ネクスト・マーケット 「貧困層」を「顧客」に変える次世代ビジネス戦略 (ウォートン経営戦略シリーズ)
- 英治出版 (2005年9月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
- / ISBN・EAN: 9784901234719
作品紹介・あらすじ
アマゾン・ドットコムが選んだ2004年全米No.1ビジネス書。インド、南米、中国、アフリカ。動き出す50億人市場!構想10年『コア・コンピタンス経営』のC.K.プラハラードが贈る最新刊。
感想・レビュー・書評
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ビジネス上のイノベーションによって多数の貧困層(BOP:Bottom Of the Pyramid)を有望な顧客として捉えることの重要性と、それを実行している企業のケーススタディ集。大前研一がこれは読んでおかないといかん、というので読んでみました。貧困層はビジネスにもなるし、そのことによって貧困層を中間層に引き上げることもできる、という話です。
『コアコンピタンス経営』のCKプラハードさんの著作ですが、PartIIのケーススタディはプラハード教授の学生か助手が整理したものなのか、それぞれのケースのNOTESに「このレポートは、C.K.プラハード教授の監修のもとで、Xさん、Yさんが作成した。このレポートは、議論の促進を目的としており、取り上げた戦略の有効性は非有効性について解説したものではない。」という注記がされています。嘘は含まれていないけれども、教授としては不満なところもあるっちゅうことなんでしょうか。
厚い本ですが、PartIIはPartIでも紹介された企業のケーススタディになっていますので、細かいところが不要ならPartIIは飛ばし読みでもよいかもしれません。
こういう本には珍しくDVDが付いています。確かに低価格義足は映像を見た方が理解が早いですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ー 民間企業は確かな貢献をすることができる。また、収入分布のパターンが変わりつつあること、BOPの消費者がますます自信を得ていること、彼らが自らの生活を変えるために企業活動を通して運動を起こせることは、我々に希望を与えてくれる。
しかし、これまでに解説してきた事例は、我々すべてに課題を投げかけている。主たる責務が株主の利益を増やすことであろうと、貧困や社会的不公平を減らすことであろうと、その目標達成を追求するためには、民間企業の資源と能力を活かすことだ。
貧困撲滅運動での我々の最大の味方は、「貧困者自身」である。彼らが内に秘めている力や忍耐力は、企業活動で問題を解決しながら前進していく勇気を我々に与えてくれるに違いない。民間企業や市民社会組織から、大胆にして責任あるリーダーシップを得られれば、2020年までに貧困や公民権の剥奪を撲滅することは必ずや可能だと思う。我々は、思いやりのある公正な社会を築くことができるのだ。 ー
2020年は過ぎてしまい、貧困は無くなっていないし、格差は拡大しているけれど、意識レベルでは良くなっている、と信じたい。
もう17年前の書籍なんだな…。
ケーススタディとしては古いけど、今読んでも面白い。取り上げられている事例の企業が、いまだに栄えているようで何よりだ。
そもそも、取り上げられている事例って、まさに、DXそのものなんだよな。データをどう集めて、どう活用し、どうビジネスモデルに活かすのか、っていう話。 -
BOPについて初めて書かれた本。大学時代に読んで衝撃的だった。
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これから読みたい本です。
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大前研一氏「知の衰退」で現代ビジネス必須の書として挙げている。未読。
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「知の衰退」で。
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mmsn01-
【要約】
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【ノート】
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著者いわく、「IT革命前がオールドエコノミー、IT革命によるネット系企業の隆盛期がニューエコノミー、その後(2006年からスタートと予測)がネクストエコノミー」。ネクストエコノミーでは、ほとんどの業界で供給過多が起こり、完全買い手市場になる。このような状況で、差別化に低価格を使用することの危険性とその回避方法を説く。マーケティング担当の人のみならず、一読を進める。
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世界のBOPビジネスの事例から、貧困層に対してのアプローチで考えるべきポイントやいかに社会に変革をもたらしたか、またビジネスとして展開するための仕組みについてまとめられた一冊。一冊といっても2段組の500ページくらいになるので読む量は相当になりました。印象に残ったのは「民間企業が市場開発に携わることにより、BOPの消費者と民間企業の双方に利益をもたらし、すべての関係者が学ぶことができる」という部分。社会支援組織だけでは難しい部分に、民間企業だから取り組める価値ってあるのかなとも思いました。
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2007-10-07
ちょっと分厚く,アメリカビジネス本からの訳書ならではの「しつこさ」+「礼賛」があったんですが,核概念は大変シッカリしている.
貧困国にたいして自立を妨げる援助ではなく,その中で受入れられるビジネスを対等に行っていくことによって,
貧困層の生活水準を上げていこうという話.
その為には企業は先進国での商売じゃかんがえられないイノベーションを繰り返さなきゃならない.その強い需要ニーズがあることが,
企業の成長をも促す.
日本のODAは殆ど紐付きであることが有名ですが,
その紐付きという対等関係も実は良い面を認識すべきなのではないかという気もしました.麻生さんも前紹介した本でおっしゃっていましたが.