おおかみのこがはしってきて (北の大地の物語)

著者 :
  • ロクリン社
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本棚登録 : 76
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784907542665

作品紹介・あらすじ

「ねえ、どうして?」
男の子がお父さんに聞きました。
アイヌの深い知恵に学ぶ命の物語。


アイヌに伝わる早口言葉を元に描かれた物語です。
親と子の対話を通じて、知恵の神髄に近づいていきます。
ストーリーは軽やかにテンポ良く、ユニークな飛躍を繰り返していき、
独特の面白みを醸し出しています。


【本書あとがきより】
アイヌの人々は、北の大地の先住民。はるかな昔から、大自然のふところで、豊かな暮らしを営んできた人々です。それは、大地から奪うのではなく、大地の恵み、それをもたらしてくれるカムイ(アイヌにとっての神)に 心から感謝する暮らし。人々が捕る鮭や鹿はカムイが遣わしてくれたもの、人々が捕る熊は客となって来てくれたカムイ自身と考え、心から感謝を捧げてきたのです。彼らは、一本の木を切り倒す時でさえ、深い祈りを捧げてきました。そんな人々の心の中には、とても豊かな、まるで天に輝くきら星のような物語の世界がありました。それは、北の大地からの贈り物。21世紀の今日、あまりにも多くの問題を抱えこみ、道に迷っているわたしたちへの、すばらしい贈り物なのです。(寮美千子)

感想・レビュー・書評

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  • 北の大地らしい言い伝え。
    最後にオチがあってよい

  • 息子8歳6か月
    息子が喜びそうな本を図書館から借りてきて読み聞かせ…最近は息子が一人で読みます。作品によってはボリュームたっぷりでも読む。母はサミシイ。

    〈親〉
    絵が好き ◯
    内容が好き ◯

    〈子〉
    読んだ◯
    何度も読む(お気に入り)
    その他

    「えらい」という言葉の意味。
    アイヌの言葉を訳して「えらい」としているが、直訳すると「霊力や巫力が強い」という意味なのだそうです。

    本文を読んでいる間はこの「えらい」を文字通りとっていたため、地上でなにが一番えらいのか、という内容かと思っていましたが、そういう話ではないようです。
    あとがきまでしっかり読まなければ。

  • 子どもの「ねえ どうして」に答えてくれるお父さん。
    アイヌの人たちに伝わる早口言葉をもとにつくられた絵本とのことです。
    よかったです。

    最後にお父さんが
    つるんところぶところも(笑)

  • 「「ねえ、どうして?」
    男の子がお父さんに聞きました。
    アイヌの深い知恵に学ぶ命の物語。

    アイヌに伝わる早口言葉を元に描かれた物語です。
    親と子の対話を通じて、知恵の神髄に近づいていきます。
    ストーリーは軽やかにテンポ良く、ユニークな飛躍を繰り返していき、
    独特の面白みを醸し出しています。」


    【本書あとがきより】
    「アイヌの人々は、北の大地の先住民。はるかな昔から、大自然のふところで、豊かな暮らしを営んできた人々です。それは、大地から奪うのではなく、大地の恵み、それをもたらしてくれるカムイ(アイヌにとっての神)に 心から感謝する暮らし。人々が捕る鮭や鹿はカムイが遣わしてくれたもの、人々が捕る熊は客となって来てくれたカムイ自身と考え、心から感謝を捧げてきたのです。彼らは、一本の木を切り倒す時でさえ、深い祈りを捧げてきました。そんな人々の心の中には、とても豊かな、まるで天に輝くきら星のような物語の世界がありました。それは、北の大地からの贈り物。21世紀の今日、あまりにも多くの問題を抱えこみ、道に迷っているわたしたちへの、すばらしい贈り物なのです。」(寮美千子)

  • それはにんげんがえらいからだよ。やまのきよりちょっとだけ。
    ほかはみんなずーっとえらいのに、にんげんだけはちょっとだけ。
    えらいはつよいとちがう。
    アイヌのえらいは強さだけとは違う、その人を護るカムイの力が強いからだと、
    こういう何よりも何が強い、という話はよくあるのだけれど、つよさの話とちょっと違う、考えさせられる。

  • 年が明けてからアイヌの語りを聞いたり、文化に触れたりと接点が多い。今年はアイヌ文化を少し身近に感じる年なのかな。
    本文を読み終えた時は、人間がえらいという言葉にひっかかりを覚えていたんだけど、あとがきを読んでから、これは大袈裟で自意識過剰から生まれた言葉ではないと知る。

    だからこそ、なのかもしれない。
    だからこそ、「生きる」を吟味する。
    アイヌは語り継がれる物語だから。

  • アイヌに伝わる早口言葉をもとにした絵本。氷ですべったおおかみの子を見て、こどもがおとうさんに聞きます。「ねえ、どうしてころんだの?」「それはね、氷がえらいからだよ」「でも氷はとけちゃうよ」 子どもとおとうさんの問答の最後、いちばんえらいのは…。
    アイヌの豊かな世界観が描かれた絵本。でも、なんだかユーモラスで楽しいのです。

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著者プロフィール

東京生まれ。
2005年、泉鏡花文学賞受賞を機に、翌年奈良に転居。
2007年より、奈良少年刑務所で「物語の教室」を担当。その成果を『空が青いから白をえらんだのです』(新潮文庫)と、続編『世界はもっと美しくなる 奈良少年刑務所詩集』(ロクリン社)として上梓。
『あふれでたのはやさしさだった 奈良少年刑務所 絵本と詩の教室』(小社刊)ほか著書多数。

「2021年 『なっちゃんの花園』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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