ドキュメント・コミュニケーションの全体観 下巻 技法と試合運び

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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904256060

感想・レビュー・書評

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  • 【星:5.0】
    本書単体としては【星:4.0】であるが、上巻と姉妹書「問題解決の全体観(上下巻)」の計4冊まとめると【星:5.0】。

    上巻を含め本書の基本コンセプトは「ドキュメント作成の目的は問題解決」というもの。そして問題解決を軸としては、ドキュメント作成はどうあるべきかが述べられている。
    このように1つの軸の下にドキュメント作成手法を説明しているという点が目新しいくわかりやすい。
    また「問題解決」という軸についても姉妹書「問題解決の全体観(上下巻)」の内容と当然一貫している。

    したがって、本書と上巻および姉妹書計4冊をまとめると相乗効果で「問題解決」「ドキュメント作成」の両方についての理解がとても深まる。

    個人的に超おすすめ。

  • 良書。下巻では、「技法」「試合運び」が述べられています。

    上巻・下巻を通じて、目次は以下です。

    上巻 原則と手順

    序章 ドキュメントの大問題とその解決策
    Part1 Principle 3つの原則を守れ
     原則1 「解・動・早」
     原則2 「問題解決コミュニケーション」
     原則3 「スタンド・アローン」
    Part2 Process 勝ちにつながる手順に従え
     手順1 「ストーリーづくり」
     手順2 「構成検討」
     手順3 「図表ページ造り込み」
     手順4 「全体調整」

    下巻 技法と試合運び

    Part3 Art 実戦技法で質とスピードを両立させよ
     技法1 ストーリーの捌き方
     技法2 ピラミッド構造の組み方
     技法3 文章表現の磨き方
     技法4 図表の描き方
     技法5 演出の加え方

    Part4 Tactics うまい試合運びで効率・効果を上げよ
     試合運び1 「個人戦」の戦い方
     試合運び2 「団体戦」の戦い方

  • 20190421 - 再読

    上巻のつづきで、より実践的な内容に踏み込みます。コンサル経験者からするとそこまで新鮮味はないかと思いますが、コンサルタント共通のマインドセットが随所に見られ、「そうそう、そうなんだよ!」という強い共感を呼び起こすこと請け合いです。ところどころに著者の独自解釈や言い回しが光り、他書と一線を画しています。

    「技法1. ストーリーの捌き方」では、【解説型】から【並列型】に変換する手法が説明されています。独自解釈が素晴らしい。論理の組み方でここまで踏み込んだ本は見たことがありません。私も長年コンサルやってますが、会話以外で【並列型】をほとんど使わないのですが、意識的に使ってみようかなと思いました。

    「技法2. ピラミッド構造の組み方」では、ピラミッドの分解には【理由付け】と【要素分け】しかないという説明があり、ここでも独自解釈が光ります。「漏れや重複のない見方」で、A / not Aや因数分解がMECEとは別概念として載っていましたが、MECEの一部と言えるのでは?と思ってしまった。厳密な定義としては、違うんですかね?

    「技法3. 文章表現の磨き方」や「技法4. 図表の描き方」は非常に実践的で、役に立つ方が多いのではないでしょうか。特に、後者で空・雨・傘のパートごとに定番図表を整理されていますが、図表の描き方でピンとこない人はマネしまくればよいと思います。Good / Bad Slidesの整理もよいですね。不揃い不感症とか口悪すぎて笑いましたw

    「試合運び2. 団体戦」では、DCIを全社に広めることを提案されています。会社にとってのベネフィットの大きさは計り知れませんが、なかなか、重要性が伝わらないんですよね。。。少なくとも、PJチーム内では、共通の考え方でドキュメント作成できるように管理していこうと思います。


    ----------(以下、自分用メモ)----------
    ■技法1. ストーリーの捌き方
    ストーリーの定番 ①原因対応、②大変換要求、③変化適応、③チャンス開拓
    空・雨・傘はツリー状に広がる可能性があるため、優位性を示す必要がある
    Becauseストーリーは、新顧客へのプレゼンで効果的。インパクト大、結論First
    【空・雨・傘】⇒【Because】への組み換えは、切り口の選択が難しい

    ■技法2. ピラミッド構造の組み方
    対極オプション(積極 / 消極、全面 / ニッチ)は、オプション選択の理由付けに
    ペアコンセプト(短期 / 長期、Benefit / Risk)は、オプションの評価軸に

    ■技法3. 文章表現の磨き方
    「解りやすさを徹底する」
     ①短文化(テキストページのメッセージは長くて50-60文字、1行半)
     ②目に易しい
     ③納得サポート(抽象には具体を、具体には抽象を)
    「インパクトを強める」
     ①踏み込み(へりくだるな、直接的表現を取れ)
     ②印象ことば(造語を恐れるな、手垢のついた言葉を使うな)
     ③なまくら除け(曖昧な形容詞・副詞・動詞を使うな)

    ■技法4. 図表の描き方
    概念図をうまく描けないのは、メッセージに対する意識不足
    クリップアートでお茶を濁すのは最悪。探して見つかるわけがない

    ■技法5. 演出の加え方
    イマジネーションを働かせれば、それほど難しくはない
    意思決定仕様、現場仕様、カラーサポート、フォーマル仕様

    ■試合運び1. 個人戦
    頭が動くときは「仕事」優先、無理なら「作業」、どちらもダメなら寝る
    汎用書式に収まらないのは、そこに何か問題があるという警鐘

    ■試合運び2. 団体戦
    モノ分かりの良い上司になるな、厳しく突き返せ
    自分の意見を持たずに他人の意見を聞くのは、単なる甘えか小ずるさでしかない

  • シリーズの下巻、ややテクニック的な内容が含まれる。
    上位者に意思決定いただきたい項目を抽出、ストーリーパターンによって空雨傘のせめかたが異なってくるなどが気づき。
    兎にも角にも、経験をたくさん積んで、自分で作ることが大事と再認識。

  • 実践的かつ実用的なノウハウが詰まっている。
    10年以上前の本だが内容は古びていない。文書を使う仕事の進め方の本質を突いているからだろう。

  • 上巻の原則と手順の続き。より実践的な手法が書かれている。上巻の原則を理解した上で、下巻の手法を実践しドキュメントを作る。フィードバックを受け、更に作成する。繰り返すことで自己のドキュメント・コミュニケーションレベルを上げていく。

    「技法1. ストーリーの捌き方」では、ストーリーづくりに役立つ【定番の型】を紹介している。型にはめてストーリーづくりをすることで、作成時間の短縮や思考ストレスの軽減を狙える。
    型を使用することで、自己流の思考ではたどり着けない複数のストーリーを発想できる点もいいと思った。

    「技法2. ピラミッド構造の組み方」では、ピラミッド構造の階層分解手法として【理由付け】と【要素分け】の2つを紹介している。さらに、分解を「もれなくダブりなく」行うためにMECEを含む6つの手法(ペア・コンセプトやロジカル因数分解など)を紹介している。
    どれもMECEに内包される内容のように感じたが、手法として優秀のため独立させている?

    「技法3. 文章表現の磨き方」「技法4. 図表の描き方」では、ドキュメント作成の実践的な手法が紹介されている。
    文章表現紹介された【なまくらアクション】(◯◯を推進する、など)はよく使うため苦笑してしまった。今後は、(◯◯をいつ、どのくらい実行する。)のようによりはっきりとしたアクションに落とし込む。

  • これは本当に良い本だと感じた。

  • 上巻で概念を習得、下巻でドキュメントイメージを習得

  • ドキュメント・コミュニケーションとは、パワポ作成のドキュメントによって、対象者に理解してもらい、出来るだけ早く動いてもらうためのツール。
    下巻では、そのツールの質を高めるための作成方法を、上巻で説明した手順ごとにポイントや具体的な作成方法、標準フォーマット等を説明している。

    早速ドキュメント作成をしたくなるような気持ちに掻き立てられた良書。

  • 「問題解決の全体観」の姉妹書。
    問答を「解決する」ことと対をなす「伝える」ことにフォーカスして構成されている。
    下巻では、上巻での内容をより具体に落とし込んだ構成になっており、「ロジカル・ビジュアル」の実例集等はそこだけでも価値があると思う。
    「問題解決の全体観」の加筆修正となっているパートも多いが、そちらを読んだことがある読者にとっても良い復習となると感じた。

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