研心抄

著者 :
  • 天風会
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784902579017

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  • 20200419

  • 船橋 ブックオフ

  • 折に触れて読み返す座右の書です。

  • 「有意注意」を喚起し、活発化することによって、
    自己の能力を開花させることができる。


    「注意と言うものには、
     1.無意注意と
     2.有意注意と
     いう二つの区別がある。

     第一の無意注意とは、特に意識を用いて注意を振り向けようとしないでも、自然的に注意の注がれる心的状態のことなのである。
     第二の有意注意というのはこれとまったく反対なので、すなわち特に意識を用いて自己の特定した事物に向かって注意を振り向けるという、言い換えると能動的の注意状態をいうのである。われわれの訓練を現実に必要とするのは第二の有意注意なのである。」


    <有意注意を喚起する方法>

     「何事を行う際にも決して気なしに行わぬことを心がける」こと。

     言い換えると、諸事万事気を込めて行うこと、
     即ち万事すべて真剣な気分で行うこと。


     「有意注意が習慣化されると、自然と注意の注がれる範囲が拡大される。」

     訓練の結果、聖徳太子のごとく、あたかも同時に複数のことをこなすことが可能になる。
     
     これは、「注意の力が非常な速度でしかも同一の強さで前後左右縦横無尽に振り向けられるからである。」

     「そして、その当然の帰結として連想力が正確となり、いわゆる思想の整理という事が自然的に巧妙に為されるようになる。これは畢竟するに注意の範囲が拡大されるために、普通の人よりもすべての事柄の中からその心の中へ数倍の印象を採り入れ得るからである。そして同時に記憶力が頗る良好になる。」

     「そして、記憶力が良好となればその精神内容もまた豊富となり、同時に精神能力が優秀になるのは当然である。」


    中村天風「研心抄」

    1.自我本質の自覚 
    2.心に関する重要な理解と消息 
    3.意志と精神統一 
    4.認識力とその養成について 
    5.意識に対する哲学的の考え方 
    6.意識と真に 
    7.潜在意識応用の自己陶治 
    8.意識に対する科学的の考え方 
    9.神経系統の生活機能と心と身との関係 
    10.精神機能と感通(テレパシー)について
    笑いと人生

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著者プロフィール

明治9年(1876年)生まれ。日露戦争の時に軍事スパイとして従事。終戦後結核を発病し心身ともに弱くなったことから人生を深く考えるようになり、人生の真理を求めて欧米を遍歴。 一流の哲学者、宗教家を訪ねるが望む答えを得られず、失意のなか帰国を決意。その帰路ヨーガの聖者と出会いヒマラヤの麓で指導を受け、「自分は大宇宙の力と結びついている強い存在だ」という真理を悟ることで、病を克服し運命を切り拓く。帰国後は実業界で活躍するが、大正8年(1919年)、病や煩悩や貧困などに悩まされている人々を救おうと、自らの体験から“人間のいのち”の本来の在り方を研究、「心身統一法」を創見し講演活動を開始。その波乱の半生から得た「人生成功の哲学」は、触れる者をたちまち魅了し、皇族、政財界の重鎮をはじめ各界の頂点を極めた幾多の人々が「生涯の師」として心服した。昭和43年(1968年)没後も、天風門人となる者が後を絶たない。

「2022年 『真理のひびき 天風哲人 新箴言註釈』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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