貧困理論入門

著者 :
  • 堀之内出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909237651

作品紹介・あらすじ

日本で貧困問題が「再発見」されてから約20年。その状況は改善されるどころか、ますます深刻さを増している。
私たちはどのように貧困問題を乗り越えていくべきであろうか?

それを考えるためにも、そもそも「貧困」とは何か、というところから問い直してみよう。
ブース、ラウントリーの貧困調査からはじまり、べヴァリッジ、タウンゼントによる相対的貧困理論、EUの社会的排除理論へと発展してきた近代の「貧困概念」を追いながら、貧困対策の理論的核となる原理を探る。

貧困研究期待の若手による、理論的に「貧困」を捉え、未来社会を構想する渾身の入門書。

感想・レビュー・書評

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  • <書評>『貧困理論入門』 「自由の欠如」克服には - 琉球新報デジタル|沖縄のニュース速報・情報サイト
    https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1577482.html

    貧困理論入門――連帯による自由の平等(志賀信夫 著) | 堀之内出版ウェブストア
    https://info1103.stores.jp/items/626370b7b2f3651220450789

  • [第1章] 「貧困」とは何か――諸概念の整理
      貧困理解の前提となることばの整理
      貧困概念とは「貧困の意味内容」のこと
      貧困の定義とは「貧困と非貧困の区別・境界」を言語化したもの
      貧困の測定とは「貧困の広がりと深刻さの計量」
      「格差」「不平等」「貧困」の概念的区別
      階層論と階級論
      貧困概念は人びとの要求によって拡大してきた
      貧困理論の学説史に関する概要説明

    [第2章] 絶対的貧困理論
      ブースの貧困調査と貧困の捉え方
      ブースの調査研究にひそむ「分断と統治の論理」
      ラウントリーの貧困研究と貧困調査
      「絶対的貧困」の概念
      ブースとラウントリーの相違点の整理
      「絶対的貧困」から考える現代日本の生活保護

    [第3章] 相対的貧困理論
      相対的貧困理論の考え方
      相対的剝奪概念から定義づけられる貧困
      ベヴァリッジ体制の成熟とタウンゼントの貧困理論
      タウンゼントの貧困理論
      「普通の生活」と「社会参加」
      タウンゼントの貧困理論と現在
      「相対的剝奪」と「相対的貧困」に関する補足説明

    [第4章] 社会的排除理論
      社会的排除とは
      EUの社会政策と「社会的排除/社会的包摂」
      「社会的排除」概念が一般化した社会背景
      「自由」と「自己決定型社会参加」
      「自己決定」を可能にする「自由」
      「自由」の実質的広がりを規定する三つの要素
      自由獲得の歴史
      自由拡大の担い手
      「権利の擁護」と「権利の保障」

    [第5章] 「自由の欠如」と現代日本の貧困問題
      本章の目的
      自由の平等と幸福
      貧困と差別、および貧困者への差別
      権利の有用性および有効性と自己決定の限界性に関する検討
      「子どもの貧困」問題
      「経済的投資アプローチ」と「Well-beingアプローチ」
      普遍主義と脱商品化
      社会的包摂と社会参加

    [第6章] 階層論的貧困理論と階級論的貧困理論
      「あってはならない生活状態」再考
      階級論的(資本‐賃労働関係)視点の必要性
      失業者対策と相対的過剰人口対策
      日本の労働者階級と階級意識の喪失という問題
      無所有に対する抵抗

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50291119

  • 東2法経図・6F開架:368.2A/Sh27h//K

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著者プロフィール

志賀信夫 しが・のぶお
宮崎県日向市出身、県立広島大学保健福祉学部准教授。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了、博士(社会学)。専門は、貧困問題、社会政策。
個人的経験から貧困問題に関心を持ち始め、貧困研究をはじめる。2017年に安里と出会い意気投合し、沖縄の問題に強い関心を持ちはじめ、社会的排除理論を通して考え、本書の執筆に至った。
主な著書:『貧困理論入門』(単著、2022年、堀之内出版)、『貧困理論の再検討―相対的貧困から社会的排除へ』(単著、2016年、法律文化社)など。

「2022年 『なぜ基地と貧困は沖縄に集中するのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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