市民のマネジメント―市民の仕事術〈2〉 (仙台文庫)

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  • メディアデザイン
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904184387

感想・レビュー・書評

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  • 加藤哲夫さんのコラム集市民の仕事術の第二弾。自分がいま研修やコンサルティングで伝えている内容と共通するものも多いことに嬉しさよりも10年経っても20年経っても同じことが言われ続けてるNPOと中間支援業界の課題を突きつけられる想い。ぜひ再版して読まれて欲しい。

  • 分かりやすさが大事なこと、分かりやすいことが重要だと、とにかく分かりやすいことがもてはやされる風潮があります。研修も、授業も分かりやすく、などなど。しかし本当に分かりやすいことが大事なのか、時々思うことがあります。分かりやすいことが、かえって理解を妨げているのではないか、時には、分からないことについて、自分たちの頭で考えることが大事なのではないか、と思います。このことについて、そして、「問い」の大切さについて、本書には次のように書かれています。

    「誰にでもわかるように」などと、やさしさばかりがもてはやされる世の中だが、それは逆に、わからないことを蓄積していくと突然わかるという学びの体験から人々を遠ざけている。表現がわかりやすいということは、わかった気になりやすいということである。わかった気になると問いが出てこない。そして問いのないところに学びはない。わからないところにこそ、自分では見えない水準のものやコトが存在しているのだ。従って、グループ活動の中でも講座でも、簡単にわかりあうのではなく、わからないことを互いに納得するまでしつこく問い合う習慣を身につけることが、そのグループの力量形成にとって重要である。仲良しごっこからは力は生まれない。

    まったく同感です。しかし、なんと仲良しごっこの集まりが多いことか。NECO塾もここに陥らないよう気をつけたいと思います。
    また、他を非難するだけではなく、自分がどうするかが大切だという、次の記述もあります。

    講座や講演会で、市民意識の低さを嘆いたり、国の政策の不当さを非難したりすることには熱心だが、いざ自分はどうするかという点において心もとない人をしばしば見かけるからだ。そういう場合、私は結構挑発的に、あなたはどうするのかと問い詰めることが多い。政府の農業政策を批判する演説をぶっている暇に、支えたい農家を訪ねる集いを企画しチラシの1枚も書いて配ってみればよい。たちまち仲間が生まれ、具体的なその問題に対する関わる手立てが見えてきて、その上で政府に対する批判の目を高めていけばいいと。

    ここを読んで、ふと、先週開催された鈴木修さんが主宰する結集市民力を思い出しました。ただ憂うのではなく、自分たちで何らかの行動を起こしていこうという考えには、私も賛同します。大切なことですね。

  • 12076.

  • 市民活動第一線で活躍された加藤さんの2000年から約10年の間に感じたこと、伝えたいメッセージが本書にはまとめられている。全国で活躍された著者とお会いした時、自分の勝手な想像と違っていたことは、地域の草の根的な団体や町内会などの地縁的組織としっかり関わられていることでした。当然といえば当然なのかもしれませんが…思いはあれど、P144にあるアドボカシー分析図が示す全域をカバーできることの凄さを感じずにはいられませんでした。
    本書によって、再び加藤さんの考え、活動を少しだけでも共有させていただけたことに感謝!

  • このかたの書き下ろしの本をもっと読みたかったし、去年、怠けて修論の研究に彼のセンターを学ばなかったのが悔やまれる。心よりご冥福をお祈りします。

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著者プロフィール

早稲田大学名誉教授

「2023年 『プロセス講義 倒産法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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