2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ

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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784910063133

感想・レビュー・書評

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  • 買い物・広告・エンタメ・教育・医療・金融・食料といった、様々な業界について、これから起こる未来について予測した本。
    いろいろな視点で書かれてあってかなり大ボリュームだった。3冊ぐらいの本を読んだ気分。
    大多数の人にはあてはまらないかもしれないけど、こういう生活をする人も中にはでてくるかもなと思える内容だった。
    SFで描かれた未来が現実になりつつあるという感じ(著者はそれを、「サイエンスファクト」と呼んでいるよう)。
    空飛ぶ車については、どれぐらい実用的になってきてるのだろう。日本では、2025年の大阪万博で実用化すると言ってるけど、はたして間に合うのかどうか。
    「収穫加速の法則」については、あてにするのは危険ではないかと思う。昔、EXILEが今のペースで増え続けると、数十年後には日本人男性全員がEXILEになるというネタがあったけど、そのネタを思い出す。この本にも書いてあるように、ムーアの法則もそろそろ限界なわけだし(もちろん、技術革新でどうにかなる可能性もある)。
    ちなみに、翻訳本で日本の話が書いてあると、「おっ!」となる自分。この本ではやけに、日本についての話も多かった印象。孫正義氏って、海外からも注目されてるのだろうか。

    ちょっと気になったのは、「ポケモンGo」について「任天堂の」と書かれてあること。任天堂じゃなくて、「ナイアンティック」、もしくは「株式会社ポケモン」だと思うんだけどなぁ。もちろん、関わりはあるけど。

    貧困国は赤道直下に多いから、太陽光発電に有利という話はなるほどと思った。電気が普及すれば、経済発展もできやすいだろうしね。もっと、太陽光発電の技術が発展していけばいいのだけど。

    シアーズという会社は知らなかったけど、通信販売で大きくなった、アメリカにはかかせない企業だったらしい。2018年に破綻したそうだけど、日本でもそろそろ、大手百貨店が破綻なんてことありそうな気がするなぁ(ある意味、ダイエーがそうか)。

    ウェブ3.0についても一部書かれてあったけど、最近よく聞くWeb3とはちょっと定義が違う印象。Web3といえばブロックチェーンによって実現する新しいWeb技術という印象だけど、この本で書かれたウェブ3.0についてはブロックチェーンの記載はなく、ARやIoTなどで現実と結びつける技術というのをさしているよう。まあ、こっちのほうがある意味、イメージしやすいし普及しそうな気はする。

    肺高血圧症について、かつては2000人だったが、今は4万人となっているというデータを、ポジティブなように書いてあるのが面白い。ようは、昔はすぐ死んでしまったから人数が少なかったけど、今は症状を抑える技術ができたから死ななくなって増えてるということらしい。将来的には完治できるようにまでなりたいとのことだけど、クリスパーといった遺伝子編集技術ができた今、確かに将来的には解決されそうだなと思った。
    うちの会社に、遺伝による頭痛持ちでよく体調不良で休む子がいるのだけど、そういうのも完治するようになるのだろうか。

    ラパマイシンというのは初めて知った。免疫抑制機能がある物質で、イースター島で発見されたらしい。この物質によって寿命が延びる可能性もあるようだし、名前を憶えておきたいと思った。

    食料については、屋内農場と培養肉が気になる。
    屋内農場は天候に影響されないだろうし、日本でももっと普及しないものかなと思ってるのだけど、どうなのだろう。
    培養肉については、本書を読んだ限り、まだまだ普及には時間がかかりそうな印象。将来的には、「家庭でできる培養肉キット」みたいなのができたらいいのだけど。
    そういや、ヴィーガンの人って、培養肉は食べるのだろうか。

    AIによって減るといわれていたパラリーガルは、むしろAIによって膨大な資料がでてくるようになったため、雇用数が増えてるのだとか。技術革新は、既存の雇用は減るかもしれないけど、新しい雇用は増えるというのは、その通りということなのだろうな。
    父から「昔はインターネットなんてないから、本屋や図書館に行って調べて大変だった」みたいな話を聞くと、「それで仕事がなりたつのか」なんて思ったりする。

    移民についてはイノベーションを加速させるとのこと。ダイバーシティといわれるしね。そもそも、遠い国までやってこれる人って、それだけで行動力もあるし、それなりに優秀な人な気もする。最近の日本だと、ウクライナ避難民を受け入れたりしてるけど、それが日本にとってもいい方向に進むといいなと思う。個人的には、ただでさえ少子高齢化で人口減少してるのだから、もうちょっと日本は移民の受け入れに積極的になっていいと思うのだけど。まあ、今の日本社会だと、外国人にとっては暮らしにくいか。

  • テクノロジーの進歩は思ったより速い。そして、そういうものを手にした以上、手放す事は出来ないものだ。
    時代に付いて行けないと言う人も多いが、怖がったり拒んだりするよりその可能性により前向きに取り組む方が余程良い。
    全てを肯定する必要はないが、現実と現状と未来とを自分なりに見定めて考えて行動していく事は大事だ。

  • 成長サイクル
    デジタル化 digitalization
    潜行 deception
    破壊 disruption
    非収益化 demonetization
    大衆化 democratization

    デジタル化され、
    まだテクノロジーが不十分な時期を乗り越え
    既存市場を破壊し、
    既存のサービスを無料化し、
    多くの人に手が出せるようにする


    テクノロジーで加速する
    時間の節約
    潤沢な資金
    非収益化
    天才の発掘のしやすさ
    潤沢なコミュニケーション
    新たなビジネスモデル
     クラウドエコノミー
      crowd
     フリー データエコノミー
      データと交換のタダサービス
     スマートネスエコノミー
      何かをスマートに
      closed エコノミー
      サーキュラーか 
     分散自律型組織
     多重世界モデル
      リアルとバーチャル
     トランスフォーメーションエコノミー
      経験を通じて自己変革を
    寿命が延びる

    五つの移動
     移民
     都市へ
     バーチャル
     宇宙
     ブレイン コンピュータ インターフェース

     

  • 「深呼吸して、目をそらすな。
     こちらの準備などお構いなしに、
     未来はもうそこまで来ているのだから。」

    今直面している問題やこれから確実に起こる問題に向けて、
    ここまで多くのテクノロジーや企業がもうすでに動き出し、
    さまざまな変化を生み始めているなんて、日本にいて
    さらにテレビしか見ないようでは絶対に知り得ない。
    なんて呑気に過ごしていたんだろうと目を覚まされた。

  • 未来を語ると言いつつ不安を煽る本が数多あるが、疾走感があって、近未来にドキドキできる本に出会えた。
    解説にもある通り「テクノロジーに関する各分野で、どのような地殻変動が起こっているかを俯瞰的に把握するのによい入門書」。ハイパーループも、量子コンピュータも、スマートオブジェクトも、垂直農業もBCIも知らなかったので、後から調べるためにメモメモ。


    印象に残った内容

    ・テクノロジーと他のテクノロジーが合わさった時、破壊力をもった変化が起こる
     →コンバージェンス(融合)

    ・なぜ人は未来を見通すのが苦手なのか
     →自らの未来を想うと内側前頭前皮質が不活性化
     →未来の自分自身は他人として扱う

    ・思考のタイムスパンを伸ばす
     昔 冬場を越せるか(半年)
     今 時間軸を伸ばす方法を発達させた
     →満足遅延耐性
      宗教が来世を約束することで現世の行動を制御
     →ただし、近年病的なまでに近視眼的になった

    ・通常の脳をベースとする個人意識から、クラウドベースのハイブマインド(集団意識)への移行
     →ブレインコンピュータインタフェース BCI

  • とても興味深く、面白かったです。聞いたことのない言葉も出てきたので調べながら読みました。いい勉強になりました。

  • カタカナだらけでなんだこれ読みづらいとビジネス書に対する偏見のもと読み始めた。
    実際カタカナは多かったし慣れるまで時間がかかったがそれを通り過ぎると興味深い事案ばかりだった。
    私は地球温暖化に対して懐疑的に感じているが世界がどう動いているのか、どう発展していっているのかを知ることは必要なことなのだと強く感じた。
    自分の思想とは否応なしに世界はその方向に進んでいくのにただ反対だからと目を背けることは自分の将来に対してもマイナスでしかないと感じられた。
    また、医療の分野、金融の分野などなど様々な観点から多角的に物事を捉えていた所も面白かった点だと思う。それぞれの分野に対する「興味」を抱かせてくれた、これはとても重要だと思う。
    語るとキリがないが今世界がどう動いているかを手っ取り早く知るにはこの本は最適だと私は感じた。

  • 『10年後に答え合わせするのが楽しみな未来になっていることを願って…』

    ■読了時間 4時間31分
    ■この本をオススメする人
     ・テクノロジーの進化がもたらす未来に興味のある方
    ■感想
     コンバージェンスによって世界のテクノロジーは加速度的に進化し、2030年には人々の暮らしがこんなに変わりますよ、という未来予測本です。この手の本は他にも何冊か読んでいますが、医療・金融・エンタメ・移動手段など扱うジャンルが広く、且つひとつひとつの専門性が高いという非常に優れた一冊です。

     その反面、知識が追いついていない箇所については少し難しく感じる部分があり、また非常に重厚な本ですので、読破の難易度は高めです。

     日本の暮らしぶりから考えると、あと10年程で本当にこんな未来が訪れるのか懐疑的に見てしまいますが、欧州ではすでに紙幣の印刷をやめた国もあり、テクノロジーの進化は今後より加速していくことでしょう。技術的には可能でも、法整備が追いつかず実用化できないといった未来にならないことを強く望みます。

     いずれにせよ、決して海の向こうの話ではなく、自分事して捉え、未来に対して早めに備えることが重要であると感じました。


    本書の採点など、もっと詳しいブックレビューはこちらの個人ブログでも書いています▼▼▼
    https://rukibooks.com/bookreview/economy/no7/

  • イノベーティブなテクノロジーの開発はできないかもしれないけど、生まれたテクノロジーを社会実装して豊かな未来は自分でも作れるはず。

  • 新しいテクノロジー達がびっしり。
    興味の湧いたカテゴリーを深掘りしたい。
    が、興味の湧くカテゴリーしかない。

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著者プロフィール

Xプライズ財団CEO。シンギュラリティ大学創設者。起業家としては長寿、宇宙、ベンチャーキャピタル、およびテクノロジー分野で22の会社を設立。2008年、グーグル、3Dシステムズ、NASAの後援を得て、シリコンバレーにシンギュラリティ大学を創立し、エグゼクティブ・チェアマンに就任。 MITで分子生物学と航空工学の学位を、ハーバード・メディカルスクールで医学の学位を取得。2014年にはフォーチュン誌「世界の偉大なリーダー50人」に選出され、そのビジョンはイーロン・マスク、ビル・クリントン元大統領、エリック・シュミットGoogle元CEOなどから絶賛されるなど、シリコンバレーのみならず現代アメリカを代表するビジョナリーの1人である。

「2020年 『2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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