魔術士オーフェンはぐれ旅 原大陸開戦(通常版)

著者 :
  • ティー・オーエンタテインメント
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本棚登録 : 84
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904376713

作品紹介・あらすじ

アイルマンカー結界が消失し、キエサルヒマ大陸は世界を滅ぼそうとする女神の前に無力となっていた。代わりにオーフェンが手にしたのは女神に対抗するための"魔王"の力。世界の均衡を崩した罪を背負ったオーフェンはキエサルヒマを追われ、新たな土地である原大陸へと旅立つ。しかし、そこは女神の手で怪物=ヴァンパイアと化した人間たちと魔術士とが戦い続ける厳しい土地だった。それから23年。オーフェンの旧友の息子であるマヨールは、3年ぶりに原大陸を訪れていた。今回の同行者は、妹のベイジットではなく、婚約者のイシリーンと教師のイザベラ。三人はキエサルヒマから原大陸へとヴァンパイア化を目指して渡航した人々を追うため、魔王の統治する魔術学校に出向く。そこにヴァンパイアたちが強襲をかけ、マヨールは大陸を二分する戦争に巻き込まれていく。シリーズ完結に向けた最終章がついにスタート。

感想・レビュー・書評

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  • 魔術師オーフェンというのは身内の不始末を片付けるために身内が放浪する物語だ。それは世代を超えてちゃんと続いているのにある意味安心する。世代が変わっても彼らは変わらない。

  • 原大陸開戦。
    兄が妹を追いかけて再び原大陸へ行っていろいろある話。
    とりあえず最初の一行からずっこけたくなる。マヨールも同様にまじめに装備しそう。イシリーンのいい女っぷりに拍手。合間の兄妹話が好き。
    魔術士の師弟。
    弟子に分かってもらおうとマジクががんばる話。
    ラッツベインが本当にわかってないのかが知りたい。どっちにしてもきっと変わんないんだろうなと思う。
    マジクの代償ってなんだろう。どっかに書かれてたかな。

  •  数ある名作の続編、子世代編を「イマイチ」とばっさり切り捨てることが多い中で、オーフェンに限ってこうも素直にワクワクしてるのは、私の中でオーフェンは終わってなかったからなんだなあと思う。
     世界が救われてみんな幸せになった大団円の後に「また新たな危機が……!」となったら「エー」って思うけど、目前の危機は回避されたけど明日のことはわかりません、伏線未回収の謎や設定は本筋(テーマ)に関わりないので放置です、あのキャラとかこのキャラの今後は以下略って状態で終わった話の続きが出たらそりゃ嬉しいよ! 嬉しいよ!!
     ……ごめんなさい秋田作品の終わり方ってとっても潔いと思うけどもう一口ほしいです。贅沢者なんで!

     それとは別にキャラクターだけでなく組織や舞台、戦い方も一新しているのが新鮮で面白いなーと思います。単純に「前の続き」じゃなくて、前作ではあんまりなかった魔術士同士の連携やネットワークを駆使した戦い。そして遂にクリーオウの名前出た! と思ったら戦闘が相変わらずのクリーオウで安心しました。なんって理不尽。
     ラチェットの隠し手はなんだろ。襲撃を察知したとこを見るにネットワークか、それともレキ? ヴァンパイア症の穏便な解消のため新たな超人の作成が示唆されてたけど、ラチェットは違うよなあ。それか白魔術士とか……白魔術士は結局魔王術の素養が高かった人なんだろうか。謎。
     魔術士(性差廃絶主義者)のオーフェンが「女ってのは~」と言ったのは意外。でもティッシはティッシで絶対「男ってのは」って思ってるからお互い様だと思う(笑) そりゃ待ってる女は怒るよ。怒ってるけど嫌いになったわけじゃないんだよ。
     ベイジットは結局アザリーポジションなのかな。「約束の地」で既に似てると言ってる人は多かったものの、個人的にはそんなに似てるとは思わなかったんだけど……それともこれも同質の正逆なんだろうか。横暴な姉と我が侭な妹。好きな人に認められたかった女と、超越者になりたい子ども。
     合間合間に挿入される兄妹秘話にちょっとときめいた。誕生日プレゼントのエピソードが好きだー。仲悪くても家族なんだよね。ただベイジットはそこからも解放されたいんだろうけど。
     ファンタジーの呪文が大好きなので魔王術の詠唱もっと出てほしい、けど、ヴァンパイアを仕留める見せ場のみ描写してるっぽいのでそれはそれで好きな演出で、でもやっぱりもっと見たい葛藤。

     しっかしマジクが超かっこよくてなんかもう……秋田先生、第3部が見たいです。だってマジクってば2部でウィノナに「見るべきところのない弟子」とか酷評されてたのに、ここに来て「才能の怪物」だの「名前で呼ぶにも抵抗がある」だの畏怖を籠めた絶賛をされてて、もう、もう……! 戦闘シーンでもお母さんもかくやというチートっぷりでもう……!
     そんなとっても格好良くなったマジクですが、ラッツベインに尊敬されようとがんばる姿がまんま女子の前でかっこつけようとして空回る中学二年生で「ああ、変わってないんだなあ」とほのぼのしました。違うんだよマジク、ラッツベインはマジクのことちゃんと尊敬してるんだよ、すごいとは感じてないだけで。でもいざ三姉妹がマジクのこと敬うようになったらマジク絶対寂しがるかキモがると思うので、それでいいと思う。

     あとがきのフォルテとハーティアの敵対演出が、なんかすっごく家族って感じがして好きです。次巻から本格的にマヨールが主人公になるのかな。イシリーンが思ってたよりずっと素敵女子でした。

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著者プロフィール

1973年東京都生まれ。1991年『ひとつ火の粉の雪の中』でファンタジア長編小説大賞準入選を受賞し、作家デビュー。「魔術士オーフェン」シリーズが累計1000万部を超える大ヒットとなり、ライトノベル作家として活躍を続ける。一方、一般文芸、アニメノベライズ、PCゲームの脚本などにも活動の場を広げている。その他の著書に『機械の仮病』『虐殺機イクシアント』「巡ル結魂者」シリーズなどがある。

「2017年 『攻殻機動隊小説アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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