- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784902091465
作品紹介・あらすじ
■英語学習に王道なし。しかし「ほとんど王道といえる」方法はある!■
時間のない中で、なんとか英語を身につけなければと真剣に取り組んでいる学
習者にとって、どんな学習法が最も効果的なのかを知ることは切実な問題です。
ここ数年、ブームといってもよいほど注目されている「シャドーイング」と「音
読」が、なぜ英語力を伸ばすのに効果的なのか、関西学院大学教授の門田先生
が、その根拠を理詰めで徹底検証しました。広範な指導実験のデータをもと
に、最新の脳科学の成果も交えて、英語ができるようになるプロセスを解明しま
す。
■シャドーイングと音読のあらゆる疑問に答える■
シャドーイングはどうして英語学習に効果的だと言えるのか/リピーティングと
シャドーイングの違いは/日本人英語学習者が典型的に持っている音声知識とは/
単語を見たあと、どのような経路を経て意味を理解するのか/短期記憶とは/音
読のスピードは学習者が自由に決めていいのか/音読訓練は大学入試の英語問題
対策になるか/音読は集中型と分散型のどちらの学習が効果的か・・・。本書は、こ
うした計129の疑問に明快に答えを出します。あらためてシャドーイングと音
読の効果の大きさに驚き、「これを使わない手は絶対ない」と納得する1冊で
す。
感想・レビュー・書評
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語学学習の方法として注目されているシャドーイング。 元々は同時通訳の訓練用として編み出された手法らしい。
本の構成だけを見ると色や絵を活用しているためカジュアルな感じを受けるが、実のところは言語学の観点からシャドーイング&音読学習方法を科学的に分析した本である。そういう意味で、単純にシャドーイングの教材として本書を手に取ったのであれば失敗である。
常に学習方法に興味を持ち、Try&Errorで効果を確認しながら学習する人には最適かと思う。私の場合は言語学習の方法について興味があり、この様な本は今まで無かったので興味深く読むことが出来た。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
難しすぎて効果がわからなかった。
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アマゾンのレビューで軒並み「わかりやすい」とあったのだけど、そうは言ってもかなり専門的に書かれているので、相当のモチベーションがあって、集中力もないと読み通せないんじゃないかと思った。でもガチガチの専門書に比べたら、たぶんぐっとわかりやすいんだろうな。レベル的にはそういうところにある。
わたしは実際に教壇でシャドウイングを用いているので、理論的裏付けとして有益だった。人間は視覚であれ、聴覚であれ、インプットがあったらそれを自然に頭の中で音声化してくりかえず(音韻ループ)。もし何もしなければ2秒で忘れるところを、この内的な繰り返しによってまずは短期記憶にとどめ、それをさらに繰り返すことによって長期記憶への橋渡しをする。だからこの内的な反復が言語習得(母語も外国語も)の装置のひとつとも言え、それを意識的に顕在化させて繰り返す音読やシャドウイングには学習成果を高める効果がある……と、いうのがわたしの理解。おそろしく単純化しすぎているけど。つぎは実践版を読んでみようかな。 -
フォトリーディング。
高速を交えて読了。
シャドーイングについての脳科学的な理論付けの本です。シャドーイングを実践する人向けの本では無かったので、星二つです。 -
[図書館]
読了:2010/12/19
う〜ん。
シャドーイングの効果を証明するのに、川島隆太氏だの齋藤孝氏だの…「証明もしないで言ってるだけ」のうさんくさい人びとを挙げてるために、この本までうさんくさく見えてくる…。
引用文献も、査読された論文じゃなく、普通に本屋で売ってる書籍ばっかりなんだなぁ。
ちょっと全体を信用し切る気にはならないかな。
以下、要点のみ。
・シャドーイングの機能は、内語反復機能(←普段無意識)の顕在化による「リスニングの知覚段階の自動化」。
・リスニングには知覚と理解の2段階があり、知覚段階を自動化することにより理解段階の方に認知資源を多く使えるようにする。
・したがって、「テキストの意味を無視してシャドーイングしても意味があるのか」という問い自体がナンセンス。理解段階はシャドーイングのターゲットではないため。
・音読は「単語認知機能の自動化」→リーディングスキルの向上
・シャドーイング、音読共通の機能として、新規学習項目の内在化(→長期記憶に転送・格納→知識として定着)
・シャドーイングも音読も、大脳の広範囲にわたる活性化をもたらすため。←これの根拠が川島さん…
p.150 音韻ループとは?
以下の2つのサブシステムから成る。
(1)音韻性短期ストア
(2)サブボーカル・リハーサル(内語反復)
音韻性短期ストア内の音声情報は、特に反復をしなければ約2秒で消失する。
聴覚の場合は直接音声性短期ストアに入るのに対し、視覚の場合は一旦サブボーカルリハーサルに入り、その後音声性短期ストアに蓄えられる。
リピーティングだと語彙処理をする時間ができてしまうために、聞こえた音をそのまま反復するのではなく、内部語彙(日本人発音の英語)に変換して発音してしまう、という話。中華街とかの店員さんが「いあさませー」と適当な発音になっちゃうのは(何度も何度も言っているはずなのに)、これに当てはまるせいなのかなぁと思った。
p.29 リピーティング
p.70 機能語の発音が場面によって異なることなどほとんどの日本人学習者は知らない。
p.97 中心窩の捕らえられる範囲は約3〜4文字から多くて7文字程度。
傍中心窩は次に読む文字の大ざっぱな理解を得る。
点字の読み速度は熟達者でも平均100語/secだが、視覚での読み速度は平均300語/secとなる。
これは、通常の読みの場合には傍中心窩内の情報の利用が関係していると考えられる。
p.236 100語のテキストであれば未知語は2語か3語くらいが理想。 -
この本をオススメする人:
初級~中級の英語独習者
他者から与えられたトレーニングメニューをこなすだけだと、そのプロセスの妥当性に疑問を抱いてしまう人
自分が納得した上でトレーニングメニューを組み立て、各トレーニングの意図を十分に理解した上で学習を進めたい人
自分で教材を選んで (好きなアニメの海外版など) 学習したいが、効果的なトレーニングメニューの組み方が分からない人
"英語でものを考えるための本" を読んだけどいまいち納得がいかず学習のモチベーションが下がってしまった経験のある人
人に英語を教える立場の人
オススメしない人:
読み聞きについて特に集中しなくてもすらすら対応できる人 (このレベルの人には大幅な成長は見込めないそうです) -
シャドーイングの実践本かと思ったら学術的にその効果を分析した本だった、言語を音声から認識し理解する過程を細かく論じている。結論的にはタイトルにもあるように「英語学習の王道はないけどほとんど王道と言える方法」だと自信がもてるようになり、モチベーションが上がった。ただ少し論説がくどい。
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こういう知見を示したいし、取り入れたりもしていきたい。
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<07/10/5〜11/2>