- Amazon.co.jp ・本 (64ページ)
- / ISBN・EAN: 9784907474003
作品紹介・あらすじ
青のない国で静かに暮らす男。人と話すより花と話す方が好きだ。
ある日、山で見たこともない植物を見つけて、評判になる。
ところが…。男が最後にとった行動とは?
全国学校図書館協議会選定図書(中・高校生向け)。大人向け絵本としても人気です。
感想・レビュー・書評
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大人向け絵本。
人と話すより花と話すほうが好きな男が、山の中で見たこともない植物を見つけた。大切に持ち帰り、大切に育てる。やがて言い表せない色をつけた息をのむほど美しい花が咲いた。…
他人の決めた価値観ほど、不安定なものはない。自分が美しいと感じたものが美しい。
読み終わったあと、深く心に残る作品。とてもいい。
『小さい書房』さん、これから追ってみようかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
こういう比喩はあんまり好きじゃない。
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大人向けの絵本です。
「青色」は神話上の神々の色とされ、神がいなくなった時から地上からも姿を消した色。主人公はたまたまその幻の「青色」の花を見つけるところから物語はスタートです。
青か青ではないか。そんなことはどうでもいいこと。モノの価値は自分が決めることであって他人の価値観ではない。たとえ嘘であっても人を幸せにすることもある。
実際には何が本当かわからないこともある世の中で、自分の価値観を持って生きることの大切さを感じました。 -
山のふもとの小さな町にひとりで暮らす男。
人と話すより花が好き。休みの日は山で鳥の声を聞き、木漏れ日の中を歩く。
ある日、男は山道で見慣れない植物をみつけて、持ち帰る。図鑑で探しても見つからないその植物が見たこともない美しい色の花をつけた。
青が広がっていく毎にページにも青が増えていく。
青、私にとっての青ってなんだろう。
今の生活での青って?
読後にふと周りを見回してしまう。
「伝説の青であるかはもはや問題ではなかった」 -
青のない国で男が見つけた見たこともない花。
これは「青い花」なのではないかと大騒ぎになるが…。
本自体がモノクロームと青のみで構成されています。
青のない世界に青が表れて、男の気持ちや状況に合わせて画面全体の色の構成が鮮やかに変わっていくのはとてもよくできていると思いました。男は、真偽ではなく、自分にできることを、自分の思うことをすることに決めるのですが、それはなかなか普段行うには難しいことだなと思うのです。