ソウル25区=東京23区: 似ている区を擬えることで土地柄を徹底的に理解する

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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784908468476

作品紹介・あらすじ

既視感溢れる並行都市
ガイドブックが絶対に扱わない
住宅街・ベッドタウン・下町・スラム街・外国人街・工場地帯の
雰囲気や特徴が掴め、韓流・K-POP理解が深まる!

人口・面積だけでなく区数までも拮抗するライバル都市
よく「明洞=渋谷」「梨泰院=六本木」と例えられるが
ソウルの江東区は葛飾区に似ており、
東京の江東区はソウルの広津区に似ているのだった!

鍾路区=千代田区 官公庁や新聞社、金融機関など国の主要機関が揃う名実共に国の中枢
龍山区=港区 梨泰院や大使館が並ぶ漢南洞、在韓米軍基地などソウル一の国際区
麻浦区=品川区 絶景の漢江の川港、若者の街弘大やテレビ局が集まる近未来的な街も
ソウルにあるものを東京に擬える 2号線=山手線、延世大=慶應大学、NHK=KBSなど
近郊都市を擬える 議政府市=横須賀市、富川市=川崎市、水原市=さいたま市など 
ソウルと東京を競わせる ソウルタワーVS東京タワー、63ビルディングVSサンシャイン60など
などの珍コラム・巻頭カラー80ページ・詳細な地図など盛り沢山の地理アナロジー読本!

感想・レビュー・書評

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  • 観光ガイドブックに沿った街歩きはしたくない。よってずっとノープランで歩いてきた。発見は至るところにある。流石にもはや無闇矢鱈に歩くのは、効率が悪いのではと思い、本書を紐解いた。

    ともかくソウル25区すべてを平等に解説している。本書の意図は、それと東京の似ている区と比較することなのだけど、それは無視した。浅く広く紹介しているので、アンテナにピンときたところだけピックアップして、今度行くときの候補地にしようと思う。ただ、期待したほどには面白い場所の提供はなくて、どんな人々が住んでいるのかという情報が多かった。

    ◯鐘路(チョンノ)区
    ・マロニエ公園、ストリートパフォーマンスがあり、そこから駱山(ナクサン)公園まで歩ける(此処は「マイディアミスター」のロケ地。最寄り駅恵化駅)。南に降りたら梨花(イファ)洞壁画村がある。
    ◯中区(チュング)
    ・ソウル旧駅舎は東京駅そっくり。辰野金吾の弟子・塚本靖とドイツ人ゲオルグ・デ・ラランデにより設計。現在「文化駅ソウル284」として複合文化空間に。
    ◯龍山(ヨンサン)区
    ・新龍山駅の漢江寄りにBTS所属のBIGヒットエンターテイメント新社屋あり。裏道に「マイディアミスター」ロケ地あり。
    ・三角地駅近くの龍山米軍基地が返還中(2019年決定)。徐々に一般公開。戦争記念館もここにある。テグタン通り(タラ鍋)もある。
    ・梨大院(イテオン)裏通りにウサダン通り。イスラムモスクのソウル中央聖院。
    ・二村駅周辺は日本人街。北側には国立中央博物館、国立ハングル博物館。
    ・ファミリーマートはCUに名称変更。
    ・文具・雑貨屋としてはARTBOX、ダイソー(日本と資本関係無し)。ピエロショッピングは日本のドンキホーテ。
    ◯城東区(ソンドング)
    ・聖水駅から漢江に向かって南に歩くと、中小の製靴工場街がある。倉庫などが若手アーティストによりリノベされてカフェやレストランに生まれ変わるなどしている。
    ◯東大門(トンデモン)区
    ・ソウル市立大学は前市長の政策で授業料が年間20万円台の破格値になった。大学博物館あり。
    ・回基(キフェ)駅から徒歩10分の慶煕(キョンヒ)大学。博物館あり。学生食堂多数。
    ◯西大門区
    ・新村に「カケハシ」日韓交流カフェあり。
    ◯松坡区(ソンパグ)
    オリンピック公園内の夢村土城は三国時代の都城。水濠の周りの丘。公園内には漢城百済博物館あり。区の北部、新川洞、石村洞、芳夷洞には古墳があった。
    ◯江東(カンドン)区
    ・千戸駅近くに千戸市場、千戸洞ロデオ通り内には城内洞チュクミ(イイダコの辛いため)通り、江東駅近くにカンブル漫画通りがある。
    ・岩寺(アムサ)洞駅徒歩15分、岩寺洞先史住居跡遺跡公園(BC40〜旧石器時代から青銅器時代)。公園内にはキタリスに似た野生のチョンソルモという小動物が元気に走り回っているらしい。


    • なおなおさん
      BTSが登った山は、アチャサン(峨嵯山)だそうです。
      BTSが登った山は、アチャサン(峨嵯山)だそうです。
      2023/11/08
    • kuma0504さん
      それって眺めたのはソウルの街じゃなく、ソウルよりかなり南にある普通の街の夜景のようです。
      それって眺めたのはソウルの街じゃなく、ソウルよりかなり南にある普通の街の夜景のようです。
      2023/11/09
    • なおなおさん
      くまさん、そうなんですね。
      先程Google Earthで出かけてみました。街が一望できていいなと、もしソウルに行くことがあったら行ってみた...
      くまさん、そうなんですね。
      先程Google Earthで出かけてみました。街が一望できていいなと、もしソウルに行くことがあったら行ってみたいと思いました。
      2023/11/09
  • ソウル25区=東京23区、それぞれの区の特徴を照らし合わせて土地柄を理解する試み。ソウルを隅々まで知らないものにとってはディープ過ぎる内容。

  •  ソウルの各25区を東京の23区になぞらえて説明。やや強引なこじつけかと思う部分もなくはないが、理解は深まる。都市計画からの成り立ちの解説でもあればと思ったが、そういう学術的な本ではない。
     龍山区=港区、という区レベルでも、北村韓屋村=麹町・番町のお屋敷街、という街レベルでもなるほどと思う。ソウルで観光地がない区には行ったことがなくイメージが湧きにくいが、大都市である以上、東京と同様にニュータウンも工場街もあるのは当然か。またソウル大が、所得額の低さやかつてのスラム街から足立区にたとえられている冠岳区にあるのが意外だった。

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著者プロフィール

1986年東京都新宿区生まれ、東久留米市出身。ライター・メディア制作業。法政大学社会学部メディア社会学科卒。20代のときにソウル市東大門区に1年8か月滞在、韓国総17の第一級行政区域と約100市郡を踏破。2012年韓国文化雑誌『スッカラ』でデビュー、2018年に『散歩の達人』東京コリアンタウン特集を執筆するなど、韓国文化やグルメ、街歩きが主なテーマ。インターネット上では「トム・ハングル」の名で韓国情報を伝えている。

「2021年 『ソウル25区=東京23区』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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