奇妙なものとぞっとするもの──小説・映画・音楽、文化論集 (ele-king books)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784910511313

作品紹介・あらすじ

なぜそれが「怪奇的に」見えるのか?
なぜそれが「ぞっとするもの」として認識されるのか?
彼らは何かの間違いなのか?
マーク・フィッシャー生前最後の著作、ついに邦訳刊行!

H・P・ラヴクラフトやH・G・ウェルズ、フィリップ・K・ディックのような作家、映画監督のデヴィッド・リンチ、スタンリー・キューブリック、クリストファー・ノーラン、ポスト・パンク・バンドのザ・フォール、ブライアン・イーノ、彼ら「怪奇的」で「ぞっとする」表現者たちに、私たちがいままで世界を理解するために使ってきたカテゴリーが有効ではないとしたら、では、彼らから導き出せる思想とは……
優雅な文体で紡がれる思想家マーク・フィッシャーのもう一冊の代表作、冴えわたる考察がスリリングに展開する文化エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 何にも属さないものは確かに奇妙
    何かを見るときに無意識に何かに当てはめてるのも事実

  • 小説・映画・音楽における「奇妙なもの(the weird)」と「ぞっとするもの(the eerie)」という二つの情動を論じた本。そもそもweirdとeerieのニュアンスの違い(それ以外にもstrangeやuncannyという似たような言葉もある)がわかっていなかったので読み始めるに当たって少々面食らったのだが、それは読んでいく内にわかるようになっているので心配はいらない。奇妙なものとは何にも属していないものでありラブクラフトの小説に代表される。ぞっとするものとは行為主体の問題でありその不在であったり正体不明性の問題である。その著者の意見には納得させられる部分も多く、良い読書体験であった。ただし小説や映画の評論である以上、元ネタを多く知っていれば知っているだけさらに楽しめるのは自明の理であり、私の楽しめ度は50%くらいかもしれない。

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著者プロフィール

1968年生まれ。イギリスの批評家。ウォーリック大学で博士号を取得した後、英国継続教育カレッジ、およびゴールドスミス・カレッジ視覚文化学科で客員研究員・講師を務める。著書に『資本主義リアリズム』、The Resistible Demise of Michael Jackson(2009年)、Ghosts of My Life: Writings on Depression, Hauntology and Lost Futures(2014年)、The Weird and the Eerie(2017年)。2017年1月逝去。

「2018年 『資本主義リアリズム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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