- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784903241708
感想・レビュー・書評
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そもそもリーダーとは何か、訪れる危機を乗り越える為にはどうしたらよいかを体系的に論じた良書。自らの経験と照らし合わせて、今までのリーダーシップの試みが何故失敗したかを顧みることができた。
・なかでも、リーダーシップのはらむ危険性は本書の主要テーマである。しかし、リーダーシップを取り扱う類書の多くは、このテーマを理想主義的にとらえすぎている。他人を感化することばかりを重視し、そのために汗を流すことを軽視しているのだ。(P16)
・人や組織が変化に適応する際の権限とリーダーシップの在り方を理解する為の、理論的な分析の枠組みを提供する目的で書いたものである。(P20)
・「技術的な問題」、「適応を必要とする問題」(P29)
・帰属心や忠誠の意識の再構築は、人生で最も苦渋に満ちた作業の一つである。(P46)
・「本人の計画からその人の注意をそらすための無意識な陰謀」(P63)⇒自らの時間にOwnershipを持たねばならない
・事実を明確に見通し、また同時に大きな全体像を見渡せる大局観を持つ唯一の方法は、騒ぎから距離を置くことである。(P81)
・自分が持つ意図や個人的感情といったものは、ひとまず置いておき、他の人がバルコニー席に上がっていたら自分をどのように見るか、という視点で自分を眺めなければならない。(P82)
・自分自身の存在が無視され、弱められ、晴れもの扱いされてしまった状態で、冷静さを保つのは至難の業だ。(P87)
・あなたの周りが怒りや緊張で煮えたぎっているときでも、自分自身を慎重に冷静に保てるように何度も訓練しなければならない。(P201)
・あなたが取り上げようとする問題のほかに、人々の頭にはどんな問題があるのかを知っておかなければならない。(P211)
・「役割」と「自己」を区別する。(P266)
・すぐに手の届くところに自らの聖域を持つことで、必要不可欠な物理的な支えと、改革に必要なエネルギーを得ることができる。(P288)
。問題は、それが自税を促す構造として自分に合っているか、それを日常的に行えるかということである。週に一回行うくらいでは十分とは言えない。(P289)
・死期の地かい人々が「もっと職場で時間を過ごしたかった」と言うのを聞いた人などいないだろう。代わりに、無数の形の人生の喜びについて耳にしたはずだ。(P294)
・人生の意味の最も重要な源は、他人との絆を渇望することからきている。(P295)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
リーダーという役は存在しない
そこにはリーダーシップという行動だけが存在する。
個々人の仕事における役割、自己を切り離そうという話はとても共感できる話だった。
適応を必要とする問題
技術的な問題
これらを分けて考える必要性を感じた。
■内容のまとめ
■この本からおさえておくべきTips
1.リーダーシップをとる人は危機にさらされる
2.リスクを認識し、それに適切に対処しなくてはいけない
3.聖域を作る
■読後感
再読必須 -
リーダーシップとは何かを説いた本。
著者がリーダーシップ論の専門家なので原則を知りたかった。
自分自身が問題の一部になり得る危険性には納得。
問題から距離をおいたり、またその問題に身を投じたり。
場の温度感を見極めたりとリーダーシップとしてあるべき行動を学べる。
問題の本質を避けるように個人攻撃にうつる罠はよくあることだとしかり。
愛情から生まれる動機で行動したいものである。
即興芸術。 -
過去に読んだ本の読書メモがでてきたので、読み返しながら感想。
特に、リーダーシップを発揮し暗殺されたイスラエルの政治家の箇所でなるほど、と思う。
「リーダーシップを発揮するということは、危険な生き方をするということである」し、「人々に変化をもたらそうとしなければならず、大切に思っているもの(習慣、手段、帰属心、考え方)、に挑戦しなければならず、
それと引き換えに提供できるものは「将来の可能性」以外に何もない。」というのはその通りだな。ハイリスクハイリターンかもしれないし、ハイリスクローリターンになるかもしれないし。
その危険さを踏まえたうえで、どうリーダーシップを発揮しつつも身辺の安全を保つか。 -
図書館で借りて読み始め、よかったので、購入した。しかしながら、今、考えると、なぜ、よかったのか、思い出せない。(自己保身の書といったイメージだけが残っている。) 再読して評価したい。
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ハーバードで授業を受けて感銘を受けた人たちが、自ら働きかけて翻訳を実現させた、という本。
タイトルの通り、リーダーシップについての本ですが、類書と違い、リーダーシップに付随するリスクについて多くの部分を割いています。最近、高橋洋一氏の『さらば財務省』という竹中改革を内部から見ている本を読みましたが、竹中さんが監訳をして共感するのも、とてもよく分かります。
では、具体的にそのリーダーシップのリスクは次の通り。
・脇に追いやられる
・注意をそらされる
・個人攻撃される
・誘惑される
目次通りですが、もっとすっきりしたキャッチーな訳文を当てることも...とは思いましたが、なるほどです。いわゆる善意も含めて変化に対する抵抗勢力は当然ながらいるものです。
その対策ともいうべきものが、これ。
・全体像をつかむ
・政治的に考える
・衝突を指揮する
・当事者に作業を投げ返す
・攻撃を受けても踏みとどまる
抜書きして分かりましたが、ここからだけではいまいちピンとこない。読んでも頭に残るものかというと妖しい。やはりリーダーシップというのは実践なんだということなのでしょうか。
悪くないです。もう少し苦労をすれば、骨身にしみてくるのかもしれませんが。 -
極めて概念的。
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竹中さんのお薦めということで購入しました。
最初の数10ページは面白かったけど、途中で失速しました。