- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784906708512
感想・レビュー・書評
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さいたま市で生活困難者を支援するNPOの運営者が生活保護バッシングに反論する。
現場で動いている人の声は重い。
ソーシャルワークのない金銭だけの支援は効果が薄く、社会システムの変化を提言しないソーシャルワークもまた意味が薄いといった記述に強く納得した。
生活保護を考える上で必読の一冊。
※ 2021追記 藤田孝典氏がネット等でヘイト発言を繰り返すようになったことに抗議し評価を1点に修正しました。 -
「早めに生活保護制度に入ってもらって、早めに支援したほうが自立支援は有効に機能します。生活保護受給者を排除するよりも、丁寧で重厚な支援を導入した方が、生活保護からの脱却にも有効です。これまではそういった納税者に転換するべき人たちが、機会を与えてもらえなかったといえます。」(157)
支援の前に財源のことを考えろ、云々というとても真っ当なように見えて凡庸な論理ではねられてしまうのは、社会福祉も教育行政も似通っている。お金周りをよくするセクターや企業への投資も大事だけれども、身体の自由が効かなくなった時にそれでも回復し就労出来るだけの「生活上の弾力」を、全ての人間に与えることこそが、そう遠くない将来の日本の基礎体力を少しでもまともなものにするはず。
そうした事態の認識が広がっていかないようでは、「将来世代によい日本を」という先行世代の言葉は勿論、「何とか生きて行ける国を」という私たちの世代の言葉すらも、恐ろしいほどに空しい。 -
タイトルにあらわれている本気に惹かれて購入。
一般に流布している、生活保護についての誤った認識をただすのにうってつけの本。広く読まれるべきだと思うし、著者のような活動は応援していきたい。
個人的には、ロールズが言う「無知のヴェール」みたいなものとは別の仕方での公共性、倫理を模索したい。というのも、ロールズの議論は結局、「まわりまわってあなた自身のためなんですよ」という、自己保身のための想像力への訴えかけに過ぎず、真に他者のための倫理とは異なっていると思うから。
以下メモ。
生活保護受給者の自殺率は通常の二倍超。金やモノを渡すだけではダメ。対人的な援助が不可欠。
生活保護はあくまで、最低生活費に対する不足分のみ。
諸外国と比較すると、日本における、最低生活費に満たない収入で生活している人たちの受給率は極めて低い。「漏給」率80パーセント。
日本の生活保護の対GDP比は0.6パーセント。アメリカの半分。イギリスの8分の1以下。
「不正受給」としてカウントされるうちのほとんどは行政側の説明不足・怠慢によるもの。
医療の「不正受給」は医療機関側に問題。 -
孤立死
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とても良いソーシャルワークの入門書。具体例を用いてわかりやすく実態を伝えているし、全体をソーシャルワークの価値が貫いている。新米社会福祉士としても大切なことを再確認できたなあと。
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著者の活動報告本
そうさ、もちろんそうさ、弱い者を守ってやれるのが良い社会さ。
だけど、その財源はどうするんだい?
どこを削る?税率あげる?
法人税率を下げろ。増やしたら日本から出て行くぞ企業はいう
消費税あげるなと市民はいう
老人のための費用をもっとよこせと老人はいう
保育所をなんとかしてくれと若者はいう
自衛隊の費用も減らせない
さぁ、どこからお金を持ってこようかね
やっと手にした給与から税率が上がりしぼりとられ、手取りが減り、
こんなことなら、あの人達のように、病気にでもなって、仕事ができなくなれば、何もしないでお金がもらえる、そのほうがいじゃないか。そう思う人たちの気持ちもわかるんだよな・・