幸福への原点回帰

  • 文屋
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784990304539

作品紹介・あらすじ

激しく変化する時代の波の中で、正しい道を歩み続け、自分とつながる人々の幸福を守っていくには、原点回帰という改革が常に必要です。一年半の間に、お互いの会社を訪問し合い、じっくりと語り合った対話集。

感想・レビュー・書評

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  • 株式会社イエローハット 取締役相談役 鍵山 秀三郎と伊那食品工業株式会社 代表取締役会長 塚越 寛が「日々の清掃が会社を変えた」「企業経営の目的と手段」「現代社会・企業への提言」「親の教え、師からの学び」「100年後の種をまく」をテーマに対談しています。

    対談の司会を、日本を美しくする会相談役付 白鳥 宏明、本書のプロデュスを人と情報の研究所 代表 北村 三郎、そして、志ネットワーク 代表の上甲 晃が推薦文を書いています。

    仕事や人生に役立つ本です。

    誕生まで2年間要した、待ちに待った本がやっと出版されました。

    読み始めると、初めは知っていることばかり……。

    期待はずれかな?

    と読み進めていると、うなずき、考えることばかり。

    期待以上の本でした。

    「経営者」と「掃除」が共通のお二人。

    経営する業種は違えども考え方は似ています。

    企業の論理が優先され閉塞感の漂う現在日本。

    私達は考え方がおかしくなっているのではないでしょうか?

    「本当はこうあるべきだ」ということに気づかせてくれた本です。

    あなたも、この本にて幸福への原点回帰をしませんか。

  • ”小布施にて文屋さんから直接購入!塚越寛さんと鍵山秀三郎さんとの対話集。あとがきは北村三郎さん。
    ---
    T:伊那食品訪問までに→×(8/7)
    P:
    O:
    ---
    ・きれいなところに人は集まり、人の集まるところに価値が生まれる(p.43:塚越)
    ★人間は、日々を生きる環境によってさまざまな影響を受ける生き物です。(p.59:白鳥)
    ・たった一人の社員のために莫大な出費を決意した私の胸には、臆病な心があったのかもしれません。私はそのことをネガティブには受け止めていません。経営者は臆病でよいのではないかという気がするのです。(p.81:塚越)
     #プレス脱水装置で社員が複雑骨折をしたのをきっかけに高額の投資を。
    ・初めは、たとえば自分たちで寒天のお菓子をお菓子を作ってみて、「こういう商品はいかがですか」と菓子メーカーに提案するところから始めました。みんなで知恵を絞って、徹底的にやりました。(p.86:塚越)
    ・当社の経営理念は、社員の幸福を通して社会に貢献することです。そのための手段として、会社の永続を目指しています。(中略)
     本を作ったら、折りあるごとにそれを読み合わせる雰囲気を根づかせることも大切です。当社では朝礼のときなどに、本からの引用をふまえて日々の活動報告や感想発表を行っています。(p.93:塚越)
    ・2005(平成17)年には、ダイエットをテーマにしたテレビ番組で観点の効果が紹介され、(中略)結果として、この年の売上は前年比で約四割増加しました。
     ブームの反動で、翌年の売上は十数%減となりました。私の経営者人生で初めての、減収経験です。とはいえ、ブームの前年よりは増収増益していますから、長いスパンで見れば経営に悪影響はありません。(p.101:塚越)
    ・私は成果主義やこれにもとづく能力給というシステムには賛同できません。
     時代がどう変わっても、どんな会社にもリーダーは必要です。ですから優秀な素質のある社員には、指導者として特別なポストを与えることもあります。しかしこれは成果主義ではありません。(p.106:塚越)
     #「抜擢のある年功序列」
    ・無駄というのは、誰もいない部屋の照明をつけっ放しにするようなことです。みんなが快適になり、幸福を感じられるような使い道なら、それは無駄な出費ではありません。(p.110:塚越)
     #社員旅行、自宅車庫設置・スタッドレスタイヤ購入への補助金 etc.
    ・こうした微差、僅差を追求し続けることによって、大差に、そして絶対差に達することができます。掃除は誰にでもできることですが、それを継続する人だけが「真のエリート」になることができるのです。(p.120:鍵山)
    ・それらの相乗効果で、当社がより良い会社に育ち、社員もお客様も芸術家のみなさんも幸福感を得られれば、それこそ当社が目指す「たくましく、そしてやさしく」という姿の具現となります。(p.124:塚越)
     #アートギャラリーとカフェを併設した多目的ホール「かんてんぱぱホール」の建設について
    ★「売り手よし・買い手よし・社会もよし」を総じて「三方よし」という表現があります。私はそこに「将来もよし」という時間軸をプラスして、「四方よし」と言っているのです。(p.125:塚越)
    ・豊かさを保ったままで謙虚になる道を探っていかなければなりません。
     そのためには、自分の体や手足を使って実践を重ねることが、いちばんだと思います。自分の体を使った実践によって、私たちは人の労働を正しく評価できるようになります。(p.136:鍵山)
    ・サービス業や運送業には、その性質上、どうしても遊びの時間が生じます。雇用者による搾取を防ぐために、最低限度の基準を定めておくことは必要ですが、細部まで一律の法で縛ろうとすると、本来守られるべき労働者に、逆に負担を強いることにもなりかねません。(p.144:鍵山)
     #サービス残業などへの厳しすぎる取締りについて
    ★一番と二番で何が違うのでしょうか。二番でも強い会社になっていけば、何も問題はありません。内部留保をきちんとやり、社員教育をし、研究開発を着実に続けるとともに、メセナ活動、ボランタリー活動に力を入れることによって、世の中の役に立てる仕事をしていけば、一番でなくとも必ず強い会社になれます。(p.153:塚越)
    ・日本人は日々、数ミリずつ傾いている。いまや倒れる寸前にまで傾いている。それでも誰も気づかないのは、一つには、毎日少しずつ傾いているためにわからない。もう一つには、みんなが傾いているからわからないのだと。(p.156:鍵山)
     #阿久悠さんの発言
    ★義憤を感じるような経営者でなければ、社員たちはついてこないと思います。なぜなら、今の若者たちは正義感に満ちているからです。(p.160:塚越)
    ・行政組織に感じる課題は、他の組織に共通するところも見られます。(中略)かつてはボランティアによって成り立っていたはずの慈善事業に、専属の職員を置くことから、間違いは始まります。(p.174:鍵山)
     #例→ http://www.akaihane.or.jp/kyoudou/data.html
    ・経営にとって大切なのは、通常は「人・物・金」と言われますが、私は「人・人・人」だと思います。(p.179:鍵山)
    ・私が尊敬する二宮尊徳翁の言葉に、「人生まれて学ばざれば生まれざると同じ。学んで道を知らざれば学ばざると同じ。知って行うこと能はざれば知らざると同じ」とあります。(p.235:塚越)
    ★どんな人でも、成長の過程で、何らかの夢をもつと思います。しかし多くの場合、この夢が途中でなくなってしまうようです。これは、夢が逃げ出していったわけではありません。自分が夢から逃げ出したということです。(p.246:鍵山)
    ・今、私が理想としている「社風」は
      一 社員が働くことを楽しみ、
      二 人間としての成長を促し、
      三 その結果として永続的に業績を伸ばすことができる。
     ということです。(p.282:北村)”

  • 書かれていることは既出の話が多かったかな。しかしやっていることの凄さは何度聞いても褪せることはありませんね。会社の世界遺産ですね。

  • <span style="color:#000000"><span style="font-size:medium;"><img src="http://yamano4455.img.jugem.jp/20080203_432024.jpg" width="104" height="150" alt="幸福への原点回帰" style="float:right;" class="pict" /> 「幸福への原点回帰」<br style="clear:both" />

     ?イエローハット取締役相談役 鍵山秀三郎氏と伊那食品工業?代表取締役会長 塚越寛氏との対論集。
     
     鍵山氏はいわずと知れた、掃除の神様。私は最近知ったばかりなのだが、塚越氏とて、同様だ。この二社は掃除を会社の最も大切な仕事と位置づけている。朝の掃除に十分な時間をかけている。

     無条件でお読みになられることを勧める。一言で言えば、掃除は、人間を素直にする、謙虚にする、<a href="http://www.officeh.com/" target="_blank">原田隆史</a>氏ふうに言えば、心のコップを上向きにするということ。

     今月号の日経ベンチャーにおいても、?ホンダカーズ中央神奈川の相澤賢二氏も同様のことを述べられている。毎朝30分、店舗周辺の道路なども含めてねんごろに掃除をするという。社員に真剣に掃除をしてもらうために、本田のロゴの入ったジャンバーとパンツ、運動靴を支給。

     相澤会長の以下の言葉。

    「掃除の何がいいかって言うと、作業していると住民の方々や道行く人から『ご苦労様』『ありがとう』と声をかけられること。人間は感謝の言葉を言われ続けると、素直になって、周りの人がいい人たちばかりだと信じられるようになる。そうなると必ず接客態度も変わってくるんだよね」

     すごいよな。掃除の効能をこんなに分かりやすく話してくれる。

     とにかく読まれたい。

     もう一つ、この「<a href="http://www.e-denen.net/" target="_blank">文屋</a>」という出版社。ふざけた名前から、あやしげな自費出版を請け負う会社かと思っていたが、なかなか、おもしろいう本をいくつも出している。このことを知ったことも、私にとって意義ある本であった。</span></span>

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著者プロフィール

昭和8(1933)年、東京生まれ。昭和27(1952)年、疎開先の岐阜県立東濃高校卒業。昭和28(1953)年、デトロイト商会入社。昭和36(1961)年、ローヤルを創業し社長に就任。平成9(1997)年、社名をイエローハットに変更。平成10(1998)年、同社取締役相談役となり、平成20(2008)年、取締役辞任。平成22(2010)年、退職。創業以来続けている掃除に多くの人が共鳴し、その活動はNPO法人「日本を美しくする会」として全国規模となるほか、海外にも輪が広がっている。著書に『凡事徹底』『続・凡事徹底』(以上、致知出版社)、『鍵山秀三郎「一日一話」』『すぐに結果を求めない生き方』(以上、PHP研究所)などがある。

「2020年 『大きな努力で小さな成果を――平凡なことを非凡に努める「凡事徹底」の生き方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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