- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784910108100
作品紹介・あらすじ
「教育はどうすればよいのだろう?」
暗記と論理の偏重、効率主義と個人主義を超えてーー
世界的数学者がとく、「自然」にそくした「正しい心」の育て方、その「論理」と「直観」を統合する考え方と実践がここによみがえる!!
中沢新一「はじめに」より
”『岡潔の教育論』は、岡潔の教育に関するエッセイと、岡潔と森本弘が五十年ほど前に、阿吽の呼吸で繰り広げた教育をめぐる問答の記録を、一冊にまとめたものです。(…)森本弘さんは、地元和歌山で小学校の先生をされていた方です。教育の現場で成長していく子供のこころを長きにわたって見つめ続けていた人です。(…)岡潔と数学が出会って現代数学に新しい世界が開かれたように、森本弘と岡潔が出会って新しい教育の理念がつくられたように、この本が多くの人の心に届いて、そこから新しいものの考え方や感じ方や未来への指針が生まれてくることを、私たちは願ってやみません。”
感想・レビュー・書評
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「ところが、いまの義務教育のやり方を見ると、知能というものを、まるでバケツに水をくむようにたまっていくものだ、時間がたつほど余計にたまる、たまる分量は時間に比例して多くなっていく、こんなふうなむちゃともなんともいいようのない仮定を暗々裡において、すべてそれに基づいてやっているのではないか」
「人は、五つ、六つのころ覚えたもの以外は、一度はみんな忘れてしまうのです」
機械的記憶のピークが早いのに対し、中学生以降に発達する意志的記憶の意味合いは、考察に値するかもしれない。
意志で記憶する、テストのために覚える、だから終われば忘れる。そのことを、どう定着に持っていくか。
「『みとおし』というのは、問題をみて、子供が『これは関数で解ける』と思って、考えつくことです」
分かりやすくて、なるほどと思わされる。
ガイダンスに従って進めるのではなく、「みとおし」を持たせる内容に。
ただし、そのためには何を使えば見通せるかという、ツールの準備が必要。詳細をみるコメント0件をすべて表示