菊地成孔の粋な夜電波 シーズン6-8 前口上とコントの爛熟期篇

  • キノブックス
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909689184

作品紹介・あらすじ

力道山刺されたる街、
港区は赤坂より帝都全域、そして世界へ。

番組よさらば! 書籍化第二弾、緊急刊行。
「神回」多数収録。台本&トーク・ベストセレクション102篇。セットリスト併録。

感想・レビュー・書評

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  • 菊地成孔がパーソナリティを務めた番組の書き起こし。これで2冊目。
     本著が発行される際にはすでに番組が終了することが確定しており前書き/あとがきにおいて番組終了することへの思いの丈を書きまくっていた。僕は当時あまりにもショックで打ち切られることを聞いてから番組を聞くことをやめたので菊地さんの気持ちを初めて今回事細かに知った。そして読めば読むほど、どうして終わったのか理解できない…
     タイトルどおり前口上とコントが中心になっていて一気に読むというよりも少しずつ楽しんだ。前口上は番組始まるときに菊地さんが読み上げる口上。シーズンごとにテーマソングがあり固定されたフレーズもあるんだけど徐々に表現が揺れていくところがあり飽きずに読める。毎週こんな言葉の羅列を思いつくためには一体どんなインプットをして、どのようにアウトプットしているのかとても気になる。パンチラインはそこかしこに忍んでいたのだけど、いくつか抜粋。

    ・優勝国? そんなものはどうだっていいじゃありませんか。いい気分になった奴が優勝です。
    ・まあ、ハリセンボンの肥ったほうの人風に言うと「検索してんじゃねえよ」、ということですね。
    ・世界一恥じらい深く、感情表出恐怖が強く、優しいが陰湿で気が弱い、つまりトップレベルのシャイネス国家に住む我々にとって、恥ずかしさは死闘を繰り広げるべき怪物となり、世界中のどの国の伝説とも違う、死闘の足跡を刻んでいくこととなった。その結果、いきなりキレる以外は、侘び寂び、そしてちゃっかりと呪いに満ちた、とても奇妙なひねくれ屋と毒舌家が世に満ちた。
    ・真のリラックスタイムというものは、音楽という、生きて動き回る建築、空中に溢れ出す絵画、最も抽象化された性の営み、の中にしか存在しない模様です。 21世紀になっても。恐らく 22世紀になっても。

    音楽紹介はほとんど無かったものの、ラストに「はじまりのうた」という大好きな映画のテーマソングである「Lost Stars」の紹介があり、それが映画への愛に満ちていてもう一度見たくなった。復活しないかなぁ、粋な夜電波。

  • 年内で終了するラジオ番組。趣向を凝らした前口上から音楽、映画、コント、フリースタイルまで2013年10月〜2014年3月まで代表的なトークを収録。印象的なトークの数々が蘇る。最終回までの書籍化を希望する。‬

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著者プロフィール

ジャズ・ミュージシャン/文筆業。

「2016年 『ロバート・グラスパーをきっかけに考える、“今ジャズ”の構造分析と批評(への批評)とディスクガイド(仮』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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