エコロジカル・アプローチ 「教える」と「学ぶ」の価値観が劇的に変わる新しい運動学習の理論と実践
- ソル・メディア (2023年3月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784905349693
作品紹介・あらすじ
ECOLOGICAL APPROACH
エコロジカル・アプローチ
「教える」と「学ぶ」の価値観が劇的に変わる新しい運動学習の理論と実践
欧米で急速に広がる「エコロジカル・アプローチ」と
その実践メソッド「制約主導アプローチ」の解説書
未知の環境×適応する選手=スキル習得&パフォーマンス向上
トッププロからグラスルーツまで競技を問わず、スポーツ全般に適応可能
感想・レビュー・書評
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以前読んだ「「サッカー」とは何か」の
構造主義部分の発展形ともいえる本。
※「サッカー」とは何か 戦術的ピリオダイゼーションvsバルセロナ構造主義、欧州最先端をリードする二大トレーニング理論
https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4905349508#comment
自分にはちょっと難易度高めの本でしたが、
とても興味深く、思考の刺激のもらえた本でした。
コーチがスポーツを教えるとき、
基本の型を覚えるために、
要素に分解してそれぞれの要素の練習をしがち、
それはあんまり意味がなくて(効果が薄くて)、
色んな制約を与えることで、
体がいろんな環境や条件に順応させていく方が良い、
という考え方(あくまでざっくりとした説明ですが)。
この考え方がスポーツ以外にも当てはまりそうなのかとか、
色んな疑問が浮かんできますが、
そうやって新たな問いが生まれてくるってことは、
イイ本の証拠だと思います。
実際にコーチがどんな制約を与えるのかが、
実践の際の難所になってきそうですが、
ブラジルのストリートサッカーの効果が大事だったとか、
幼少期は色んなスポーツをやらせるべき、
という考え方は、他の本にも書いてあることで
とても納得感がありました。
先の「「サッカー」とは何か」と合わせて読むと、
理解が深まると思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
お父さんコーチとして、子供たち自身で考えてプレーできるようにあまり細かい指示をしない+本書で言う代表性を意識した方針でチームで進めてきたが、他のスクールに行っている子の一部の保護者から指導してないという声が聞こえたり、なかなか結果がついてこないこともありやり方自体に悩んでいたが、この本を読んでその辺りはスッキリした。ただ制約の概念と重要性をこの本で知り、とても考えさせられた。コーチは制約のデザイナーとのことだが、チーム内の実力差が大きい場合、制約を考えるのはとても難しいがチャレンジしていきたい。
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これまでの考え方を覆す理論。
確かにそうだよなぁと納得することが多くて、新たな発見だった。
もっと日本の指導者、選手なども知る必要があると思った。 -
息子がサッカーをしています。とあるスクールの先生が紹介されていたのをきっかけに読み始めました。なるほどなと思うことがたくさんあります。手取り足取り教えるという指導がスキルの向上につながるわけではないことがよくわかりました。教え方の概念もどんどん進化していてアップデートする必要があるのですね。たくさんのスポーツ指導者に読んでいただき、子どもたちのパフォーマンス向上につなげてもらいたいなと思いました。
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○エコロジカルアプローチ
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○3種類の制約
・個人制約
→アスリートの身長、体重、運動能力など
・タスク制約
→練習のオーガナイズやルールによるもの
・環境制約
→天候、サーフェースなど
この3種類の制約が人に運動を学習させるのであって、コーチが教えるのではない
ターゲットムーブメント(模範となる動き)は存在しない! -
田中俊彦の”幻の左”を見出した久保さんの「右に壁を置いて蹴らせた左キック」は、見事な制約設定だったんだな…(漫画のハナシ)
メチャメチャ面白く、そしてメチャクチャ難しい…!
一番問われるのはProblem Setterたる指導者の見極めと制約設定の質。
タスクは分解せず単純化し、制約を操作して、注意のフォーカスは外面へ。
人間は違いからしか学べない。
子供とやろう。ついつい「基礎が大事」とかってスキルドリルの反復に走っちゃうんだよな。
常にアダプティブゾーンに置く大事さ。