学びの空間が大学を変える

  • ボイックス株式会社
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  • Amazon.co.jp ・本 (186ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784938789275

感想・レビュー・書評

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  • 大学内の空間(空間のかたち、机や椅子などの人工物などを含む)が学びをどう変えていくかの考察。空間設計×教育を、東大のKALS等のケーススタディーを交えながら。

  • 紹介事例は,東大駒場アクティブラーニングスタジオ(アクティブラーニングスタジオ),東京女子大マイライフ・マイライブラリー(ラーニングコモンズ),公立はこだて未来大学(コミュニケーションスペース)。ひとまず。ラーニングコモンズに関わる部分(Part3,4)のみ流し読み。学修支援環境であり,日本の場合にはインフォメーションコモンズも兼ねる。FDがやっぱり難しそう。以下,Part4より。
    「Part.3で取り上げた東京女子大学の事例で印象的だったのは,図書館の若手スタッフが利用者の行動を的確に観察し洞察していることであった。」: これに関連してるのか,Part.3では東京女子大の図書館で,館内利用を計れるようにするため,本棚には返本させず,ブックトラックに返本させるようにしてるとあったのが,先日の千葉大アカデミック・リンク・セミナー(2013年度第5回)の調査とも通じるところがあるような気がした。
    「近い将来,タブレットPCを持参した御用聞きスタイルのレファレンスライブラリアンがITツールを駆使して利用者の間を巡回し,サービスする姿が見られるかもしれない。」: 今でもその方がいいのでは,と思うことはあるな…。執筆者プロフ一覧ページで「Cybrarian」という言葉があったのだけど,その言葉からイメージされる姿って,そういうタブレットPC持参してたりとかそういう人のような気がする。

  • Thu, 28 Oct 2010

    大学の中で学びの為の場作りがすすんでいる.
    「学びの空間が大学を変える :
    ラーニングスタジオ ラーニングコモンズ コミュニケーションスペースの展開」
    ということである.


    写真という写真,図という図において,部屋のレイアウトや
    美しい机や高価な椅子が配置される.# だいたい,値段はわかる.
    インテリア会社の広告ばりのかっこよさ.

    もちろん,学生が活動できる空間をつくるのは重要であり,第一歩としては必要だ.
    しかしながら,それは「モノ」である.
    行政が「コンサートホール」を作れば,その地域の音楽活動が活性化されるだろう,と考えるのと変わらないとおもう.

    むしろ,
    ・学内のコミュニケーションを活性化するコミュニティづくりの仕掛け
    ・会議の中のコミュニケーション・メカニズム・デザイン
    ・相互の学びを加速させる,教員組織や授業カリキュラム含めた制度設計.インセンティブ設計
    など,より,ソフト面でのアプローチが本質的である気がした.

    すこしは,事例がのっていたが,全体としては
    「スタンフォード大にはこんなかっこいいスペースがある」
    的な事が多かった気がする.

  • アクティブラーニングが可能な空間設計について検討している本書。もちろん最後のまとめにあるように、形だけ真似るだけでは何にもならないですが、空間設計とその背景にあるコンセプトについて、充実したケーススタディを交えて考察されています。
    第3部のコミュニケーションスペースについてのところにあったように、大学全体としてまだまだ学生の憩いの場であったりグループで課題に取り組んだりできる場所が少ないのは確かだと思います。そういった「とりあえず集まれる場所」としては何となくのラーニングコモンズが認知されているような気がするけれど、学びを促進したり、想像力をかきたてるようなそういった工夫・改善がまだまだ必要だなと感じました。
    ラーニングスタジオ・ラーニングコモンズ・コミュニケーションスペース、この3者は全てつながっているものなのだと読み終わったときに改めて感じました。ラーニングコモンズを作る際に、大学がどういう教育を目指しているのか、実際にどんな授業が行われているのか、ということのカウンターパートになるような空間を作らないといけないなと。
    個人的には、はこだて未来大学の大学全体の空間設計がとても面白く感じました。こんな大学で過ごしたら、どういう大学生活になるのかなと純粋にわくわくしました。

  • 今年1月から学びの環境に関する文献を読んでいる。アフォーダンスを考えると学びの成立に環境特性は不可欠な要素である。この夏も補助金関係でこのトピックについて考えたが,見積もりだしてみると作りたい環境には多額の金がいることが分かる。ミッションを階層的にして学生の学びを促進できる,促進する環境を優先的に作って実践したい。

  • 【推薦文】
    「大学に求められる新しい学習空間」という視点から様々な先進的な事例を、写真付で紹介。
    事例ごとに、その狙いやコンセプトが丁寧に解説されています。

    【配架場所】
    大岡山: B1F-一般図書 377.17/Y

  • ラーニングスタジオやラーニングコモンズ等、大学の学習空間のあるべき姿について、多くの事例を挙げて考察しており、大学が行う、学生の能動的学修支援について非常に参考となる資料であります。

    ■横国大附属図書館所蔵データ
    http://opac.lib.ynu.ac.jp/cgi-bin/opc/opaclinki.cgi?isxn=9784938789275

  • 大学図書館,学習環境について,豊富な事例が紹介されておりました。母校の図書館も紹介されていました。当たり前のものとして使っていた図書館に対して,このように分析されるものなのかと興味深く拝読しました。

    環境が学びの質や意識に影響を与えるんだろうと何となく考えていましたので,もう少しこの分野にも深く足を踏み入れていきたいと思います。また,大学以外の教育組織においての適用可能性,実践例などについてさらに調べたいと感じました。

  • アクティブ・ラーニングやラーニング・コモンズに興味のある人におすすめです。
    概念や先進事例がわかりやすくまとめてあります。
    また、参考文献リストもしっかりしているので助かります。

    本書は、2011年6月11日の東京大学大学院学際情報学府のオープンキャンパスの際に、
    山内祐平先生から1000円で購入させていただきました。
    学生ので、ありがたかったです。

    就職後すぐにラーニング・コモンズをつくる立場になったので、勉強のために慌てて読みきりました。

  • まじめに仕事関連の本も読んでみた。こういう本を読むと成功例ばかりなので、「うちの大学ではムリだよねえ」、とちょっとへこみます。でも、ところどころ、「これはうちでもできる!」「やってる!」と思えるところもあって、そこらへんから地道に広げたいな、と思い直したり。そして読んで得た知見を一人で完結させるんじゃなく、あちこちに言う、共通理解して仕事につなげる、っていうのが大事なんだな。と思った次第です。

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著者プロフィール

東京大学大学院情報学環 教授
1967年生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程中退。博士(人間科学)。茨城大学講師、助教授を経て2000年東京大学大学院情報学環准教授。2014年より現職。専門は情報化社会における学習環境のデザイン。開発研究とフィールドワークを連携させた研究を展開している。著書に『ワークショップデザイン論』(共著、慶應義塾大学出版会)、『学習環境のイノベーション』(東京大学出版会)など。

「2022年 『活躍する若手社員をどう育てるか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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