大人の教養としての アート入門 (スマート新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (96ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909546036

感想・レビュー・書評

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  • 本書は非常にシンプルに絵画、美術について学ぶことができます。
    芸術とは奥がとても深いので、その気になれば数百ページではとても語りきれないかと思います。
    しかし、この本は芸術の本当に大切な部分だけをピックアップし、短時間で十分に芸術を理解できます。

    本書を読むだけではまだまだ芸術の入り口に立ったくらいでしょうが、入り口にすら立ててなかった私に大きな一歩を踏み出すきっかけを与えてくれました。

  • 思ってたよりも自分の知りたかった内容と方向性が違っていたので評価は低めだが、読んで良かったと思える内容であった。
    簡単に印象派とは?誰が書いたのか?どんな思想で描かれたのか?が
    分かるないようであったのでアートに興味を持つきっかけにはなったと思う。
    ただ、求めていた芸術の楽しむ為の着眼点や思考を学ぶことはあまりできなかったのでまた別の本で学ぼうと思う。

  •  スマート新書というレーベルだから、新書版かと思っていました。
     某マーケットプレイスで注文して届いたのを見ると、新書版どころか文庫本より小さくて薄い小冊子でした。
     100円ショップで売ってる100円本よりまだ薄い、無料の小冊子のような体裁。
     しかし山椒は小粒でピリリと辛い。
     内容的にはしっかりしたものでした。
     西洋絵画と日本画の流れをザッと概説。
     西洋絵画は印象派を中心としてピカソまで。
     日本画は葛飾北斎が中心。

     
     著者によると、印象派の画家は
    「穏やかで優しい画風の人気者」
    「みなそういう雰囲気を湛えています。人柄としても、穏健で善良なタイプが多かったようですよ」
    ということです。
     芸術家は気難しいというイメージがありますが、印象派は例外的なんですね。
     本書と並行して現代アートの解説書を読んでいたのですが、現代アートの作家は性格が苛烈な方が多いようです。
     芸術の知識がない人の最初の一冊として本書は最適でしょう。
     ただ、価格設定は強気ですね。

     
     本書の成立過程に興味があります。
     本書の巻末に「FROGGY」「cakes」で連載した記事に加筆修正したもの、という記述があります。
     コンテンツ力があれば文章を有料で販売することもできる時代だということなのです。
     ネットで読める文章をわざわざ本にして需要があるのか、採算が取れるのかと興味深い事例です。
     まあ私などは画面で見るより本になっている方が読みやすいし便利だとは思います。
     ただ、価格設定は強気ですね。
     しかしこのスマート新書というレーベル、面白い試みだと思います。
       http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20181110/p1

  • ▶︎鋭利な西洋美術史入門
     ぜひ「アートに興味があるけど、何すればいいかわからない」という初心者に薦めたい。
     というのも、非常に鋭利な価値観で複雑な美術史がシンプルに整えられているから。
     その価値観とは写実性。それだけを取り出して西洋美術史に文脈を与えようと試みられている。
     ジョットが従来の型をベースとした絵画に「観察」という写実的手法を取り入れたことを始点とし、意味を剥奪された光そのものの快楽を描いた印象派を終点に位置付けまとめ上げる手際はお見事。
     印象派を押さえておけば西洋美術は分かったも同然という大胆な断言はある程度の説得力を得ているし、これが本書を際立たせている。
     アートはよくわからないけど印象派やモネは聞いたことあるという人がほとんどだろうから、そこに解説の重点がある本書はまさに格好の入門書である。

    ▶︎TODO : 日本美術は線を愉しむ
     西洋美術の解説も見事だったが、日本美術も葛飾北斎を到達点として語っており非常に明瞭。
     その中でも北斎は線の書き分けが傑出して上手く、それは筆で輪郭線を描くことが前提だった日本美術ならではだという指摘が面白い。
     確かに北斎の『神奈川沖浪裏』の波は太くうねるような線と、富士の均一でスッと硬い線の対比にドラマがあるし、仏教絵画は何が描かれているかより、それを象る優美な曲線が愉しいのだと分かった。
     個人的には日本美術にはあまり興味がわかなかったが、この線の書き分けを楽しむという観点を身につければ、世界が一気に広がりそうな予感がしている。
     

    p.s
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  • アートの基礎すらわからない私でも、アートの世界に対する位置付けや意味、歴史、有名作品を抑えることができた。
    どの派がそれまでとどう違ってどんな変化を歩んできたのか理解でき、今後美術館へ足を運び新たな視点で見ようと思った。
    葛飾北斎すげ〜!

  • 絵画の入門者として、おおまかなアートの流れと最低限の知識がつくいい本だった。
    今までに画家単体の本を読んではいたが流れがよく掴めていなかった。この本で点と点が結ばれるようにアートの流れがわかった。

    西洋美術だけではなく、西洋に影響を与え、中国から影響を与えられた日本美術についての記述があり、それがより一層アートへの理解を深めてくれる。
    アートにおいて「吸収力」と「応用力」は国に関わらず重要なことだ。

    まだ日本美術の知識が乏しいのでそろそろ学びたい。

  • 非常にわかりやすく読みやすい、そして中身も薄い本。コンパクトなので手っ取り早い復習にピッタリ。
    ピカソは「絵画そのものによって人の心を動かしたかったんじゃないでしょうか。」と言い切るところは鮮やか。

    薄くて浅い、と思っていたが、これだけ明快にポイントだけを押さえた解説書はそうそう無いと思う。その清々しさに高評価としたい。

  • 絵画を極限まで追求し、「光」に到達したのが印象派。それに大きく影響を与えたのが葛飾北斎。

  • Kindle Unlimited利用。

    西洋、日本絵画美術の歴史を、これ以上ない程単純化し、平易に書き表している。

    「美術知識や鑑賞体験はゼロだが、漠然とした興味はある層」に向けての本なので、情報は極力シンプルで、小難しい表現は一切なし。
    これらを物足りないと感じる層は、そもそも読者ターゲットから外れている。

    序章の「知識層ぶれる」といったような表現は鼻についたが、最終的に常設展の鑑賞を促す(しかも予め鑑賞の要点を示すことで、「何を観ればいいかよく分からなかった」となるのを防いでいる)向きは良いと思った。

  • Kindle unlimitedにて。ページ数が少ないのですぐに読めた。アートの歴史についてわかりやすく解説されているが、解説された絵の写真がもっと多いともっとわかりやすくなると思う。

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著者プロフィール

リアス・アーク美術館館長。美術家。1971年宮城県石巻市生まれ。常設展示「東日本大震災の記録と津波の災害史」を企画担当する。気仙沼市東日本大震災伝承検討会議委員、同遺構検討会議委員および遺構施設展示アドバイザー。気仙沼市復興祈念公園施設検討委員。2004年宮城県芸術選奨新人賞受賞(美術・彫刻)、2017年棚橋賞受賞(日本博物館協会)。

「2024年 『被災物 モノ語りは増殖する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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