- Amazon.co.jp ・本 (108ページ)
- / ISBN・EAN: 9784903500331
作品紹介・あらすじ
驚愕! 印象派の絵には隠された秘密がある。意図的に何を「消去」しているのである。ルノアール、モネ、マネ、ドガ……。いったい、彼らは何を描き、何を描かなかったのか。常識がいま覆る。
感想・レビュー・書評
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斜め読み。
印象派で検索すると本書もヒットした。
娼婦からの切り口は興味深い。と言うか、
マネのオランピアに関する話題かたおもったけど
そうでもなかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
印象派画家たちの生きた時代のパリの、「娯楽」に焦点を当てた一冊。
当時の娯楽はどんなものがあったのか、知ることが出来る。
前半は、モネやルノワール、マネたちが描いた作品からテーマを切り取り、船遊び、ピクニック、学生と針子の青春、酒場でのダンス、大衆劇場などのその当時の風俗が語られる。
後半は当時の「夜の世界」や、娼婦の存在について語られる。
夜のパリの歓楽を描いた印象派はドガやマネだった。
ロートレックの本を読んだばかりの私は、モンマルトルの記述が気になった。
モンマルトルのムーランドギャレットと言えば、ルノワールが描いた名作がある。
ルノワールの作品は、自然光を感じる明るい絵。
しかしその後、本格的なダンスホールへ。客筋も変わり、品のない歓楽場へ変えてしまったと言う。
誘惑してパトロンになろうとする男に出会うのはダンスホールとも言われた。
10年後、ロートレックが描いたものは面差しの変わってしまった店だった。
印象派始め、多くの画家たちは自分たちで描くテーマを選び取った。
描くもの、描かないものがあった。
美術史を勉強する上で、彼らの生きたパリの生活を少しでも知ることが出来たのは良かったが、
何だかこのタイトルは内容とあまり合っていない気がした。(後半は印象派じゃなくロートレックだったし。)
印象派、って付けなくても良かったような。
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ふむふむ。
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初読
印象派、が付いてるとはいえ
「娼婦の美術史」というタイトルは少し大きく出すぎかな(笑)
とはいえとっつきやすく、読み易く
気軽な美術コラムのわりに情報も多く面白かったです。
「お針子はつまり、娼婦予備軍」
この辺りを、どう受け取るかで恐らく印象は違っていて、
現代と違い、女性が仕事をする、という事は少なからずこういう一面はあったのだろうな、と私は思う。
気ままに男達と恋をし、仕事して自活し、結婚も出産もするかしないかは私が決める。
なんていう時代はほんのここ最近の話なのだ。
肌もあらわに水辺で遊ぶ、ふしだらで、陽気な、庶民の女達。
春をひさぐ女達じゃなくても、これは現代の私達にも当てはまる事じゃないか?
グルヌイエールとニューオータニのナイトプールはどこか似た光景なのではないか?
マネの描くゾラの「ナナ」の「ひたすら自分に夢中」な様はInstagramにセルフィを投稿する女達と同じ表情をしてるのではないか?
女が強くなる時代、「おわりに」でも書かれている印象派と「幸せな結婚」を果たしたアメリカに、初の女性大統領が誕生日なるか?の前日に、たまたま、本屋でこの本を手に取った偶然を面白く感じながら読了。