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- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784903175621
感想・レビュー・書評
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図書館で借りた。
伊達政宗が、家臣支倉常長を遣わし、日本人で初めてローマ教皇に謁見したというのは有名な史実である。それが実は、スペイン艦隊と密約し、日本国内はキリシタンで繋がり江戸幕府を倒そうと企んでいた、という陰謀についての最新の研究報告を記した書である。
政宗があわよくば将軍の座を狙っていた、というのは昔からの通説だが、この本は最新の研究で分かった新発見が随所に見られるのがポイント。
・船長となるビスカイノの処遇に幕府は困っており、伊達家としては良い口実となった側面があった
・常長が位が低い家臣であることは有名だが、実質犯罪者の減刑としての派遣という側面があった。
・メキシコでは待遇が悪かった。
・スペインの姓「ハポン(日本)」はこの遣欧使節である可能性が高いが、現地の台帳には孫の代からしか証拠は残っていない。
・小寺の姓は、山元町小平が訛って転じた可能性
・常長は自分の霊名「Don Felipe Francisco」を「とん・ひりないて・ふらいせすこ」と記していたが、これは仙台弁。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
仙台の人なら誰でも知っている支倉常長の遣欧使節が政宗の陰謀だったという話。鎖国時代の単独での使節、常長の身分、資料の少なさ、後のキリシタン弾圧、確かに謎と思われるものがいろいろ。ヨーロッパ含め一次資料を調査しまとめている点はすごい。
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