ボードゲーム デザイナー ガイドブック 〜ボードゲーム デザイナーを目指す人への実践的なアドバイス
- スモール出版 (2018年5月14日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784905158547
作品紹介・あらすじ
「ドイツ年間ゲーム大賞」の設立メンバーのひとりであり、ドイツ・ボードゲーム界の第一人者であるトム・ヴェルネックによる、ボードゲーム デザイナーのための実用的なアドバイス本。
幾度もの改定版が刊行され、他言語にも翻訳されている本書は、世界的なロングセラーとして知られている。著者の30年にわたる経験にもとづいた価値あるヒント、具体的なノウハウが満載。
本書は、ドイツのボードゲームジャーナリストが著したゲームデザイナーのためのガイドブックで、デザインから製品化までをトータルにサポートしている。ボードゲームを作ってみたいと考えている初心者から、「ゲームマーケット」に何度も出展しているようなベテランまで、個々の才能を十二分に発揮し、コストパフォーマンスよくボードゲームを製作販売できるようになるためのヒントを与えてくれる。(訳者まえがき より)
感想・レビュー・書評
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この本は、「オリジナルのボードゲームを作ってみたいが、アイデアが浮かばない」という人向けではなく、「ある程度作りたいボードゲームの構想が具体的にできている、もしくはもうすでに試作品はできているが、発売に持っていくにはどうすればわからない」という人向けの本である。
漫画に例えるなら、「漫画が描きたいけどネタ出しってどうすればいいの?」「漫画が描きたいけど棒人間しか描けない」という人向けではなく、すでに漫画を描き終えた人への、「完成した漫画をより良くするにはどうするか」「漫画を編集部に持ち込む方法」「漫画を自費出版するメリット・デメリット」などが載っているようなものだ。
ボードゲームに必要なものや、ボードゲームをより良く改良するためのアドバイスも載っているが、殆どは作ったボードゲームの出版社への持ち込み方や、自費出版と出版社に委託する場合の違いや、権利関係などの、「ボードゲームが完成した後、どのように世に出すか」の話にページ数が割かれている。
ドイツで出版された本なので、ドイツでのボードゲーム事情に詳しいが、日本の事情はあまり書かれていない。ドイツの事情を知られて興味深い。
モノクロだが、文中に出てきたボードゲームはパッケージデザイン付きで、簡単に説明されており親切だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ボードゲーム先進国であるドイツでゲームデザイナーを目指す場合、どのような手順を踏んでゲームを出版すればよいか、出版してもらうためにはどのようなゲームであるべきか、ということを文言を変え、繰り返し説く解説書。一読の限り、ボードゲームが出版されるまでのハードルは高いので、ここで「こうすればよい」という手順を忘れず、合致するゲームを考えれば、売れるゲームを自分でも作れるかもしれない。ただし、「ゲームを作るための技術」の解説ではなく、「作る上で覚えておきたい要点と、出版社に持ちこむための方法」の解説書である。「どうやってゲームを作ったらいいんだろう…」という人には、「ドイツでゲームを出すのは大変だなあ」「ドイツのゲームデザイナーはこういう環境で仕事をしているのか」という新鮮な知識こそ得られるものの、実践的な指導は期待できない。あと、訳文が堅い典型的な翻訳書なので、慣れない人はちょっとだけ忍耐力が必要。40ユーロという誤植はたぶん愛嬌。
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ゲームを思いついた、から形にするまでをドイツの場合(そして日本でも通用する)で紹介している。
アイデアからそのアイデアを守る方法
どう見せる
テストプレイ -
2022年1月7日読了。ボードゲームデザイナー向けのガイドブック、だが本場ドイツのデザイナーが執筆しているだけあり、試作品製作のコツやテストプレイの重要さ、出版社や展示会への持ち込み方法のメリデメ解説やドイツ以外の海外展開を視野に入れた活動の考慮など極めて具体的な内容で、「どうしたらアイデアを思いつくか?」的なぬるいアドバイスは皆無。これが本場基準のレベルなのか…。アイデアで差異化するジャンルなだけに、盗作や権利についてデザイナーが神経質になるのは当然・必要なことだが、それに囚われすぎず、出版社などのプロと信頼関係を結び任せる必要もある、というのは当然のことなのだと思うが、なかなかできなかったりそこにこだわって潰れるデザイナーも多いのかもしれないな…。