ナウシカ解読: ユートピアの臨界

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  • 窓社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784943983873

作品紹介・あらすじ

成長する物語『風の谷のナウシカ』は、現代の思想的難問にいかなる解決を見いだしたか。付録-インタビュー・宮崎駿氏に聞く

感想・レビュー・書評

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  •  マンガの中で、ナウシカやクシャナのとった一見不可解な行動に、じつは現代人にとっても深い問題提起が隠されている。ナウシカが見据えた「ユートピア」がどんなものだったのか……「青き清浄の地」とはなにか……いくつかの問いを突き詰めて考えることで、ナウシカが人間の未来に見据えたものが明らかになっていく。

     この本を「ナウシカの謎を解く!」みたいな謎本、攻略本と思うと、ものすごい勘違いをすることになる。ノージックとか、アーレントとか、何者ですか? そんな登場人物出てこないよ! でも、読み進めるうちに、ますます『ナウシカ』の複雑さについて自分なりに考えていける……そういう「自分なりの読み方」を探すむきには、とても有益な本だと思う。

     ちょっくら思想方面に興味がないと厳しいかもしれないが、著者の「親切さ」は折り紙付き。自分がなぜ『ナウシカ』にひかれたのか、その一端を説明してもらった感じ。『ナウシカ』の奥深さをさらに味わうには、読んで損のない本だと思う。

  • \105

  • 原作とアニメの違いを論ずるのは意味がない 作者の稲葉氏の畑が経済学と社会論からの発想なのか 宮崎駿の信奉者なのか
    堺が良くわからない
    虚構の存在者が君臨する原作の世界は当然 虚構の世界なのだという認識は健全な人間ならもっているだろう。 ユートピア論と原理主義的な国家論者と哲学的意味づけ 初期学習の混沌状態の知識で巧く体系だてた本である。
     おもしろかったです。

  • マンガのナウシカについての論文。後半のユートピア論になるとちょっとわからなくなるが前半部は作品論として秀逸。対談もある。

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著者プロフィール

1963年、東京都生まれ。一橋大学社会学部卒業。東京大学大学院経済研究科博士課程単位取得退学。岡山大学経済学部助教授を経て、現在、明治学院大学社会学部教授。 専門は、社会哲学。 著書に、『経済学という教養』(東洋経済新報社、増補版/ちくま文庫)、『「資本」論』(ちくま新書)、『「公共性」論』(NTT出版)、『社会学入門』(NHKブックス)『不平等との闘い』(文春新書)、『宇宙倫理学入門』(ナカニシヤ出版)、『政治の理論』(中公叢書)など多数。

「2018年 『「新自由主義」の妖怪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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