も引きずっているのか、変えたいのかなどについて考えます。
    その鎖から自分を解き放ち、否定的なメッセージを置き換えていきます。
    そしてグリーフワークへと入ります。
    プロセスは、ショック→怒り→落ち込み→受容で、きちんと悲しむことが出来ると楽になれる。
    ※グリーフワークは必ず安全な環境(感情を分かち合ってくれる仲間や援助者と共に行う)。
    自分の感情とニーズに気づき、新しいプロセスに進んでいきます。
    インナーチャイルドをしっかりと受け止めて、過去の親に代わって自分が小さい頃の自分自身の親になる。そしてインナーペアレントも獲得する。
    親との境界線を引き、親との関係を作り直します。

    主に誰にでもあり得るACの性質を癒すために、幼少期の自分を見つめ直し、辛く悲し買った自分を受け入れて、自分自身を癒していく、その過程では葛藤も抱えるが、援助者の力も借りて、少しずつ癒されていき、新しい自分と、新しい親との関係を手に入れていくというもの。

    注意)グリーフワークは全ての人に有効というわけではなく、状況やメンタルの症状によっては避けたほうが良いこともあるので、主治医がいる方は相談したほうがよさそうです。

  • この本と続編の人生と向き合う本で、家庭だけではなくて社会の影響もあると指摘されていたのは類書にはあまり見られなかった良い点だと思う。あと一人っ子は複数の役割を背負いがちっていうのも、他では抜け落ちていたけど、すごく頷けた点。書かれたところで救われないけど、今まで分かってもらえたことがなかったので。うーん、全体としては当事者の立場に寄った役に立つ内容と思うけど、やっぱりどうやって仲間やサポートにつながるのかが難しい。嘆かなければいけないことがまだまだ山積みな気がしてしんどい。死ぬまでに終わるのこれ。。

  • 自分がまさにアダルト・チャイルドだと思うので、手に取りました。克服するには相当の時間がかかると思いますが、勉強していければと思います。

  • 自分がストレスを受ける原因が幼い頃にあるのでは?
    と思い、読み始めた本。

    結果、私の場合家庭にはそこまで問題はなく
    けれど、学校にあったのでは?と感じた。
    小学生の頃、いじめがあった。
    そんな激しいいじめでは無いが「無視」が多くあった。
    自分は対象にはあまりならなかったが、
    いじめられる子を助けられなかったという後悔、
    自分の番が来るかもしれないという恐怖、
    そんな感情から人を怒らせることを恐れていた。

    いじめられる子をそこまで好きじゃなかった。
    けれど、無視するぐらい嫌いでもなかった。
    いじめる子は嫌いだった。
    でも、ポジションを誤ると好きな友達も離れていった。それが辛かった。
    ひたすらに「嫌われないよう」過ごそうとしていた。

    幼い自分には仕方なかったんだという許しと
    外部の力(大人の力)を介入させるという手段に訴える知恵が必要だった。
    嫌われる理由が全て自分の中にあるわけでないという理解も必要だった。

    これを読んで少し癒された気がする。
    弱い部分を1つ克服できた気がする。

  • 初版が1997年です。今から20年以上も前に出た本ですが、その頃からアダルト・チャイルドという概念があり、生きづらさを抱えている方がいて、そのことを知っていて援助している人たちがいたんだなぁということに感心させられます。
    ただ、この本を、どれだけの人が手にできるのか。私も、偶然、手に取った者の1人です(しかも、私自身は、アダルト・チャイルド(極)ではない、普通の育ち方(普通っていう概念も難しいですが)・・・と思っています。)
    ちなみに、最近、私の夫は「本当にカウンセリングが必要な人ほど、自分にカウンセリングが必要だとは思っていない。逆に、自分にカウンセリングが必要と思った時点で、その人(の気持ち)の問題の半分は解決している」という名言?を吐いておりました。
    周りに自分の気持ちを話せる人がいない人も、この本を読んで気持ちが楽になればと思います。(きっと、この本を読んだ人は皆、自分以外の。この本を読んだ人を応援すると思うのです。)

  • アダルトチャイルド(AC)とは、子どもの頃の体験を消化しきれないまま大人になった状態のこと。
    家庭環境に大きく左右される。
    例えば家族が虐待、アルコール依存症だった場合、家族をなんとか維持させるため
    秘密を守ろうとすることに必死になり、自分の意思は後回しになってしまう。(共依存)
    共依存とは、周りの人に合わせることに必死になり自分の本当の気持ちがわからなくなってしまい、人の人生を生きてしまうということ。
    また、一般的に良い家庭に見える家族でも実は共依存というケースもある。
    幼少の頃の辛かった出来事を思い出し、その時どう思ったか、本当はどうしたかったか考える。
    大切なのは、その時点では精一杯の行動をしていた自分に「頑張ったね」「偉かったね」「辛かったね」と言葉をかけ、抱きしめてあげること。
    そして過去に向き合った自分を褒めてあげること。
    そういったワークを繰り返すことで、受け入れ進むことができる。
    ACが、人を支援する仕事に就くことが多いということに驚いた。
    自分もそういった傾向があるので、向き合っていないだけでACなのかもしれない。

  • 子どもの自分をイメージして、抱きしめてあげた時、涙が止まらなかった。
    でも悲しくて辛いというより、心が温かくなるような感じがした。
    本に書かれているように、無理をせず、今まで頑張ってきた自分をいっぱい感じながら、少しずつワークを進めていった。
    前半はフラッシュバックが起こったり、悪夢を見ることもあった。
    後半は、どんどん心が軽くなった。親に対する怒りや憤りが薄らいでいった。あの時のせいで…とばかり過去に目を向けていたのに、今や未来に視点が向くようになった。
    1番心に刺さったのは、『過去の自分がほしかったものは、今の親からもらう必要はない。仲間やそして何より、あなた自身がそれを与えてあげることができる』という言葉。
    今まで、自分が今でもトラウマになっているほど幼少期が辛かったことを親に何とか理解してもらいたいと思い続けてきた気持ちが一瞬にして消え去ったように感じた。
    今自分が自分を理解してあげること、仲間や新しい家族に理解してもらうことで、私は幸せなんだと気付いた。
    読み終わった後、親と話す機会があったが、心が晴れ晴れとしていて、何を言われても動じない自分がいた。親の良い面に目を向けて、素直に応じようと思える自分もいた。
    また、揺り戻しが起こる可能性も高いと思うので、ワークの記録を読み返したり、心に刺さった言葉を読み返したいと思う。続編もぜひ読みたい。

  • この本を必要としている人は、もっと多いはずだ。

    この本自体は1995年くらいの、
    第一次ACムーブメント(勝手に命名しました…)の時の本だが、
    今現在でも十分通用する。

    アダルトチルドレン自体、日本の国民病(空気読む社会病)
    のようなものではあるが、
    だからこそ、このからくりを学ぶ必要がないわけではなく、
    むしろ、皆がこの構造を知り、
    親と自分、自分と子供、自分と社会との関係を
    再構築する必要があるのではないだろうか。

    そうすることで、家族の成員としての自分ではなく、
    個人としての自分を生きやすくなり、
    よって社会全体の同調圧力も下がるのではないだろうか。
    (期待しすぎですかね…。)

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「再構築する必要があるのではないだろうか」
      お勉強されていますね。
      イジメ問題で判るように疎外されるコトに対する恐れから、大勢の中に自分を埋...
      「再構築する必要があるのではないだろうか」
      お勉強されていますね。
      イジメ問題で判るように疎外されるコトに対する恐れから、大勢の中に自分を埋没させて安心してしまう。
      子どもの育て方の判らない若い人が、親や祖父母との間が疎遠になっているために起きる悲劇。
      競争社会の中で、自分が伸びて力をつけるより、他人を蹴落としてしまう方が楽に出来てしまう社会。
      再構築と言うより反動で逆側に極端にブレてしまうか、ますます今の状況が酷くなるか、、、
      色々なコトが絡まって、簡単には解決しなさそうなのが残念です。
      2012/09/14
    • みのさん
      ふふふ、勉強してますよー!切実ですからね☆

      そうですね、震災以降の「絆安売りキャンペーン」で、逆側に針が振り切れたような気がします。
      希薄...
      ふふふ、勉強してますよー!切実ですからね☆

      そうですね、震災以降の「絆安売りキャンペーン」で、逆側に針が振り切れたような気がします。
      希薄な関係から、絆でがんじがらめな関係へ。いずれにしても、苦しいですね…。
      個人と個人の境界が曖昧で、自立していない状態では、絆は境界の侵入合戦に見えます…。

      はぁ、全然解決しなさそうなのが残念です。
      2012/09/20
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「絆安売りキャンペーン」
      スミマセン、何だかカーーーっとなってしまって片棒担いでます(と、言う程でもないとは思いますが)。
      人間は、一人で生...
      「絆安売りキャンペーン」
      スミマセン、何だかカーーーっとなってしまって片棒担いでます(と、言う程でもないとは思いますが)。
      人間は、一人で生きられないから、関係が濃密になったり、希薄になったりしながら揺れ動くのでしょうが、誰もが選択の自由や権利を上手く使えたら、、、ホント難しいですね。
      2012/09/21
  • 奥付:
    1997/3/1 1刷
    2007/7/15 8刷

    売却:2011/11/3

    p.41 「機能不全家族の8つのルール

    ○(1) 問題について話し合うのはよくない
    たとえば両親のあいだに険悪な空気が漂っているのに、二人が問題について話し合うのは見たことがない→問題に直面することを避け、問題を否認する生き方を子どもは学ぶ。問題を他人に知られることを恐れ、問題がある自分を恥じる。

    ○(2) 感情は率直に表現してはいけないたとえば子どもがさみしくてだっこしてもらおうとしても、親は甘えられるのを嫌がる→感情を人に見せることを恐れるようになり、自分が感じていることは正しくないと思ったり、自分の感情を否認する。自分の感情がわからなくなる。

    ○(3) 言いたいことは直接言わず、第三者を介す
    たとえば父親が子どもに「お母さんがもっと私にやさしくしてくれたらな…」と打ち明け、子どもから母親それを言わせる→子どもは利用され、相手に直接向き合わないコミュニケーションに巻き込まれる。

    ○(4) 非現実的な期待ー強く、正しく、完全であれ
    たとえば高い理想を子どもに示し、そのレールからはずれたどんな生き方も許容しない→完全主義の考え方をするようになり、その期待に添わない相手や自分を責めたり、相手を期待通りに動かせない自分を責めるようになる。

    ○(5) 利己的であってはならない
    たとえば親の都合が悪いときに「おなかすいた」「遊んで」と子どもが言うと、どうしてそんなに勝手なのかと叱られる→自分のニーズや欲求は後回しにして、相手のニーズや欲求を読みとって行動するようになる。つまり共依存である。

    ○(6) 私が言うようにせよ、するようにはするな
    たとえば親は「約束は守れ」と説教するのに、子どもと遊園地に行くはずの日に二日酔いで行かれない。こんなことが度重なる→親は自分を愛していないのではないかと疑い、人を信頼しなくなり、本音と建前を使い分けて人を操ることを覚える。

    ○(7) 遊んだり、楽しんだりしてはならない
    たとえば親がいつも深刻な顔で悩んだり、疲れはてていたり、努力するだけで休むことを知らない→人生は厳しいものだと学び、何かをなしとげることだけに意味があってリラックスしたり立ち止まるのは悪いことだと感じる。

    ○(8) 波風を立てるな
    こうしたルールが硬直化して存在し、それを変えることは許されない→たとえつらい状況であってもそこから抜け出すことを恐れ、これまでのパターンを変えることを恐れるようになる。


    p.80 何かできたことを話しても、決まって努力の足りない点を見つけ出したり、そんなことに夢中になってどうすると言ったりする、ほめてもらえることのない親からのメッセージ「楽しんではいけない」「いい気になってはいけない」「つねに努力を続けなければならない」「感情を口にするな」「自分のことばかり考えるな」…そうでないと「おまえはダメだ」

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