二番目の悪者

  • 小さい書房
4.08
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  • Amazon.co.jp ・本 (64ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784907474010

作品紹介・あらすじ

金色のたてがみを持つ金ライオンは、一国の王になりたかった。
自分こそが王にふさわしいと思っていた。
ところが、街はずれに住む優しい銀のライオンが
「次の王様候補」と噂に聞く。
ある日、金のライオンはとんでもないことを始めた-―。
登場するのは動物ばかり。人間はひとりも出てきません。
けれど1ページ目はこの言葉から始まります。
「これが全て作り話だと言い切れるだろうか」

感想・レビュー・書評

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  • 冒頭の一文
    「これが全て作り話だと言い切れるだろうか?」

    大人向けでもある…童話。
    風刺が効いているなと感じて
    読み終わって
    絵も、良くてストレートに心に響いた…

    「嘘は向こうから巧妙にやってくるが、真実は自ら探し求めなければ見つけられない」
    「誰かにとって都合の良い嘘が世界を変えてしまうことさえある。だからこそ何度でも確かめよう」
    という【雲の呟き】が心に刺さった。

    読み終わり、気になっていたタイトルの
    【二番目の悪者】ってそういう意味か……と納得した。

    人の噂話、悪口、SNS、ネット情報等々…の不確かなものに振り回されてしまうことも多い時代でもある。私も肝に銘じよう!

    林木林さん/作
    庄野ナホコさん/絵

  •  林木林さんの作品。この作品は前からから読みたいと思っていたけれど、さぁ~今日は借りよう!と意気込んで図書館に行くと貸し出し中…でも、貸し出し中が多いわけが読んでみてわかった、すごく考えさせる作品でした。

     金色のたてがみを持つ金のライオンは王になりたいがために、銀色のたてがみを持つ心優しい銀のライオンのでっちあげの悪評を立てる…。その悪評は真実かのように、広まったしまったことによって、金のライオンが王の座につくことになるが…。

     「二番目の悪者」が金のライオンなら、「一番目の悪者」は…?真実を確かめることを厭わず、むしろ何度でも確かめて、自ら考えて行動することの大切さ…この作品から感じ得ました。この作品って、学校教育や社員教育の場でも用いられているんですって…納得です。絵本だけれど、深い…!!名作です。

    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      かなさん、ごめんなさい、遅い時間になっちゃったですね。ゴメンナサイ

      この本。
      なるほど〜。
      学校教育や社員教育の場でも用いられるんですね...
      かなさん、ごめんなさい、遅い時間になっちゃったですね。ゴメンナサイ

      この本。
      なるほど〜。
      学校教育や社員教育の場でも用いられるんですね…。
      絵本だけれど…考えさせられますよね…

      林木林さん良いですよね。
      庄野ナホコさんの絵もとってもインパクトあって、この作品に合ってますね〜!
      2023/08/28
    • かなさん
      チーニャさん、おはようございます(^^)

      チーニャさんの本棚にもあったこの作品
      読めてすごくよかったです!
      ありがとうございます!...
      チーニャさん、おはようございます(^^)

      チーニャさんの本棚にもあったこの作品
      読めてすごくよかったです!
      ありがとうございます!!

      ただ読み聞かせるだけじゃなく
      色んな事に気づかせてくれるこの作品、
      スゴイと思います。
      林木林さんのストーリーもいいし
      庄野ナホコさんの絵も、この作品にぴったりで
      私の本棚にお迎えできて嬉しいです(*'▽')
      2023/08/28
  • この絵本は、何度でも読んでしまう。
    読み聞かせにもとても良いと思う。

    赤い表紙に金色のたてがみのライオン。
    下部には、考えない、行動しない、という罪。ということばがある。
    それがすべてを物語っている。

    みごとな金色のたてがみを持つライオンが、「金のたてがみで生まれた私こそ、天に選ばれし者なのだ」と金色の服に身を包み街を歩き、次の王様になる資格があると考えていた。

    だが、街ではやさしくて働きものの銀のたてがみを持つライオンに人気があった。
    次のライオンになるべく、動物たちに悪い噂をふきこむ金のライオン。
    最初は誰も信じなかったが、ぽつりぽつりと話題に上がり、やがてじわじわと広がる噂。
    それは、街だけではなく遠いところまで膨れ上がり、いくつかの尾ひれをつけて、一人歩きし始めた。

    銀のライオンは、何も言わなかった。

    「嘘は、向こうから巧妙にやってくるが、真実は、自らさがし求めなければ見つけられない」
    雲の呟きは流れていった。

    新しい王が金のライオンとなり、好き勝手に国を治めた。
    民衆は、仕事も家も土地も、生きる希望もなくし、国は荒れ果ててしまう。
    荒れ果てた大地には、もう誰の姿もなかった。

    「誰かにとっての都合のよい嘘が世界を変えてしまうことさえある。だからこそ、なんどでもたしかめよう。あの高くそびえる山は、本当に山なのか。
    この川は、まちがった方向へ流れていないか。
    皆が歩いて行く道の果てには、何が待っているのか」

    考えさせられることの多い絵本。

    自分の目で確かめて行動することの大切さがわかる。
    すべてを失ってからわかる大切なこと。

  • これが全て作り話だと
    言い切れるだろうか?


    まず、目に入るこの文章から、おそらく、今の世の中に対する不安があるから、書いてるのだろうなと思っていたら、案の定であった。


    嘘は、向こうから巧妙にやってくるが、
    真実は、自らさがし求めなければ見つけられない


    物語を読むと、明らかに、金のライオンが一番悪いと思うことで、タイトルの意味合いが推測できそうだが、そもそも、悪さに順番なんてあるのか?

    悪いことをした時点で、心に手錠をかけられているようなものだと、私は思うし、周りが指摘する以前に、それをした時点で、自分の生き様をどう捉えているのか、もう、それに尽きるのではないのか。

    それでも恥ずかしくないのなら、好きにすればいいと言いたいが、それだけの問題ではなく、それを悪いことだと認識していないことと、表紙に書いてある通り、何でもかんでも鵜呑みにし、『考えない、行動しない、という罪』が、将来的に最も恐ろしいものであることを、本書では思い知らせてくれる。

  • 自分の立身出世のために冤罪を作る。現実の大川原化工機冤罪事件と重なる。

  • 絵が綺麗。
    こういう内容だとは知らなかった。
    幼児向けではない。
    中学生以上かな。

    意外にも内容は現代のネット社会に対する示唆を含んでいて、もちろん良かった。
    私はリツイートだ拡散だのには無縁の生活を送っていて、そういうものを見ることもないのだが。

  • 自身の行動を省みるきっかけに 「二番目の悪者」作・林木木、絵・庄野ナホコ<司書の推し本>4 - 琉球新報デジタル|沖縄のニュース速報・情報サイト
    https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1616320.html

    二番目の悪者 | 福分堂 教職ネットマガジン
    https://bit.ly/3gahAmd

    林木林さんの絵本「二番目の悪者」 悪い噂に飛びつく人々、あなたは誰の言葉を信じる? |好書好日
    https://book.asahi.com/article/14477290

    絵本作家 林木林さん 絵本作家インタビュー(前編)|mi:te[ミーテ]
    https://mi-te.kumon.ne.jp/contents/article/12-212/

    大型判 二番目の悪者 | 小さい書房
    https://chiisaishobo.com/nibanmenowarumono-l/

  • 見開きに
    「これがすべて作り話だと言い切れるだろうかー」
    とある

    絵本だと思い気楽に開いたその見開きにあった

    そして背筋が凍った
    この灰色の動物、私?と

    聞いた話しをただ伝えたかっただけ
    でも

    ラストはあまりに……

    ≪ その噂 自分の目で 確かめた? ≫

  • 児童書って、意外と大人が忘れかけてる大切な事が書かれてる事が多くてハッとさせられる。

    こういう事って日常的によくある事だよな〜
    噂も大きくなるとおひれがついてどんどん捻じ曲がっていく。
    これで誰かが排除されてしまうと思うと怖い。
    自分の見たことしか信じない強い人間になりたいな。

    何を言われても釈明もせず自分らしく過ごす銀のライオンがかっこ良かった。

  • 銀色のライオンがいました
    美しく力があり、経済力もありました

    ある日、次の王さまをみんなで選ぶとき、金のライオンは自分こそはと考えました

    しかし、皆が推薦する素晴らしい人柄の銀色のライオンがいました

    金のライオンは銀色のライオンをおとしめる噂を流しはじめました

    ○噂を確かめずに信じた動物たちは…
    金色のライオンだけが、悪かったのでしょうか
    振り返って私たちは…

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著者プロフィール

詩人、絵本作家、作詞家、翻訳家。言葉遊びの分野でも活躍中。
詩集に『植星鉢』(土曜美術社)、絵本に『おおきなけやき』(鈴木出版)、
『ひだまり』(光村教育図書/産経児童出版文化賞産経新聞社賞)、
『みどりのほし』(童心社/児童ペン賞絵本賞)、
翻訳絵本に『でんごんでーす』(講談社)などがある。

「2022年 『まるがいいっ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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