- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784909237576
作品紹介・あらすじ
「私がこの本を書いているのはこうした背景においてである。構成主義とその批判者の間で何が問題となっているのかを明らかにすること、そしてこれらの問題が埋め込まれている領域を位置付けることが私の目的である。私は網羅的であることを目指しておらず、学術文献に表明されたすべての見解や、主張されたすべての議論を精査するつもりはない。むしろ私は、知識についての構成主義がとても興味深い仕方で帰着するであろう(と私が考える)三つのテーゼをそれぞれ独立に取り出してみようと思う。続いてこれらのテーゼがどれほどもっともらしいのかについての評価を試みる。
第一のテーゼは真理についての構成主義である。第二のテーゼは正当化についての構成主義である。
そして最後、第三のテーゼはなぜわたしたちは自分の信じていることを信じているのかを説明する際に社会的要因が果たす役割に関係している。
これらのテーゼのそれぞれが重要かつ複雑な哲学上の歴史をもっているために、それらが真であるか偽であるかの確定的な評価をこの短い本に期待するのは無理があるだろう。とはいえ、それぞれのテーゼがとても強力な反論にさらされていることを示してみようと思う。そしてその反論は、なぜ現代の分析哲学者がこれらのテーゼを拒否し続けているのかを説明するのに役立つだろう。」(第一章「はじめに」より)
感想・レビュー・書評
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【書評】【知への恐れ】「客観的な真理に向かって――相対主義/構築主義について論じる上での必読書」(評者:⼭名諒)|堀之内出版ブログ(公式)|note
https://note.com/horipub/n/na2d7427d2acb
知への恐れ―相対主義と構築主義に抗して(ポール・ボゴシアン 著) | 堀之内出版ウェブストア
https://info1103.stores.jp/items/5ff66df0f0b10814c9925ccc詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
さすがに分析哲学の重鎮なだけあって、構築主義を支えうるテーゼを取り出したり、それから帰結する事柄を整理したりといった作業は非常に洗練されていて、しょうもない構築主義の二番煎じみたいなことを言ってくるやつに対する、いわば闇の魔術の防衛術を磨いておくためにはこれ1冊で十分といったぐあい。まあグッドマンやローティ、それからあんまり触れてはないけどハッキングとかについて、彼の評価が当てになるかというとどうなんだろうね、という感じではあるから、そっちはちゃんと自分で読んでみないといかん、という留保がつけられれば勉強になるとは思う。
ガブリエルの解説はファンだけ読んどきゃいいです。 -
ポストモダンの相対主義・構築主義に対し論理的矛盾や誤謬
を解き、マルクス・ガブリエルに「新実在論の幕開け」と
言わしめた歴史的と言ってもいい著作。相対主義・構築主義
に対し、言わば解毒作用とでもいうような働きをなそうと
いう著作ではあるが、読んだ印象としてはあくまでも解毒薬
ではなく処方箋といった感じ。これをもとに銘々各自で考え
ねばならない、そういう本なのではないか、そう思った。
決して難しくはないが、余計なものを削ぎ落とした感の強い
内容は熟読を要すかと。