文章は写経のように書くのがいい

著者 :
  • ミシマ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903908120

作品紹介・あらすじ

自らのことを自己完結型の書き手と呼ぶ著者。
本書では、あの「多筆」の秘密を初公開します!
「文章を写経のように「サクサク」一定のペースで書く」「自分の平均的な執筆速度を知る」
「『私には書くことがない』という人は、自由連想方式、『100の質問』方式を」
「10時間あるよりも、『15分しかない!』ときのほうが効果的に書くことができる」
「POS方式、SOAP方式で客観的に書く力をつける」……etc.
具体的なトレーニング方法を、「本を書くのがストレス解消」と語る著者独自のエピソードをまじえつつ、紹介していきます。
書くことになれていない人から、日々何かを書いている人まで――文章を書くことが楽しくなる一冊です。

感想・レビュー・書評

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  • 心理エッセイからサブカルチャーまで幅広く多くの本を書かれてきた香山リカ氏による、文章をかくための指南本。
    文章は一定の調子でサクサクと書いたほうが精神的な安定効果があること(写経のように書く)、書く内容のネタ探しとして自由連想法や100の質問法などの活用、細切れのぶつ切り時間でも人は文章を書くことがきるようになるための脳の使い方のコツ、定型文の効果について、SOAP方式など客観的に文章を書くコツなど、ざっくばらんに文章を書くためのコツと効果がついて述べられる。
    個人的な感想は、この本はなかなか秀逸と感じた。いままで多くの書き方の本を読んできたけども、それらと違う点は、著者が精神科医ということもあって「なにか書いて見よっかな~」「文章を書くって意外と敷居が低いかも?!」という気にさせるということ。今まで読んできた類書は、論理的文章構成や情報収集や読み手に訴える効果的な書き方ばかりだったので、本の読み手にやる気を起こさせる文章書き方本というのははじめてだった。そして、著者おすすめの数々のプチテクニックについても、本業である診療経験のなかでのエピソードが根拠としてあって、診察場面であったり、研修医の教育の一場面であったりが本書の文章を書くという異素材に見事マッチしているという面白さがあった。

  • タイトルがよく分からない。
    どうも、時間をかけずに、一定の時間でサラサラと思いついたことから言葉にするように書くのがよいとうたっているようだが。
    それなら、もっと違う言葉があるように思う。
    ここまで中身のないことをダラダラと書き連ねた本は久しぶりだ。

    一見、文章指南本のように思わせるがまるで違う。騙しのタイトル。

  • 書くことを収益にするプロになるためではなく、「書き手個人のため」に書くことについて特化し書かれた本。
    あくまで個人のためだから、人に読まれるいい文章を書くメソッドは少なめなので注意。
    とにかく一定のペースでサラサラ書くことの重要性を押しており、途中で筆が止まり悩むようならそれは書きたいことじゃないので書かないという徹底ぶり。これにより自分の思考と向き合うことができ、精神安定にも繋がるそう。

    書くことに興味があり、そのハードルを下げたい人が最初に読むにはいいかもしれないが、私はあいにく『書く習慣 〜自分と人生が変わるいちばん大切な文章力〜』(いしかわゆき著)を先日読み終わったばかりなのもあって、内容的に重なる部分もあったため★3とさせていただきました。
    こちらの方が自分のための文章の書き方だけでなく、人に読んでもらえるようになるコツも書かれていたので。

  • 女性的な少し極端な(ヒステリックな)物言いで、話の脱線も多いが、精神科医からの視点は新鮮。
    「文章はサラサラ書く」
    清水義範『大人のための文章教室』にも取り上げられている。
    両書とも谷崎潤一郎の文を引用。
    「最も実用的なものが、最もすぐれた文章であります」

  • 精神科医香山リカ氏による「文章術」。タイトルと著者の職業から、人の心に深く印象付けるテクニックであるとか、他の文章術の本とは一味違ったものを期待したが、その点は少し期待外れ。
    文章を書くことに慣れていない人が、その第一歩を踏み出すための指南書として、とてもやさしく書かれている。改めて勉強したいと思わせてくれた。
    また、作中で引用されている作品に興味をそそられるものが多かったので、その点は収穫だった。

  •  何も人前に出す文章を書くわけではない。もっと簡単にもっと気楽に書けばよい。

     でも、体は動かない、うまく描けない自分を責める。

     どこまでもそれの繰り返し、いずれその輪から離脱できることを願ってなるべくここにも書き続ける。

  • 「書く」ことは心の中を整理し、安定させること。
    「書いてみる」勇気をくれる本。

  • 文章を一定量一定の速さで書くと癒しの効果がある、という内容。
    とても納得した。だからみんなほぼ日や、ブログや、日記を、書くんだ。
    無意識にさらさら書いてる時の方がいい文章をかけるし、すっきりするっていうのも、レポートの経験から確かにと思えた。

  • 香山リカさんの文章についての本ということで、前々から読みたかった本。タイトルが、五七調なのは気のせい?
    ひとに見せていい評価を得るための執筆ではなく、徹底的に、自分のための執筆の話をしている。
    香山さんも実際に、いい意味ですごく力の抜けた文章を書いているので、本当にそうやって書いているんやろうなあと思える。
    書く内容は、どんなひとにだってある。一人ひとりの人生は他人から見ると「変わったもの」であるというところ、すごく共感した。

  • 文章論というよりは、おしゃべりの延長的なかんじ。本当に何も書けないけど、「書きたい」という気持ちがある人には心強い一冊。
    要所要所でカウンセリングのコネタがあって、なるほどねーという気持ちにもさせられた。
    「細切れに読むことができるんだから、細切れに書くことだってできる」
    というのは、あぁ、頭のいい人の論調だなくそ。と思った。不器用な人だっているのに。
    それなりに読みやすく、特に「細切れに」読みやすいので、通勤にお勧め。

  • 作文技法は国語の先生の書いた本の方がよい。
    著者は医者なので医学的見地からの作文技法を期待したのだけど、
    口下手な人の参考にはならなさそう。

  • 文章書きたい!!と思っていたわけじゃなくて、最近なんとなく文章気になるな〜ぐらいで手にとったのでとても面白く読めた。最後のほうにかんたんな「作家タイプか評論タイプかテスト」が載っているのだけど、自分では物語を作るのが好きだったので、評論タイプになったことに少しびっくりしつつ、納得もした。

  • 文章を書く時は読むように、想いのままリズム良く書いた方が、上手くいくのですね。何か気持ちが楽になります。あくまでも書く行為は自分のためなんですよね。(プロじゃないし。)4行日記(事実・気づき・教訓・宣言)って、文章的にはきれいにまとまってるけど、『じゃ何から手を付けるの?』っていうStoryがないと、たしかに時間の浪費だよね。そう思います。

  • 「書き手の心に効く」文章の書き方を説いた本。文章スキルを上達させたいと思って手に取りましたが、求めているものとは少し異なりました…。が、精神科医ならではの視点で書かれたスキルアップ術は興味深く読めました。著者の文章が読みやすい理由も、あることを心掛けているからこそ。昔、日々の出来事を淡々と綴った記録をつけていましたが、それを再開させようと思います◎ タイトルが良い。

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4903908127
    ── 香山 リカ《文章は写経のように書くのがいい 20090302 ミシマ社》
     
    http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-903908-12-0.html
     
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/4121500628
    ── 香山 リカ《ぷちナショナリズム症候群 ~ 若者たちのニッポン主義 200209‥ 中公新書》
     
    ♀香山 リカ 評論 19600701 北海道 /精神科医/臨床心理士/立教大学教授/籍=非公開
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%B9%E1%BB%B3+%A5%EA%A5%AB
     

  • 自分の為の文章の書き方。
    これはいい。
    なかなか斬新な切り口。

  • 得られたものは殆どなかったが、「100の質問」を生かす方法が分かったので益としたい。

  • 「自分のために書く、自己完結型の文章」をタイトルにもあるとおり「写経のように」一定のペースでサラサラとつづる。その行為によって心は癒され、気持ちも整理される……って本当か!?

    その真偽はさておき、ところどころで顔を覗かせる、著者の鋭い批判が面白かった。

    特に「ウケるコンテンツ」を書くのはそれほど難しくない、とやや皮肉っぽく指摘するところ。そこで紹介されていた「4つのカテゴリー」×「3つの手段」という枠組みが、本書で得た一番の収穫かもしれない。思いっきり「他人のために書く文章」向けのネタではありますが。

  • 文章は写経のように書くのがいい 香山 リカ
    http://yamatoiebakawa.blogspot.com/2011/07/03.html

  • 個人的な興味で「写経」という言葉に引っかかって購入。人に受けるためでなく、自分のために文章を書くこと、意識の持ち方が参考になった。

  • 無心に書くことで心のバランスがとれるようになるらしい。
    10分あればある程度の文章を書けるらしい。
    書き慣れると楽しくなるらしい。

  • 処分予定
    101031

    ■平凡で一定のペースの記述が持つ効果がカウンセリングや薬以上の意味を持つ事がある

    ■人に受ける文章の
    テーマとして
    •人間関係
    •お金
    •夢、目標
    •健康

    三つの手段で蓄積
    •自分で経験
    •人に聞く
    •本で読む

  • 『自分のために』文書を書く方法について。

    いくつかの事例や方法、気をつけるべき点をわかりやすく書いてあります。

    書くことを同じペースで継続することによる効果もあることを初めて知りました。

    ただ、体験したり、読んだり、聞いたりする『インプット』することあが多かったので、『アウトプット』するアイディアを頂きました。

  • はぁ?と言いたくなった本。

    でも、読んで良かった。
    細切れ時間を活用すれば、本が書けるってこと。
    いろんな理由つけて、やりたいことを後回しにしてると
    成功なんかできないってこと。

    自己啓発本でそういう内容のって良くあるけど、
    その具体例だよね、これ。

    はぁ?って思った反動で、私もできるもんと思えたという意味でも
    読んで良かった。

  • ★何千という俳句を作った老人(057頁以下)
    客観的に書く方法としての「カルテ書き」(146以下)
    プロの文章の骨格を使わせてもらう「パクリ法」(192頁以下)

    事実を見つめ、客観的に書いていくことで、現実を少しでも良い方向に導いていく
    文章において刺激や幻想、ポジティヴさを追いすぎたあまり悲劇に陥ったケース

    一定のペースで日々、一定の時間、書くことを続ける
    自分のために書く場合は予め、「分量」か「時間」でゴールをきちんと決めておくべき。強制的に終了するポイントを設定しておく

  • 「文章を書く」ことにすごく構えてしまう。手紙やメール、仕事上での文章などは問題ないし、昔は広告のコピーも書いていた。でも、何も書く必要がないときに自ら書く、という事ができなかった。作家のような物書きに対するかすかな憧れは常にある。でも自分には縁のないものと思っていた。今はブログでも開設すればいくらでも書けるし、読者もいる。文章のうまい人も相当数いる。問題は書くべき事が自分の中にあるのか、という事だ。そんな迷いを持て余して読んでみた。ちょっと気が楽になったかな。

  • 香川さんのスタイルはわかった気がしますが、作文技術の参考にはならない感じです。私にはならなかった。

  • 「香山言う自分のために書くことで文楽しんでライティングハイ」

  • サラサラ書くことで精神が安定するんだなと新たな気づきがあった。<br />4行日記の書き方、ビジネス文書の書き方など参考になった。<br /><br />自分に何かができるわけではない、という思い込みが、知らない間に自分の能力を押さえ込んでしまっていたのだ。<br /><br />人に見せるのを目的としない自己完結型の文書の場合、内容に凝ったり言葉を選んだりしないで、まずは写経のようにサラサラと一定ペースで書くべきだ<br /><br />このたびはお世話になります。<br /><br />ビジネス文書は雛形や定型句をドンドン使う。独自性は必要ない。<br /><br />ウソや作り事は書かない<br /><br />自分が何か”本当のオリジナル”を創り出せる、などというのは大いなるおごりだと思う<br />まねする、引用する<br /><br />4行日記<br />1行目:事実(著者の解釈が入ってはならない)<br />2:気づき(その事実について気づいたこと、反省。あくまでも事実からえられたのもであるべき)<br />3;教訓(次への行動への目標。抽象化されている必要がある。)<br />4:宣言(目標を達成した後の自分をイメージ。能動態で書くことが必要)<br /><br />(ex)<br />1:売り上げ数字が挙がらない<br />2:伝わるトークは相手によって違う<br />3:人を見て法を説け<br />4:私は担当者を味方につけている営業マンです

  • 多読で有名な精神科医 香月リカの執筆。

    すらすらと書きつづることで、自分の心の整理や、ともすればストレス発散にもなるとのこと。
    個人的には非常に共感できました。

    本を書く、文章を書くためのエクササイズなどにも話が及んでおり、文章を書きたい!という方は、実践してみる価値もあるかもしれない。

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著者プロフィール

たくましいリベラルとして、右傾化する政治状況から現代社会の病理まで、メスをふるう行動派知識人。1960年生まれ。精神科医。立教大学現代心理学部教授。『若者の法則』『ぷちナショナリズム症候群 若者たちのニッポン主義』『生きてるだけでいいんです。』『弱者はもう救われないのか』『「悩み」の正体』『リベラルじゃダメですか?』ほか、著書多数。

「2017年 『憲法の裏側 明日の日本は……』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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