リーダーを育てる会社 つぶす会社 グロービス選書

  • 英治出版
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784901234474

作品紹介・あらすじ

今日、リーダーを輩出していくことが競争優位の鍵である。ところが、多くの企業では、リーダーシップを正確にとらえきれていないため、画一的な育成方法しか持たず、人材不足に悩んでいる。本書で紹介しているのは、GEがいち早く構築した、リーダーシップ開発のフレームワーク「パイプライン・モデル」である。これは、リーダーシップは役職ごとに固有であるという考えに基づき、上司や部下が成長のために何をすべきかを明らかにしている。このモデルが組織強化に貢献することは、GEやシティコープなどの例からわかる。

感想・レビュー・書評

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  • 組織の中でのリーダーの育て方について論じたもの。考え方や概念ばかりではなく、かなり具体的な方法論や、実際のケースが例示的に示されており、イメージしやすい。
    第一線のラインマネジャーからCEOまでの間に6つの階層があるとして、その階層・職位それぞれごとに、1)その職位に求められるスキル2)その職位にとって望ましい業務時間配分、すなわち、優先順位3)その職位のマネジャーが持つべき職務意識、を定め、それらを満たすように、コーチングやフィードバックなどを通じてリーダーシップを育むべき、というのが、少し無理矢理に要約した場合の本書のあらましである。
    コロナにより、企業環境・競争環境が大きく変わりつつある。というか、変化が常態ということになりつつあるのではないか。そういった中、リーダーとそれを支えるラインマネジャーの役割は、ますます大きくなっていくと思う。原書の発行は2000年。20年以上前の本であるが、内容は全然古い感じを受けないし、何より、コロナによる環境変化の中でのリーダー・マネジャーの重要性を考えると、今、読むべき本だと思う。

  • 係長、課長、部長、役員、社長と役職が変るごとに、求められるリーダーシップは変る。それぞれにふさわしいリーダーシップを発揮するためには、それぞれのステップで新しいスキルを習得していかなければならない、と思う。しかし、現実には、職位が上になっても、前職のままの職務意識で働く人が多いのではないか、これをどうにかできないか、そんな問題意識をもって、読んでみた。

    本の内容としては、まさに期待していたもの、というか期待以上のものだった。役職が変ることによる職務というのがいかに変るのか、それにふさわしい能力が何なのかを非常に具体的に整理している。(アメリカの事例なので少し当てはまらないとこともあるかもしれないが)そして、必要とされる職務は、ある意味、前職での成功経験とか、職務意識を捨てることによってしか、得られないものである、という指摘に、大きな発見があった。つまり、前職での成功体験が、下位の職位のものが、自らの職務を自発性をもって行うことを妨げているのだ。

    こうした職位ごとの能力要件に断絶性があるのなら、その職位にふさわしい人間を外部から持ってくればよいのでは、という疑問が浮かぶ。しかし、この本の著者は、外部人材の登用は、リーダーをちゃんと育てる事ができない企業のすることであることを繰り返し強調する。

    つまり、企業トップになるべき人材とは、自社のなかで、職位のステップを一つ一つあがってきて、それぞれの職務にふさわしい能力を、職位ごとの役割の断絶性を克服して、獲得してきた人間であるべきなのだ。そして、企業は、そうしたリーダーを途切れることなく、計画的に育成していく必要があるのだ。

    というわけで、きわめて勉強になるとともに、自分の仕事の進め方について、反省した。

    本の評価としては、前半部分は極めて面白いのだが、後半やや論旨の繰り返しが多いような気がして、星一つ下げた。

  • 日本語の巧拙がどうしても気になってしまうので、翻訳物は読んでて疲れる。
    基本的には、大企業向けの指南書。多くの人材の中から適任者を育てる、もしくは選抜する方法。
    ただし、中小企業でも幹部のキャリアパスを考えるには、パイプラインモデルは参考になる。

    ■パイプラインモデル
    =リーダーの育成・問題発見のためのフレームワーク
    役職ごとに必要なリーダーシップを明記
    1)スキル
    2)業務時間配分
    3)職務意識

    1.係長←当社では課長・部長までこの項で対応できる
    1)仕事の定義とアサインメント
    2)部下に対するサポート
    3)関係構築

  • 次の仕事に関係もするので、しっかり読んだ。今までよく考えずに、階層別という概念を使っていたが、改めてパイプラインという考え方に触れ、各階層の定義と、階層が変わるときの障害、それをどう支援するか、という問題を考えることができた。

  • 友人から貰い読み進めて、まさにいまのモヤモヤを晴らしてくれたので、新しく買って、この本をくれた友人に返しました。

    かなり前の本ですが、全管理職、経営者が同じ理解のもと、経営、管理に当たりたいですね。


    この本にすっかり毒されてるのですが、毒された方がいいと思う。

    ポジションごとの役割の違いを理解させ、そのポジションに求められる役割の遂行について、スキル、職務意識、時間の使い方の観点から解説。

    https://globis.jp/article/3782

  • リーダーの育成に関して、GEで開発されたモデルを軸に書かれた本。

  • 2014年77冊目。

    自社本のため割愛。

  • 企業における後継者育成に関する教科書的な書籍。
    リーダー・シップ・パイプライン・モデルという考え方をサクセッションプラン策定および策定後のサポートに活用できるかどうか挑戦したい。

  • マネジメントキャリアパスは真っ直ぐに伸びているのではなくジグザグに折れ曲がっている。それぞれの曲がり角では新しい職務要件を習得し、それまでのやり方を捨てなければならない。転換点で必要となるスキル・職務時間配分・職務意識、および陥りやすい問題について具体的に説明している。
    今の職位を振り返るきっかけになった。また、異なる職位の人の立場を理解するのにも役立ちそう。

  • ※参考文献 三品和広著 専門経営者の帝王学 一橋ビジネスレビュー2004.9

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著者プロフィール

(Ram Charan)世界的に高名な経営アドバイザー。世界的大企業のCEO、取締役会、経営幹部らと40年以上にわたり協働してきた。過去40年間にわたり、世界中のトップ企業のCEO、取締役会、経営幹部と仕事をしてきた。

「2022年 『Talent/Strategy/Risk 人材・戦略・リスク』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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