大阪的 (コーヒーと一冊)

  • ミシマ社
3.29
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本棚登録 : 239
感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (96ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903908922

感想・レビュー・書評

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  • 話題の中心は大阪なのだけど、均一化した東京的ではないローカルな生き方あり方という本質に軽快に踏み込んでいく。拍手喝采。

  • 「大阪はおばちゃん」「意外と個性がない」など、序文がかなりテキトーな書き方で、この本大丈夫かと思ったら、その後の対談や説明を読んでると割と腑に落ちる。なるほど、大阪的な説明の仕方だったのか。知らんけど。

    大阪弁のボケツッコミシステムをかなり納得できる説明してくれる。また、p53からのパートで、大阪弁は同じ単語でも発音の仕方で意味がかなり変わるというのを例を上げて説明してくれるので大阪弁分かる人も分からない人も勉強になる。「ねえちゃん」とかもどこの音節を上げるかで「姉、OL、水商売などどういうねえちゃんか表すことができる」など。ネタで言えば「なんや」が発音や語尾の長さなどで意味合いが変わるとかもうあながち笑い話ではなく、真面目な話だよなー。奥が深いわ大阪弁。

    「しゃべってるときに水位の調整ができる大阪人」
    会話の雰囲気を常に測っており、相手よりおもろいことを言おうとしたり、相手を立ててあえておもろないことを言ったりするのが大阪人。
    相手の話のオチがないことに驚いたりするというのは、つまり「話し続けないんかい!」ということだったのか。
    自分は道産子だが、もともとの性格なのか、和歌山で暮らして学んだのか知らないが、こういうところだいぶある。真面目な話が苦手というのもあるが、おもろいことをついつい言いたくなるし、オチがない、面白い話じゃない場合は拍子抜けしてしまう。

    個人的に思うのは、ボケツッコミというのは瞬間的なユーモアの応酬なのでかなり脳が活発に動くことになる。これはだいぶ脳のエクササイズにもなるし、だいぶボケ防止にもなるんじゃないかと。単に相手の話を聞いてるだけじゃなく、ツッコミを入れたり、相手よりおもろいことを言おうとし続けるわけだし。

    それにしてもこの「コーヒーと一冊」シリーズ、ほんとに文章量がちょうどいい。さすがにコーヒー一杯では飲み終われないが、三杯分くらい。一日で読み終われる。

  • 大阪を離れてしまった大阪弁ネイティブ(ただし祖母と母の話す大阪弁なのでかなり古いもの)でとても大阪的なものには好意を持ってみている。
    この本は大阪人(テレビ的な大阪人=芸人ではなくてら大阪で生活してる人)が本当に素で話してる本。とても面白かった。常々、大阪は京都奈良神戸に比べて泥臭い、鈍臭いトコがあるなぁと思っていたので大阪人でもそう思うことあるんやねという感じもある。

  • 江弘毅さんと津川記久子さん、お二人の大阪人の対談。東京に追いつけ追い越せやなくてしっかり大阪らしさを出したらええし出さな損やでというお話。ザスパクサツ群馬とカマタマーレ讃岐(ネーミングが最高!)のお話にはジワッときました。

著者プロフィール

1958年、大阪府岸和田市生まれ。編集者・著述家、神戸松蔭女子学院大学教授。89年『月刊ミーツ・リージョナル』を創刊に携わり、12年編集長を務める。ファッション・ページも長く担当。「街場」を起点に多彩な活動を繰り広げている。『K氏の大阪弁ブンガク論』(ミシマ社)、『「うまいもん屋」からの大阪論』(NHK出版新書)、『いっとかなあかん店 大阪』(140B)など、大阪について書かれたもののほか、『「街的」ということ』(講談社)、『有次と庖丁』(新潮社)、『神戸と洋食』(神戸新聞総合出版センター)などの著書がある。

「2023年 『なんでそう着るの? 問い直しファッション考』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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